魔法学校の入学式

烏丸 ノート

1

 いつも通り青い空の元私は飛んでいました。時刻は、もう昼頃でしょうか?お腹がすいてきました。

「どこか、国はないものでしょうか……お腹空いた」

 それも仕方ありません。ここのところ飛んでいるばかりで、新たな国に出会うことがないのです。最後に行った国は…三日ほど前でしょうか?

 空腹に、疲れ、体の汚れなどを感じ今すぐにでもふかふかのベットへだいぶしたい気持ちでいっぱいでした。

 そんな時でした。

「あ、あそこに見えるの、国じゃないですか!」

 国がありました。それも結構大きい。ですが地図を見る限りこの変には国はないはずなのですが、はて?あんな大きな国ならば地図に乗るはずですが…まあ、そんなこと気にしても仕方がありません。行きましょう。

 私はその国へ向けて放棄を飛ばしました。今出せる全速力で。

「ふう、ようやくたどり着きましたよ。いやあ、近くで見るとさらにでかいですね。特に塀なんてどんだけ高いんですか。巨人でも来るんですか」

「あの、本日の方ですか?」

「……?違いますけど」

「…?え、ああ、じゃあなんの御用で?」

「国に入りたいんですけどらいくらで入れてもらえますか?」

「入国の方でしたか、ではその前にいくつか質問させて頂けませんか?」

「どうぞ」

「あなたのお名前は?」

「レイナです、白の魔法使いと呼ぶ方もいますね」

「魔法使いですか?」

「今言ったじゃないですか」

「入国を認めます。銀貨一枚です」

「あ、はい」

 謎の質問を受けた後、銀貨一枚を門兵に渡し、入国しました。

 さて、まずは腹ごしらえと行きましょう。美味しいお店はどこか───。

 上を見上げると何人もの人がほうきに乗り、空を飛んでいました。

 そう、ここは魔法使いの国だったのです。私の知らない、その国はそこにありました。

 何だ、地図に乗っていないはずですね。じゃあ美味しいお店探しますか。


 片手にサンドイッチ、そしてコーヒーをもち、私は町をウロウロと歩いていました。

 それにしても賑やかです。そこらじゅうで「おめでとー!」だの「期待してるよー!」だとか「いくらでも払うからうちの子をー!」だとか…?入国時の門兵のお話とこの賑わいから察するに、魔法学校の入学式なのでしょう。多分。いやきっと。絶対。でもまあ、一応聞いてみましょう。

 私は通りすがりの女の人に声をかけました。

「あの、今日何かあるんですか?」

「あなた、知らないの?今日は魔法学校の入学式よ!あらゆる国の魔法使いさん達がこの国にやってきて魔法を覚えに来るのよー!」

 やっぱり。

「ほう、ですが入学式ごときにでここまで盛大にやる必要が?」

「だってあなた、魔法学校に入れるのは本当に優秀な人だけよ?」

「え、マジすか」

「マジですとも」

 ふむ。どうやら以前私が訪れた魔法使いの国とはまた異なる様で、ここの魔法学校はなかなか優秀な生徒が集まってあるそうですね。

 いやあ、おもしろそう。

「お話ありがとうございました」

「ええ、そう言えばその格好、あなたも新入生?」

「あ、いえ、私は既に魔法使いなので」

「あらそうなの、あなたもきっと最後の試験に苦労したのでしょうね。わかるわよその気持ち」

「あ、いえ、結構楽に合格できました」

「またまた」

 ええ…ほんとに楽だったんですけど、ただの魔法打ち合いでほうきから落としたら勝ちとか、単純な試験じゃないですか。

「苦労したのでしょう?」

 何故こんなにも苦労したと言わせたいのでしょうか、まあ別に苦労しなかった訳では無いのですが、主に力加減で。

「確かに、苦労しましたね」 (力加減に)」

「だよね!」

「はあ…」

 手に持つサンドイッチを食べ終え、コーヒをズルズルと啜りながら彼女の話を聞き、適当な返事をするばかりでした。

 そして彼女は話したいだけ話して、またわいわいと、騒ぎに行きました。「ひゃっはー!入学おっめでとー!」と叫びながら。

 私は残りのコーヒーを飲みきり、また町の奥へと進んでいきました。さあ、こんなにも賑わっているのです、入学式とやらを見てみましょうじゃありませんか。

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魔法学校の入学式 烏丸 ノート @oishiishoyu

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