第12話 霧
カルテを見る。
本来この病気にはしなくていい様な手術がされている。
この手術は治療費がとても高価である上リスクが高い。
こんな手術を受ける人がいるとは思えない。
この家族はそれを了承したと言うのか?
あり得ない。
恐らく何かデマを吹き込まれたのだろう。
患者は4歳の男の子だった。
案の定手術は失敗している。
この病院は金欲しさに1人の患者の命を犠牲にしたと言うのか?
嫌、1人じゃない。その様な患者が見るだけでまだ何人かいる。
可愛そうに、残された遺族はこの事を知らずに今を暮らしているのか。
嫌、知らない方が幸福かもしれない。知らぬが仏とはまさにこの事を言うのだろう。
あの兄妹が死んだ日からずっと僕の目の前にかかっていた霧が少し消えた様な気がした。
もしかしたら、僕はついにその霧をはらう方法を見つけたのかもしれない。
霧の先にはどの様な真実が待っているのやら・・・・
そう考えながら、僕はさっき見た4歳の男の子の遺族に話を聞く為行動を始めた。
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