第78話 新年放談

 新年あけましておめでとうございます。ああ、万が一、お身内にご不幸のあった方には深くお悔やみ申し上げます。それから、松が取れてからご覧になった方には寒中お見舞い申し上げます。立春以降に読まれた方は……まあ、御機嫌ようですな。とにかくおいらです。


 読者の皆さまにはご贔屓いただき誠にありがとうございます。しかしですねえ、十一月から体調不良でトンズラこいて、師走の終わりにノコノコ復帰したこの駄文ですが、残念ながら多くの皆さまのご興味から外れてしまったようです。その証拠にトップページのPV数の欄をクリックしてごらんなさい。復帰後の成績がみるも無残な状況に陥っているのがよ〜くわかります。いくら独り言だと言っても、これは悲しい。

 おいらはその原因を沈思黙考致します。まず、大前提として考えられるのは、病欠があまりにも長すぎて、存在を忘れてしまわれたということ。まあ、この駄文は暇つぶしに読まれていたに違いないですから、なきゃなくてもいいのでしょう。皆さまの人生に必要な言葉は一つも成分に入ってませんからね。あとは、おいらの文体に飽きが来てしまったということも考えられます。ワンパターンだし、病気自慢ばっかりしているし、ツイストも効いていませんからね。でも、長年培ったこの文体、フィクションならもう一工夫もできましょうが、一応、エッセイの体裁をとっているとなると、そうそう変更できません。己の心の叫びを皆さまにお伝えするにはこの文体がもっとも適していると考えている次第であります。ただね、かなり、フィクションというか嘘話が含有されており、結構、話と話の間に矛盾が生じているのも確かでして、なんというか、おいら、先を読むことも、過去を振り返ることも苦手なので、その辺りが、いかんなあと思います。だから、将棋とか、オセロといったボードゲームは超弱いですし、囲碁や、麻雀なんかはルールを覚えることも面倒でやりません。最近は藤井聡太七段を尊敬しています。(あなたがこの駄文を読む頃には八段、九段、下手すりゃ名人とか竜王とかになっているかもしれませんね)

 一応、百話までは続けるつもりですが、モチベーションが続かないかもしれません。フォロワー十三人だもんな。(元日現在)

 脅すわけではありませんが、年末にテレビを観ていたら、秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大死刑囚の再現ドラマをやっていて、思わず見入ってしまいました。すると、彼は某掲示板にたくさんの書き込みをしていたのですが、だんだん返信がこなくなり、無視状態が続いて精神的に不安定になった挙句、職場で自分の作業服(つなぎ)が見つけられなくて、「こりゃあ、世界が自分を無視して、いじめている」と発狂して、犯行に突っ走ったのだそうです。もちろん、自己顕示欲が強すぎた上、心に闇と弱さを持っていたのでしょう。そこで、考えてください。おいらの持病を! なあんてね。タチの悪い冗談ですよ。


 さて、新年が明けちゃったわけですが、おいらは出先で『紅白歌合戦』と『ゆく年来る年』を年明けの瞬間まで観て、独居房に帰って来たのです。すると、新年早々、トイレットのペーパーホルダーが壁から剥がれて落ちました。どうも、ネジで取り付けられていたのですが、ネジ穴が広がりすぎてネジが滑り落ちたようです。こうなるといくらドライバーで締めても意味がありません。夜中に作業するのは面倒なので放置しました。そのあとすぐ、冷蔵庫に貼り付けていたO Kちゃん(北海道のテレビ局H T BのキャラクターO Nちゃんのたぶんガールフレンド)が墜落しました。マグネットが弱くなっているようです。もう、十年くらい前に買ったものだから仕方ないかな? いずれも経年劣化というやつでしょう。これくらいなら、そんなにイラつきません。それよりもかなりイラっとしたのはですねえ、えーっと、以前監獄の真後ろにお寺さんがあると書いたの覚えてくれていますか? いえ、覚えていなくても問題ありません。とにかく、お寺さんがあるのです。おいらの記憶が正しければ、除夜の鐘というのは旧年中に百七回、鐘をついて新年に百八回目をつくものだと思ったのですよ。ところが、ここのお寺さんと来たら、新年になってから鐘をつきだしたんです。バッカじゃねえの! うるさくて眠れないじゃん。さらには監獄の周りに初詣客がたむろして、その話し声が聞こえる、聞こえる。2019年は最悪のスタートとなりました。まだ鳴ってるよ。もう、一時過ぎたぞ。子供の声まで聞こえる。みんな、インフルエンザにでもなってしまえ!


