救いがないようである話。

メリーバッドエンドをキーワードに選んでいるだけあって、下手にハッピーエンドにならず、シリアスな展開なので、各話の結末の自由度が高い。
かといって、読後感が悪い話ではない。暗転する展開にも関わらず、ふしぎと読者は満足できる。というかできた。
戦争ものだと普通はこういう悲惨な話の方が、現実的で嘘くささがないのだ。それがひとつ。
それとキーワードにもあったけど、「いつかハッピー」というやつ、文章にも出ているが、進行していくうちに話が好転するような暗示が仕掛けられていて、そのせいで未完でも話の全体像が想像できる。それが、読むのに過度な知的エネルギーの消耗を要求されない、気軽な読みやすさをもたらしている。そのせいか手に取りやすい。一話完結型ゆえに途中で読みやめても悩まないし、読み切っても満足できるだろう。
というわけで最終話を楽しみにまっています。