第92話 不眠不休

 ははは……おいらだよ。


 もう夜中の二時過ぎてるよ。よい子は寝んねしな。なまはげの温水洋一が来ちゃうよ。あの、彼ってさ、自分のこと二枚目だと思っていて、普段、オファーで来る仕事がすごく三枚目の役ばかりなので、とても嫌なんだって。おいらは彼のこと笑ったりしないよ。でさあ、おいらはね、自分の顔が大嫌いなんです。別に、エレファントマンみたいに麻の袋を被らなきゃ外に出られないわけじゃないし、わりと悩んでおられる方が多いと言われている、顔に大きなあざがあるわけでもない。(皆さん、そんなの悩み無用です。サムライジャパンの稲葉監督をみなされ。誰も気にしていないでしょ?)ああ、おいらの顔ね。中の上くらいかな。でも、どうしても見たくないの。例えば、髭を剃るときも鏡なんて見ない。手の感触で、剃り残しを感じて剃るんです。あとさあ、鼻毛切り、これは鏡を全く見ずにはできないですよね。そういう時は鼻だけが鏡にうつるように、細心の注意を払います。だから、もう十年以上自分の顔なんて見たことないです。老けただろうな。


 そんなことはどうでもいいのです。この冬はドラマのラインナップがいまいちだなあと、さっきまで考えていたんです。ドラマはつまらないと義務で観るようになって、プレッシャーがかかるんですよねえ。だから、冬ドラマは観ないようにしようと思っていたけど、観ちゃった。『いだてん』。ああ、スピード感と疾走感があって、面白かったな。とにかく明るいのがとてもいい。ドラマをぶち壊すのではと危惧していた。たけし師匠の古今亭志ん生、ロレツが回ってない感じもするけど、本物の志ん生師匠だってロレツが回っていなかったと聞きますからね。ある意味リアル。ちなみに志ん生師匠の長男が金原亭馬生師匠で、次男が、高級ふりかけ『錦松梅』のCMにずっと出られていた、古今亭志ん朝師匠です。金原亭馬生師匠の娘さんがネジネジでおなじみ中尾彬さんの奥様、池波志乃さんです。池波さんの苗字はあの池波正太郎先生にいただいたものです。たぶん、昔の『鬼平犯科帳』、テレビ朝日でやっていたのね。初代松本白鸚先生か萬屋錦之介先生か丹波哲郎先生のうちのいずれかのバージョンに出たんでしょうが、ちょっと調べないとわかんない。ご興味がありましたらご自分でね。

 志ん生師匠は志ん朝師匠をとても可愛がっていて「志ん生の後を継ぐのは、できのいい志ん朝」と言っていたそうです。そうすると馬生師匠が無能に聞こえてしまいますが、彼も名人と呼ばれました。で、結局のところ、志ん生師匠亡き後、馬生師匠も、志ん朝師匠も早くに亡くなってしまい、志ん生の大名跡は空位のままです。そうそう、志ん朝師匠は、初代松本白鸚の『鬼平犯科帳』にレギュラー出演。“うさぎ”のあだ名でおなじみの木村忠吾をユーモラスに演じていました。二代目中村吉右衛門の『鬼平犯科帳』において池波志乃さんは原作にない、池波正太郎先生の他の作品をベースにした物語に出演していましたね。ちなみに“うさぎ”は尾美としのりさん。ユーモラスさからいえば、志ん朝師匠の勝ちでしょうね。しかし、話はぶっ飛びますが、兄である二代目松本白鸚と弟である二代目中村吉右衛門。吉右衛門の方が疲労度が高いと思いますがどうでしょう。人間国宝だし。歌舞伎に対するプレッシャーは吉右衛門の方がはるかに厳しいような感じがします。二代目松本白鸚は、なんか楽しんで仕事しているようだ。『ソニー損保』のCMなんて、とぼけたじいさんみたいだしね。白鸚さんの市川染五郎時代における人気ってすごかったそうです。なぜか、おいらのカラーボックスには『黄金の日々』のDVDが全巻揃っています。


 さて、後のドラマもCMが活発になって来て概要がはっきりして来ました。まあ、観ていいかなと思ったのは『メゾンドポリス』とタイトル忘れちゃった。フジテレビ系列の木曜のドラマ。竹内結子主演のやつ。これはバカリズムが出るからという単純な理由で、フェードアウトの確率高いです。『3年A組』でしたっけ、菅田将暉のやつ。永野芽郁ちゃんが前髪垂らして、女子高生の扮装してさ、この前まで四十代の子持ちを演じていたというのに! あれもちょっと観たかったのですが『オクニョ』と時間がかぶっちゃってる。録画するほどのものでもないので、断念。

 関テレの火曜八時台はつまらなそう。ふー、これでやっと『マツコの知らない世界』に戻れますよ。


 最後に、国際問題についての私見。考察を。

 えー、日本の隣にある国、大韓民国って言いましたっけ? あそことはもう、まともに付き合わない方がいいと思います。国交断絶してもいいかな? なんか、いつまでも、同じことを蒸し返すし、もう、だいぶ前に取り決めたことを平気で破るわけでしょ。素直に謝らないし、人の国の島を不法に占拠しているしね。とても儒教の国とは思えません。歴代大統領はみんな逮捕されるしさ。財閥ばっかりが儲かって“ナッツ姫”やら“水かけ姫”とかの勘違い女妖怪はうじゃうじゃ出てくるしさ。日本はせいぜい“砂かけババア”くらいだし、漫画にしか出てこないしね。

 もうさあ、日本に来て小金稼いで帰る、BTSだの東方神起だのは入国禁止にしましょう。紅白に出ていた美女はどうしよう? でも、どうせ整形しているんでしょ。帰れ、釜山港へ! でも『オクニョ』だけは許します。面白すぎるから。三月いっぱいだから見逃そう。いえいえ、そういう意味ではありません。必ず観ます。


 だーれもいないと思っていても、本当に本当にいないんだあ🎶

 孤立を深め、傷も深め。皮膚は一向に治らずだあ。ああ、虞や虞や。

 おいらの行く末、いかんとする、ですね。

 

 おしまいです。

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