小さな世界で一番すきな樹

「ハトマン」という樹がある。

こどもがつけた名前だ。

その樹の本名は、別にある。


幹が どんと太くて

わりと高い、例えば一軒家でいうと2階ほどのところから生えている細い枝葉は、

小高い丘のような形にまあるく 四方に広がっている


小さな公園の入り口に立つそれは、

私が日々見る中でも、特に好きな樹だ。


その樹の周りには

よく鳩がいて

(けれども、だから「ハトマン」、というわけではないらしい。こども曰く。)


けれどその日は 珍しく

本当に珍しく

鳩ではない鳥がいた


2話の鳥

翼は黒

体は明るい灰色

体の大きさは、すずめの2倍ほど


鳴き声を聴けるほどには、その日は観察できなかったけれど


葉がすっかり落ちてしまった枝たちの、間で、

細っこい2羽は、なんだか目立っていた

ぐん、と、目に飛び込んできた



そういえばあの樹は

内側の葉から順々に、黄色くなっていて

なんだか不思議に感じたものだった

楕円形に近い

まわりがギザギザな葉


黄色と緑の

清々しく美しいコントラスト

次の秋にも見たいと思う

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る