第9話 手がかり


滝上病院、そこは都民で知らない人はいないほどの大病院であり、死んだ幼馴染の病院であった。

僕はあれから様々な事を調べた。

最初の方は僕の猛烈な講義に心を揺さぶられたのか、協力してくれるものはいた。

しかし、その人達も年が変わるにつれ1人、また1人と姿を消していった。

11年前のあの事故、確かにそこらでよくある死亡事故にしか見えない。

恐らく僕も被害者があの2人じゃ無ければ興味を持たないであっただろう。

しかし、僕はこれを事故だとは思わない。

根拠があるかと聞かれると、あるとは言えない。

しかし、第6感というのだろうかこの事故は何かが引っかかる。

そんなありもしない根拠を元に僕はこの事件を調べ続けた。






そんなある日、僕は滝上病院へ足を運んだ。

あの兄妹の周りを調べ尽くしたが、怪しい物は何一つ出てこなかった。

最後に残された情報が、この病院であった。

僕はあの兄妹の幼馴染、家族とは結構仲が良かった。

病院の院長である兄妹の父親に頼み、11年前の色々な資料を貰った。




ん?




家に帰りその資料を見る。

様々な資料があったが、1つの資料に目が止まった。

その年の手術のカルテである。

僕は実は医学部出身だ。

医療はある程度解る。

この資料にはいささか不振な点がある。




これは・・・・






ーー不正?



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