第5話 黄金週間
やあ、おいらです。
今日をもって、今年のゴールデンウィークも終わりですね。独居房に寝起きするおいらにはなーんにも関係ないけどさ、いわゆる会社員の方の多くは笑点を観たあたりから、明日からのビジネスな日常を思って、憂鬱になるのでしょうね。ああ、もちろん学生さんもね。勉強しな。
まあ、おいらなんかは書店員なんていう、販売業に従事していましたから、祝日も何も関係ない年月を何年も過ごしていましたよ。なのに、最後に左遷された相模原の大学病院の敷地に建てられた、プレハブみたいな売店は、店売部門じゃなくて外商部門の管轄だったので、祝日休み放題。その上公休もしっかり取れちゃって、その点では楽園。だからつい、自己申告書に異動願いを書くことを躊躇しちゃったんですね。それが、人生のつまづきの始まり始まり。
あれからもう十年以上経っています。でも、おいらを陥れた奴らの顔と名前は絶対に忘れない。もし、道で会ったら、野獣のような勢いでぶん殴る。これだけは固く決意しています。
まあ、不穏な話はここまでにしましょう。おいら、相変わらず怠惰な生活を送っています。これでいいのだろうか? なんだか、世間様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。強烈なしっぺ返しを食らうんじゃないかと、怯えています。
今週は、いや、もう先週か。松岡圭祐さんの『万能鑑定士Q』のⅪとⅫ、それに攻略本とかいうのを読みました。
松岡さんにはたいへん申し訳ないんですが、おいら彼に対して、なんか「いかがわしい人」という偏見をもっていまして、まあ、例えていうなら中谷彰○氏みたいな感じといえば通じるでしょうか? うーん、ちょっと変だな。松岡さんは小説、N氏は自己啓発書。全然違う。でも、おいらの心の分類ではなぜか、一緒だったの。だから『催眠』も『千里眼』も読んでません。それが、どうして『万能鑑定士Q』を手に取ったかというと、もう六、七年前ですか、バイトで働いていた書店で、文庫の担当をやっていて、やたらと同書が売れるのを目の当たりにしたからでした。売れるってことは面白いってことではないか? おいらはそう思って、偏見をぬぐい去り、読んでみることにしました。
まあ、結論から言ってみれば、同シリーズは面白かったです。最初に読んだのが七年前で、読み終わったのがこの前だから、細かいことは忘れてしまいましたが、ストレスフリーな小説でありました。ライトノベルみたいな気がしましたが、おいらはライトノベルを読んだことないですし、文中にイラストもない。それに、各分野の細かい蘊蓄がこれでもかと詰まっていて、作者は勉強しているなあと思いました。もしかしたら、チームを組んで分業して執筆しているのかな? デュマみたいに。でも、読み終わったら内容全部忘れちゃったあ。やっぱり、若年性認知症かな?
皆様はもうすぐ、日常にお戻りでしょう。でも、おいらは無限ループの修羅の道から抜け出すことができないのです。光はおいらにいつ射すのでしょう?
あっ、看守の足音が聞こえます。今宵はこれで失礼します。
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