失恋キューピッドはそろそろ泣きたい
地下根
第1話
初恋は実らない。
よく聞く言葉だよな。人生初の恋が実らないものだなんて、なんだか悲しい気もする。
だって、恋っていうのは。毎日が楽しくなったり、景色が違って見えたり、その人が居るってそれだけで幸せで。
めちゃくちゃ素敵なものだと思う。それを、生まれて初めて経験したのに実らないなんて。
まぁ、人生そう上手くいかないのも分かるんだけど。
「……応援するしか、ないよなぁ……」
とほほ、なんて肩を落としながら開いたスマホ。
『藍沢くんの事が好きなの』――残念ながら俺の名前は藍沢ではない。つまり。
失恋。想いを秘めたままに散った。それはもう見事なくらい。
……だけど……。気を落とすより先に、ひとつの決意が此処に生まれた。やっぱり好きな子の恋は、応援したい。幸せになって欲しい。
スマホには、『デートに誘いたいんだけどなかなか……』なんて気弱なメッセージ。そうだよな、藍沢と距離を縮めるにはまずデートだよな。
……よし。藍沢とのトーク画面を開いて、キーボードをタップ。
『なぁ藍沢』
『どうした?』
『デートしてくれ』
――あ、間違えた。
失恋キューピッドはそろそろ泣きたい 地下根 @chikane
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。失恋キューピッドはそろそろ泣きたいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます