第18話 告白


そして、チェイス、シェリルと未だに果たし合いだと思っているオリビアを連れてバラ園に向かう。


そこには、腕を組んでこちらを見つめているノアの姿。


「ちょっと、待って・・・」


オリビアは、真剣な顔でノアを見るなりこう呟く。


「あ、やっぱり帰る」


「はぁ!?」


「ええ!?!?」


クルッと、方向転換してそのまま帰宅しようとするオリビアの体を押さえつけるチェイスとシェリル。


「なんでだよ!!!?」


「そうだよ!!話しだけでも聞いてあげてよ!!話しだけでも!!!」


「なんで、アンタたちがあっちの味方なのよ!!私、大切な事を思い出したの!!」


「なんだよ!!大事なことって!!」


「ドラマの再放送」


「どーでもいいわ!!!!!」


「ドラマでしょ!?しかも再放送でしょ!!?帰って見たらいいじゃない!!!」


「だから、今から帰るって!!!」


「「ここまで来て帰るな!!!」」


三人の話しを聞いていたノアは、ククッ。と思わず笑みを零した。


「話し通りの恥ずかしがりの性格なんだな」


「は?」


「お前に俺を惚れさせる権利をやる」


「はい?」


これには、流石のチェイスとシェリルも目が点になる。


「今日から晴れて俺の彼女だ。喜べ!」


「なに言っているのかな?この人」


ノアに向かい指をさして、シェリルたちに尋ねるが何にも言えない。


「この俺がイイって言ってるんだぜ?」


「だーかーらー」


「さぁー!!俺の胸に飛び込んでこい!!」


「人の話しを聞けっっっっっっ!!!」


話しが繋がらなさすぎて、イラついたオリビアは勢いよく回し蹴りをくらわせた。彼女の蹴りは、そのままノアの首あたりに直撃して丁度背後にあったバラの茂みに飛んで行った。


「頭が高い」


「ちょっ!!オリビア!?!?」


「あーーあ・・・絶対にやると思ってたぁ」


しーらね。と、段々と眠たくなってしまったチェイス。未だに、自分になにが起こったのか頭が追い付かないノア。ただ、首のあたりにじーん。とした鈍い痛みが走る。


「私には、もう心に決めている人がいます。その人以外愛せないし愛するつもりなんてない」


ーーちょっ・・・待って俺、今振られた?


「俺の彼女になれんのにっ・・・なんで」


「なんでって、アナタの事が嫌いだから。話しは、以上かしら?なら、私帰るけど」


ーーその一言に、俺の人生は一変した。

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