第13話 無念悔恨

 やあ、おいらです。


 今日もやる気がなくて、ぼんやり過ごしていました。おいらが毎日するべきことは、きちんと精神病の薬と、高血糖などの内科の薬を飲むこと。それだけです。世間の皆様にはたいへん申し訳なく思っています。しかし、一体何をしたらいいんだか全くわかりません。ケースワーカーさんが来てくれれば、いろいろ質問できると思うんですけど、かれこれ一ヶ月、音沙汰なし。引越しをしたから、担当者が代わるとか言っていたんですがねえ。

 今の担当者はそそっかしいという欠点はあるものの、おいらを人間として扱ってくれているようなので、不快感はありません。でも、世の中には高圧的で、意地の悪いケースワーカーも多いと、ネットで知りました。そんな人が担当になったらどうしよう。また、お布団生活に逆戻りですね。

 ケースワーカーは一人で百人くらいの担当を持っているそうです。激務ですね。そりゃあ、ストレス発散に嫌なことするかもしれないな。ああ、言霊は現実になるかもしれない。きっと、おいらには若くて美しい、ケースワーカーさんが担当に着く。絶対!


 でもって、今日も今日とて、読書をしたり、文庫の整理をしながら時を過ごしたのですが、もう、泣きたくなってしまいました。新潮文庫を整理していたら、恩田陸さんの文庫に欠本がある。なんと『夜のピクニック』がない! おいら、この作品、あんまり高く評価していないけど、恩田さんの代表作じゃないか! なんでないんだ。それから、黒川博行さんの文庫がほとんどない。どうしてなんだ? ああ、『疫病神』シリーズの第一巻がない。なんでなんで。最近、角川文庫で、復刊された時「おいらは新潮版持っているからいいもんね」などと余裕をかましていたのが奈落の底へ。

 ついで、文春文庫に移ると、やっぱり黒川博行さんの文庫がない。一体、何が起こっているのでしょう? さらに衝撃的だったのは、逢坂剛さんの『禿鷹狩り』の上巻が無い。おいらは、泡吹いて倒れました。


 この事態の原因を探るに、六年前の躁状態を避けずに進むことはできません。躁状態は集中力をなくすのです。注意散漫になるのです。現に、財布を五回くらい落としました。奇跡的に戻ってきましたが。鍵も落としました。迷子にもなりました。

 まあ、それはともかく、そんな精神状態で文庫の仕分けをすれば、必要なものを売るダンボールに入れちゃったり、大事な文庫を「えい、売っちゃえ!」なんて適当にやっちゃったのでしょう。結局は自分が悪いのです。諦めましょう。


 それより、未来に向かって突き進もう。まずは、猛烈に小路幸也さんが読みたい。金はないから、ちょこっとずつね。あと、恩田陸さんの読み残しが五冊くらいあるみたいなので、秋か冬くらいにね。『蜂蜜と遠雷』はいつ文庫になるかな? 幻冬舎のことだから上下巻にするんだろうな。せこいねえ。それと『誰も死なないミステリーを君に』っていうのが気になっているんだよな。ライトノベルっぽいけどどうなんでしょ?


 文庫整理は明日中に片付けるぐらいの気持ち。でも最近、夜寝付けなくて、昼間寝ちゃうんだよね。夜に、力仕事は迷惑だからできない。そう、おいらは常識人。隣の松本酒店と上の階の住人(たぶん、男)は世間知らずの、気遣いというものを知らない、クズ。まあ、立場的に言えば、おいらが一番クズだけどね。残念。

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