第19話 男更年期

 やあ、おいらです。


 なんかですねえ、意味も理由もないのにイライラ石田衣良するんですよ。当然、薬に頼りますよねえ。何が効くかと問われれば、手持ちの精神安定剤で言うと、レキソタンのジェネリック薬、セラニンしかない。セラニンってやつはパニックの発作の時には素早く効能を発揮するんですが、他の状況の時には効いてるんだか効いていないんだかよくわかんない。いっそのこと、薬局に行って命の母Aでも買えばいいのかもしれないけれど、男には効くのかな? 男の更年期の薬ってあるんでしょうか? 調べりゃすぐわかるけど、おいらはものぐさ、調べないの。コメントまっています。


 さて、レキソタン。最初は用法通り、二錠飲んでいたけど、効果なし。四錠に増やしちゃった。在庫、いっぱいあるんだ。(危険なので真似しないでください)でもねー、イマイチなんだよなあ。あー、イライラする。これも、みんな、隣の酒屋一族と、上の階の騒音野郎のせいだ! 呪いをかけてやる。

 でもって、とうとうやっちゃった。セラニン十錠。(危険なので、絶対に真似しないでください。死んでも責任とれません)おい、そう言うお前は平気なのか? と心配のコメントを頂いちゃいそうですが、おいら、ノリトレン二百錠飲んだ男ですから、セラニンごとき、ラムネ、ラムネ。

 ああ、なんだか、気分がのんびりしてきたなあ。炭酸水と蒟蒻畑でも買いに相鉄ローゼンまで行こうかな。

 と考えました。


 ……気がつくと、救急病院にいました。身体中にチューブがつけられ、大量の点滴が両腕に刺さっています。膀胱にはカテーテルが突き刺され、痛いです。医師が言います。「もって、あと三時間でしょう」

 おいらは気絶しました。


 というのはウソです。元気に買い物して、たくさん食べて、体重がリバウンドして、十五年ぶりに履けたパンツともお別れなのです。しかし、なんで腹が減るのかな? 身体、ほとんど動かしていないのに。


 気分を変えて、今日の読書日記。泡坂妻夫さんの『妖盗S79号』を読み終わりました。連作短編ミステリーです。S79号は《えすしちじゅうくごう》と読むそうです。《えすななじゅうきゅうごう》と読むとミステリーファンに笑われます。でも読みにくいんだよね。《えすしちじゅうくごう》。そこでつっかえちゃうの。これ、欠点。

 内容はまあ、次元と五右衛門のいない(もちろん峰不二子もいない)ルパン三世という感じかな。名のある美術品や工芸品、果ては珍しい貝まで奪ってしまう、恐るべき技。そして、箸休めのように起こる女性殺人事件。果たして二つの事件は解決するのか?


 文体は江戸っ子調な部分があって、若い人にはちょっと馴れるまで読みにくいかも。ああ、おいらはチャキチャキの浜っ子だけど何か? でも、全体的にユーモラスだし、殺人も……女性連続殺人をのぞいてないから、楽しめるんじゃないかなあ。携帯もスマホもない時代だけど、古臭さはないです。


 まあ、そんなところ。マニアックな作者ですからね。そうはオススメしないの。おいらの楽しみ、楽しみ。


 次はねえ、気が変わらなかったら、小路幸也さんを読むんだ。待ち焦がれていたぜ、この瞬間。

 ただし、おいらは気まぐれです。全然違う小説を読むかもしれません。悪しからず。

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