第14話 進軍
俺が生まれた頃の話をしよう。
俺はこの水ノ国のスラムに生まれた。
しかし俺は生まれた瞬間親に捨てられ孤児となった。
ヤるだけヤって出来たらポイだ。
普通なら人間のクズだが、このスラムではよくある事だ。
そんな俺を拾ってくれたのが今の俺の義理の母親、ルイメル・ミアだった。
彼女は当時の俺と同い年の女の子を母親の手だけで育てているにもかかわらず、俺を拾ってくれた。
フォーという名もこの時ミアがつけてくれたものだ。
そして、俺は物心ついた時からミアを本当の母親だと思い、その娘ファルを本当の姉だと思い過ごしてきた。
他のスラムの住民と比べても人一倍貧しかったが楽しく過ごしてきた。
そして僕は10歳になり全てを思い出した。
その日スラムで夫婦が死んでいる事が確認されている。
どうやらその2人が俺の本当の親だったのだろう。
しかし今更俺にはそんな事は関係のない事だ。
『スリー王子が今日誕生日』
という事を聞き俺は確信した。
この国の王子も転生者だという事を。
水ノ国の国王はスラムの事を完全に放置し、日の当たる場所だけを成長させている。
当然スラムの人間はそんな国王に対して膨大な不満を持っている。
これは使えると思った俺は、すぐさまスラムの住民に革命の話を持ち出した。
今まで革命は起こしたかったがその勇気が無いという人が多く、すぐさま仲間が集まった。
そしてこの国では黒髪黒目の子の事を、『神の子』と呼ぶ。
俺は、スラムの中心で仲間達と共に、
『我々には神のご加護がついている!!』
と島原の乱の天草四郎の様な事を言うと、他の乗り気でなかった住民もゴロゴロと集まってきた。
その後僕はスラムの神と崇められ革命の象徴となった。
しかし、スラムの住民はまともな教育を受けずに育ったのでロクな戦い方ができない。
そこで俺はこれから一年革命軍は戦闘の訓練をし、次のスリーの誕生日に襲撃を仕掛けることにした。
たくましく生きてきたおかげか、皆なかなか筋がよく新しい事を次々と覚えて行き、ドンドン強くなっていった。
そして特訓開始から一年、スラムの人達は王国の騎士並みに成長した。
ちなみに俺はと言うと、生まれつき莫大な魔力量を持っているので特訓なんてしなくてもチート級の強さだ。
「見えてきました」
隊長の1人が報告してくる。
現在革命軍は森の中で身を潜めながら王宮へ進軍している。
行動開始から2時、王宮のてっぺんが見えてきた。
いよいよこのゲーム最初の死者が出る。
やっと、このゲームは始まるのだ。
「さぁ、首洗って待ってろ。王様」
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