第63話 球音久遠
やあ、おいらです。
♪夕べ 眠れずに 泣いていたんだろう♪
夕べじゃないよ。今、泣いてんだよ!
NHKの韓国ドラマ『オクニョ』。途中から観だしたんですけど、面白すぎてねえ。おいら、興奮しちゃったんですよ。そのせいかな? それとも、相鉄ローゼンで買った、半額のお寿司を寝しなに食べて、お魚アレルギーでも出たのかな? 身体中痒くて眠れないんですよ。完徹ですよ。泣けてきます。
さてと、この際ケリをつけちゃいましょうね。今回こそ終わらせます。
広岡ライオンズが優勝した時の面白エピソードを思い出しました。根本は春のキャンプにトレードで南海ホークスからベテランの片平晋作内野手と黒田正宏捕手を連れてきました。それに、広岡は良い顔をしませんでした。なぜなら、トレードの交換相手に、若手のホープ、山村善則がいたからです。広岡はプロ初打席でホームランを打った、山村を将来の四番にするつもりだったのです。しかし、結果として、片平と黒田は優勝に大きく貢献します。常に球界全体を観ていた、根本の眼力が広岡に優っていたのです。一方、山村は私見ですが、その実力を十分に発揮することはできませんでした。
広岡はライオンズを常勝軍団に変えて行きましたが、その性格が災いして監督を辞任します。その表向きの理由は「持病の痛風が悪化したため」ということでしたが、選手の食事にまで口を出した男が贅沢病になるでしょうか?
ついで、森祗晶が監督となります。ライオンズはここで黄金時代を築きます。秋山、清原、デストラーデ。強力な打線と投手陣は群を抜いていました。
森監督は九年に渡りチームを率いましたが、堤オーナーの「続けたければ、おやりなさい」という失言にプライドを傷つけられて退団します。のちにベイスターズの監督になりますが成績不振で休養に追い込まれます。この、期待はずれが!
根本にも転機が訪れます。ライオンズを辞めて、ダイエーホークスの専務兼任の監督になるのです。堤は「移籍は構わんが、石毛と工藤は連れて行くな」と言い、森の後任に石毛を指名します。ところが石毛は現役に固執しFA宣言し、ダイエーホークスに入ってしまいます。しかも、工藤までもFAでホークスに入ってしまいます。二人とも根本を「オヤジ」と慕っていたのです。
ホークスの中内オーナーは堤同様、野球を知りません。なので、根本に、全てを託しました。監督としての根本は相変わらず、とんちんかんな采配をしていましたが、その陰で大いなる野望を抱いていました。「福岡に王貞治を招聘し、いずれは長嶋ジャイアンツと日本シリーズを戦わせる」ということです。交渉が始まりました。しかし、ジャイアンツに未練のある王は首を縦にはふりません。「私は東京の男ですから」と。根本は王と長嶋が対決することがプロ野球の発展に寄与するとグローバルな説得をしました。私見ですが、三原ライオンズと水原ジャイアンツの死闘を想起していたのかもしれません。王はついに折れました。
華々しく誕生した、王ホークスですが成績は上向きませんでした。二年目には、ホークスの弱さに怒ったファンが王や選手たちの乗ったバスに生卵を投げつけるという事件が起こりました。国民栄誉賞を授与された王監督にですよ。言ってみれば、フィギュアスケートの羽生くんに四回転ジャンプに失敗したからといって生卵を投げつけるようなものです。王は相当な屈辱を得たでしょう。
ところで、王はドラフトで即戦力投手をいつも希望していました。しかし、根本は野手ばっかり上位指名していました。王はそれが不満だったようですが、結果的にレギュラー選手が固定され、強力なホークス打線が生まれます。そしてついに、オリックスブルーウェーブと並んで同率三位。初めてのAクラスとなります。
気合の入った翌年。根本は球団社長に上り詰めます。開幕し、ホークスは好調なスタートを切ります。
そして、運命の四月三十日。根本は急性心筋梗塞で突然この世を去ってしまいます。この年、ホークスはパ・リーグを制し、日本一になるのですが、相手は長嶋ジャイアンツではなく、中日ドラゴンズでした。王・長嶋の夢の対決が見られるのはもうしばらくあとでした。
フーッ。雑多な文章で申し訳ありません。ちょこちょこっと書評を書くつもりがこんなことになってしまって……こういうのはもうやめよーっと。最後までお付き合いいただいた方には感謝申し上げます。では。
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