第26話 風神雷神
やあ、おいらです。
とてつもない轟音とともに暴風が空を行き交う。遠雷がどこかしらから聞こえる。ヒライさんもキハラさんもサイタさんも、午後は荒れるといったのかしら? まあ、TV見てないから知らないけどね。
もう、とにかく、おいらは腹の立つことばっかりで爆発しそうなんでございます。坂本龍馬愛用の日本刀を街中で振り回して、おまわりさんに射殺されようかしら。それじゃあ、おまわりさんも迷惑だね。責任問題とかあるから。やめておこう。
じゃあ、どうする?
そりゃあ、もちろん、寝る。ふて寝だね。
とにかく、目を瞑るよ。でもねえ、うまいこと熟睡はできないんだな。過去のこと、現在のこと、未来のこと、架空のことがミキサーに粗く混ぜられて脳内スクリーンに映し出されるんだな。いいこともある、思い出したくないこともある、嬉しいことだって少しはある。そして、腹立たしいことも。そんな時は、架空の愛刀で敵をぶった切っちゃえばいいんだ。おいらの夢の中では、おいらが絶対的存在なのだ。美味いもんは食べ放題。姐ちゃんはキレイだ……と、うまくいかないことがもどかしい。まあとにかく、現実から離れられればいいのさ。
さて、今日は、読書日記を長めにやろうと思います。お題は、井上悠宇『誰も死なないミステリーを君に』。またもや、作者知らず。経歴を軽く読むと、やっぱり、ライトノベル出身らしい。不安の風が〜現代詩人探偵〜と言いながら、吹いていく。よし、まずは読もう。おいらは決心した。しかし、おいらはミスをした。目次を読まなかったのである。そのことが後の違和感に引っかかってくる。
主人公は人の死が見えると言う女子大生と、彼氏ではないな。相棒というところか。その彼らが今にも自殺してしまいそうな、女の人を助ける。一件落着。おいらは「ああ、こういう連作短編なんだな」と思ったのです。ところが、第二章が始まると、クリスティの『そして誰もいなくなった』みたいな設定の巨大ミステリーが始まります。「何だ!」驚いたおいらは目次に急いで戻りました。すると……目次がなかった。
つまり、第一章をイントロダクションにする、長編ミステリーだったのです。なんか、別の意味で騙された感じ。第一章が面白かったのに、第二章になると訳が分からなくなる。それに、最大の問題点は、自殺者が出ているんですよ。自殺者は死にカウントされないのか!
ここに至って、おいらは思いました。「最近のライトノベルからミステリーに移って来た人の本は読めない」
これからも、このパターンの作家が増えるでしょう。ジジイのおいらには、もうついていけないのかもしれない。
だが、ベテラン作家にも読めない人がいます。例えば、竹本健治さん。『フォア・フォーズの素数 』を途中で諦めて、壁に投げつけて以来、無視していたのですが『匣の中の失楽』の新装版が出て「うーん、四大奇書だからなあ」とつい買ってしまって、わけわからずに、壁ドン。「もう読むか!」と思うこと数ヶ月。なぜか、文庫化を無視されていた『ウロボロス』シリーズが登場。おいらを悩ませるな。
さらに考え込んじゃうのが、山口雅也さんの『生ける屍の死』復刊。悩むなあ。あんまり、山口さんとおいら、合わないんだよね。でも、誰もが絶賛する、名作でしょ。マジ悩むわ。
まあ、独り言だからいいんですけど、PVどんどん落ちて来てます。でも、やめないよ。PV0になるまでね。
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