何羽も
様々な類の樹々が立ち並ぶ遊歩道
大きな黄色の柑橘類が実る樹
その横に、柿の樹
樹の高さは
柑橘類のそれより二倍は高く
実は
子どものてのひらに乗りそうなほど小ぶりで
つやつやとした
夕陽のようなオレンジ色
その柿の樹には
見るたびに
鳥がいる
何羽も。時には、十羽をこえて。
鳥の名前は知らない
嘴の先から尻尾の先までの体長が
私のてのひらに乗るかどうか
(地面に降りてきてはくれないから定かではないけれど、もっと近づいてみられたら、あるいはもう少し大きいのかもしれない)
ほっこりと丸っこい胴は薄茶色
羽は濃い茶色で
尾の付け根は白く
目の下から首元にかけてにも、筆でなぜたような白
くちばしは濃い黄色
脚は、濃い灰色、に見える
ピチュピチュ、キュイキュイ、ヂュイヂュイと鳴く
枝をしならせるほど たわわに実る柿を
各々ついばんだり
あんなにたくさん実っているのに
ひとつの柿を取り合って鳴いていたり
咀嚼しているのか見つめあっているのか
ただ静かに枝に止まって 動かずにいたり
この鳥たちは
私が見る時には
決まって南のほうから飛んできて
そして 食べ終えた と見受けられる彼らは
たいてい北、あるいは、西のほうに飛んでいく
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