第12話 苦情心情

 やあ、おいらです。


 まあ、天気の話をするってことは、大して面白いこともないということですがね、今日はちょっと寒かったです。でもって、また午後三時まで寝てしまいました。『サンデージャポン』は観たかったんだけどな。

 昨日は巨人対DeNA、中継していたけれど、今日はやっていない。そしたら、筒香、大爆発。即死しました……じゃなくて、三発打って大活躍。去年から、なんか不甲斐なかったけれど、これで目覚めてくれるのかな? まだ不安は残ります。


 と、マクラはこれくらいにして、本題に入りますとね。例の文庫の整理。ずーっと前にニトリで買った、三段のカラーボックス二個、ようやく作りましてね。ああ、何年前に買ったんだろ。このカラーボックス。前の雑居房の時に支給されましてね「早よ作って、文庫整理せい」と命令されていたんですけど、おいら、無気力の上に、工作が大の苦手。小学生の時に、なんか、方眼のついた硬紙で、なんぞ作れって授業があったんです。おいら、電車を作ろうと思いました。それも、一両ではなくて、連結した電車を作ろうとしました。想像力だけはたくましい子どもだったんです。でも、それは不可能なことなのです。おいらは、ハサミで紙を真っ直ぐ切ることもできないクズだったんです。当然のことながら、列車は完成しませんでした。他のみんなは全員、作品を完成させたというのに。おいらの未完成の列車は、哀れにも給食配膳の台のデッドスペースに、ずーっと置かれていました。小学校低学年の悲しい思い出です。


 時は流れ、小学校高学年。自由研究で、何か作品を作るという授業が行われました。おいらはまた、判断ミスをします。「風力で動く車を作る!」バカです。おいらにそんなもの、作れるわけがありません。無謀なおいらは、こう考えました。車体の後方に、風車を付ける。それに太い輪ゴムを取り付けて、ネジネジしてその反動で、車が動くのだ! おいらは作業に入りました。なぜかその時は車体がスムーズに出来上がりました。やったね。で、輪ゴムをネジネジして、さあ、発車! ……全く動きません。おいらはパニクりました。「どうしよう」そこで慌てて考えました。車体に風船を設置し、その口を開くことで風を吹き出し、車を動かすのです。さあ、やってみよう。もちろん動きません。おいらはそこで力尽きました。自由研究の発表会には身動きしない車が、虚勢を張って展示されました。


 話が、遠くに言ってしまいました。ニトリのカラーボックスです。部屋には文庫の入った段ボールが七箱積み上がっていることは以前お話ししました。その状況はおいらの好みに合いません。「やるか」おいらはカラーボックス製作に取り組みました。あれ、意外。割と簡単。ちょっと、合板が割れちゃったけどできたできた。バンザイ。喜びに浸るおいら。でもね、そうはうまくいかないのがおいらの人生。仕分けた文庫をカラーボックスに詰めていたら、重量に耐えきれなくて、ビス穴が崩壊。棚がガタガタガタと崩れ落ち、文庫の大雪崩。よく見たら、なんか棚板もビスもちゃちいの。こんな軟弱なカラーボックス作るんじゃないよ! ニトリさんよ! 伏せ字になんかしないぞ。おいら、怒っているんだ。何が「お値段以上」だ。自信過剰もいいとこだ。それに比べて、無印良品のカラーボックスは丈夫だ。なんで、ニトリのなんか買ったんだろうな? はい、安かったからです。


 ああ、あと新潮と講談社と文春と創元推理と小林信彦の作品群をしまわなきゃならないんですけど、また崩壊するのかな。量入れられないから、予定狂っちゃうよ。ニトリさん、万が一この駄文を見たら、名誉毀損で訴えていいですよ。おいら、闘う。まあ、見ることないだろな。ちゃんちゃん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る