第25話 社会常識
やあ、おいらです。この頃、書きすぎているな。家事に、お仕事に、趣味に、ボランティアにお忙しい皆さんにはちょっとペース早すぎますかねえ。おいらはこの作品の読者は割合、年齢の高い方なんじゃないかと思っているんですがね。実際はどうでしょう。どちらにしても、おいらは自分の書きたいことを書きます。助言、激励は歓迎しますが、誹謗中傷はすぐに抹殺します。相手にしません。おいらの世界にエイリアンは入り込まないでください。
あのう、前回、睡眠薬を飲む時間を間違えてしまって、今夜は貫徹だあと叫びましたが、案の定、貫徹でした。
昨日、駄文を書き終えたのは二時過ぎ。おいらは電気を消して寝る努力をしました。三時ごろには、何となくまどろんで来ました。
その時です。上の階の住人が酔っ払った感じで、自室の扉をあけました。どっかから帰って来たみたいです。おいらは見たことないんですが、看守は学生だと言いました。少年犯か。続いて、女性の声がしました。おいらはああ、一発やって寝るんだな。女の喘ぎ声を聞くなんて何十年ぶりだろうとエロジジイになりました。ところが、もう一人、男の声が聞こえます。3Pか? 倫理観ないなあ。快楽主義も大概にせいや。おいらは思ったのです。でも、違いました。奴らは夜中に洗濯を始め、ベース音をかき鳴らし、大騒ぎして、どんどん、床を叩きます。
流石のおいらも頭に来ました。布団脇に隠している坂本龍馬愛用の日本刀を取り出し、斬り殺してやろうと思いました。しかし、そうすると、どこか別の拘置所に入れられてしまいます。せっかく、住みやすく整理したこの独居房を離れるのは嫌だなあ。ぐっと堪えました。
喚き声は朝六時ごろまで聞こえ、静まりました。
朝が来ました。いつもだったら、朝寝ができるんですけど、今日は寝付けません。いろんなことが頭に渦巻いて、高速回転して、結局のところ何の答えも出ませんでした。阿呆です。原因がガキどもの常軌を逸した馬鹿騒ぎなのは間違い無いですが、それを解決できない無力感が心を重くします。この際、不動産屋に文句を言うのがいいのか、警察に訴えちゃうか、置き手紙を書いてそれとなく注意するのが良いのか。
でもなあ、相手が羆みたいなやつだったら、おいらが逃げ出さなきゃならない。食われちまうから。看守に相談したら「世間知らずのガキなんだから、社会の常識を教えてやればいい」と言います。
しかし、何で独居房の上に、学生が住んでいるんだ? 謎ですよ、まったく。
とにかく夜が不安で眠れませんよ。誰か助けてください。個人情報使ってもいいですから!
えっ、読書ですか? ふて寝してたんでしてませんよ。でも、次に読む本は決めているんだ。また、なんか書店で流行っているやつ。大丈夫かなあ? 『現代詩人探偵』の二の舞にならなきゃいいけど。年寄りは好きな作家の新刊を待っている方がいいのかな?
疲れて来たので、短いけど、これでおしまいです。また、よろしくま。
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