第31話 仮乃遺書
やあ、おいらです。
雨とかね、隣の酒屋一族の雄叫びやら、上の階のガキが、格闘技系の体格だと知れて、「夜中の三時に、洗濯するな!」と坂本龍馬、愛用の日本刀の模造刀で突入しようとした計画が頓挫して、落ち込んでおります。こんな時には寝るに限る。精神安定剤を多めに飲んで、布団かぶって寝てしまおう。
でもさ、何かの作用で、おいらの心臓が止まったら、これ、絶筆じゃないですかあ。
看守さんはカクヨムできませんから、我が死を皆さんにお知らせすることはできません。そうです。おいらの文章は永遠に描かれることなく、忘れ去られていくのです。
ですから、この一文を今日の段階でのとりあえずの遺書とします。だからって立派なことなんか書かないよ。フォロワー一人一人に感謝の言葉なんか書かないよ。だって感謝しているから。わざわざいう必要ないじゃん。おいらは冷めた男です。でも、熱い情念を持っています。なのに公的資金を受けてます。
ポイントはいくつかあります。まず、生まれた時、死ななかったこと。かなり危なかったそうです。一ヶ月、病院にいました。それもいっとき話題になった、大口病院。次のポイントは小学生で死ななかったこと。虚弱のおいらはしょっちゅう学校を休んでいました。仮病もあります。さらに、小学生にして十二指腸潰瘍になったのです。我が人生、右腹の痛みとの戦いです。これって、薬飲んでも、なかなか効かないんです。ついには人にお願いして、右の背中を踏んでもらいました。SMではありませんが、声は出ます。「あ〜」
でもここ数年は出てないな。ああ、当たり前だよ。仕事していないもん。国民の義務果たしてないもん。公的保護を受けたら働いちゃいけないのかな? おいら、ケースワーカーさんに色々聞きたいんですけど、連絡なし。すげー不安。見捨てられたか? なんか不正があったか? これもストレス。自分からは絶対連絡しないぞ。対応、いつも悪いから。これはおいらの意地だ。
さーてねえ。前回『恩田陸論』なんて大風呂敷を広げちゃったけど、失敗したみたい。おいら、レジュメ不得意なんだよね。長い文章書くほうが楽。とは言っても、最近書いていないな。
ところでおいらの駄作を読んでくれている方の年齢ってどれくらいなんだろ。やっぱり中高年かな。もし、若くて、美人で、性格が良くて、身長が165センチくらいの方がいたらご一報ください。お友達になってください……完全なエロ中年。恥ずかしい。
まあ、年齢はどうでもいい。読んでくださる方皆さんに感謝。
あ、千字いった。ノルマクリア。今日も意味のない駄文を書いてしまった。
最後に読書日記。今日は東直己さんの『猫は忘れない』です。ススキノ探偵シリーズです。主人公「俺」も五十過ぎたそうです。始まった時は二十代だったのに。
未読の方のために内容は書きませんが、東さんはこのシリーズで、ユーモアに包み込みながら、人間の残酷さ、欲望、悪、金、女……いやらしい部分を表しています。時にはそれがグロテスクで、吐き気をもよおします。『畝原シリーズ』も同様です。これらはフィクションですが、北海道で、全国で、黒い巨大な権力が金儲けと人倫を踏みつける行為をしている。あなたにも襲いかかってくる危険性はあります。
そいつらを潰す方法はないのでしょうか?
さて『猫は忘れない』親本が2009年。文庫が2011年に出たきりです。『ススキノ探偵シリーズ』はどうなっちゃうんでしょう。
土日はお客の入りが悪いね。裕美、暖簾おろしな。
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