 ああ、気分を変えよう。皆さまは『紅白歌合戦』は観ましたか? おいら、若い頃は紅白を観るの恥ずかしくて、格闘技とか観ていましたが、歳を重ねると、紅白が一番、無難になりますね。民放ではダウンタウンがいつも好調ですけれど、おいら、あの番組嫌い。パワハラじゃん。特に、浜田雅功がどうも不得手で、観る気になりません。『ジャンクスポーツ』とか面白そうだけど、浜ちゃんが司会だから観ないの。松っちゃんは案外平気で『イッポングランプリ』とか大好きです。いつもバカリズムを応援しています。

 話を戻すと昨年のというか昨日の紅白、前半はすずちゃんがいきなりとちったりして、大丈夫かなと思ったり、ひょっこりはんがちらっとうつたり、チコちゃんの口がいつものように動かないことに、テレビの限界を感じたり、Hey!Say!JUMPが思ったより歌が上手かったり、キンプリとセクゾは思った通り歌下手で笑っちゃったり、あんまり集中して観ていませんでした。しかし、後半は様相が変わります。星野源の曲がいい感じだったところに、徳島からの米津玄師の中継。鳥肌が立ちました。途中、ダンサーが、手話みたいな踊りを演じたので「米津さんって、どこかに障害が? だからテレビ生歌唱していなかったのかな?」と心配になりましたが、歌の終わりにニコッと笑われて、会話も普通にされたので、安心しました。CD欲しいです。(ダウンロードは六年前に懲りたし、最近はApple IDが面倒なのでやらないの)。で、そのあとミーシャが圧倒的な歌唱力でつなぎ、ユーミン登場、松田聖子熱唱。(松本隆最高!)で、「今年の紅白、面白過ぎ」と思ったところに石川さゆり。悪いけれど、あなたはトリを務める器じゃないよ。声の張りもないしさ。表情だって怖いだけ。いくら、布袋寅泰がついても、効果なし。布袋さんが『サレンダー』か『さらば青春の光』を歌ったほうが客席盛り上がったと真剣に思います。それで、嵐でしょ。突然、東日本大震災からの復興の話をするからさあ、正直驚きました。確かにその話はとても大事ですけど、紅白は年忘れの、エンターテインメントなんだから、大事な話は報道番組に預けて、ここではショーマンシップに専念して欲しかったです。櫻井くんが『ニュースゼロ』でやればいいんじゃないですか? 椎名林檎とエレカシの宮本浩次が番組のエンディング曲歌ったんだしね。しかし、宮本さん、相変わらず落ち着きないな。ソフトバンクホークスの松田内野手と双璧だと個人的には思っています。

 で、とても穏やかな曲を歌うから、呼吸が落ち着いてきちゃった。二曲目に『ハピネス』だっけ? ちょっと乗りのいい曲で救われましたけど、興奮蘇らず。

 しかし、やってくれました。サザンオールスターズ。『希望の轍』おいら大好き。本当は『ミスブランニューディ』が一番好きだけど、紅白では歌えないよなと思ったら二曲目に『勝手にシンドバッド』とはねえ。下手すりゃ氣志團の二の舞になりかねないところを、さすがベテラン、客や視聴者を酔わせてしまう。さらに、信じられないことにユーミンが前に出てきて踊りだす。まさに、お祭りですね。これで、視聴率悪かったら、全国の若者が渋谷のスクランブル交差点に行っていたということでしょう。


 ああ、書き過ぎた。これも、読まれない一因かもね。なのについでに読書日記。

 去年最後に読んだ本は『アンの青春』坂木司。えー、坂木さんって覆面作家で、歳がいくつかとか、性別とか非公表。吉田羊かよって感じですけど、『和菓子のアン』や、本作を読むとどうしたって女性に思えます。なんか、以前、パーテーションに隠れてサイン会をしたことがあるそうで、客にその時、「秘密は厳守すること」と言い含めたとか。ああ、Wikipediaからの引用です。

 実はおいら、坂木さんのデビュー作『引きこもり探偵』シリーズが性に合わなくて、ずっとその著作を敬遠していたのです。ところが『和菓子のアン』が手元になぜかある。いえいえ、万引きじゃありません。防犯カメラ観てください。たぶん、躁状態の時に訳も分からず買ったんでしょうね。元妻は絶対こういうの買わないから、間違いない。

 えっ、『アンの青春』の評価ですか? 面白かったに決まっているじゃないですか! 最初の一話目がちょっと「へっ?」って思わせましたが、二話以降は完璧です。このシリーズは『東京バンドワゴン』みたいに年一回発行されてもいいと思います。でも、書けるかな? それは誰にもわかりません。

 

 黒猫屋さんあたり、坂木司の正体知っているのではないですか? 業界に顔が広そうだしなあ。いえ、ただの独り言です。では。

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