第27話 暗殺計画


「私の暗殺計画?」


「はい、そうお聞きしました」


「誰から?」


 ここは、神の国アインドロールのシェリルの部屋。


 集まっているのは、シェリルに、リアム、マーガレット、ノアだ。シェリルは、議題を出してきたマーガレットに訳を聞く。


「それは、申し上げられません。しかし、リル様の命に危機が迫っているのは確か・・・。リアム、アナタも神の国のいいえ、リル様の護衛なのだからしっかりして下さい」


 マーガレットの言葉が痛かったのか、リアムはなにも返す言葉が見つからなかった。


「マーガレット、先生はちゃんと務めは果たしてくれています。教えて、誰が私の命を狙っているの?」


 シェリルの言葉に、言いにくそうな表情を浮かばせながら口を開いた。


「オリビア・・・です」


「あ~・・・なるほどね。つまりは、まぁた向こうさんは戦争がしたいってことなんだ。先に、こっちのトップ潰しちゃえばいい話だもんね・・・なるほど。本当に汚い考えをするよな~魔の国の住人って」


 言葉はキツイ言い方をしているが、どこか悲しい声色をしていたノア。そんなノアの心情がわからなかったリアムは、ノアの胸倉を掴み上げた。


「勝手なことばかり、抜かさないでいただきたい。・・・戦争はとっくに終わってるんだ!!それに、オリビアが姫様を手にかけようとするわけがないだろう!!」


「リアムっ!!」


 今にも始まってしまいそうな二人の喧嘩に、マーガレットが割って中に入る。


「へぇー・・・アンタもそんな顔するんだ?いっつも、ヘラヘラしてっから全然分からなかったわ!てか、アンタさオリビアの恋人なんだろ?レイが見通してくれたみたいだぜ。この際、反対にヤッたあとに息の根止めればよくない?」


「ふざっ!!「もういい!!!!!!!!!」


 二人の喧嘩を止めたのは、シェリルだった。


「暗殺計画のことは、私も調べてみるわ。あと、ノア・・・あなたはもっとお行儀よくしないと謹慎処分を与えるわよ。この話は、おしまい!!じゃあ、先生と私はこのあと用事があるから」


 シェリルとリアムはそのまま部屋を後にした。


 廊下を歩きながら、シェリルはリアムの白衣を握りしめた。


「ねえ・・・先生」


「はい」


「これでいいのよね。私・・・間違ってないよね」


心配そうなその手を握り返す。


「僕はとても立派だと思ってます。勝手な偏見で大切な人を傷つけるのはどうかと思うから・・・もう、戦争はとっくに終わってるっつー話です」


「それより、先生・・・オリビアと付き合ってるの?私、聞いてないよ」


「さて。お仕事しましょう!!」


「ああ!!話そらした!!どこまで!?ねえ!!どこまで進んだの!!?」


 その小さな手を握りしめると思い出す。


 僕の愛おしい人を。

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