#15 ゴシップガールは婚約の場に立ち会えず
◇ハーレムリポート 出張版 vol.4(決定稿)◇
電子版が読めない特殊戦闘地域で活動中の皆さん、こんにちはもしくはこんばんは。ただいまちょーっと地下生活中のレディハンマーヘッドだよ。詳しい事情は電子版が読める情報強者の方々と接触して教えてもらうのが早いかも。
ところで前号についていたみなのぬまこ先生のピンナップを胸に入れてくれた人がいるんだって? そして九死に一生を得た人がいっぱいいたんだって? すごーい。マジすごーい。ぬまこ先生の絵のお力? ワルキューレのご加護? なんでもいいけどありがたいねっ。「俺、この戦争が終わったらこの子と結婚するんだ」って時に恋人の写真と間違えて出しちゃったって愉快な失敗をした人の報告は聞こえてこないってことは、読者の皆さんの中にはそんなうっかりさんはいなかったってことになるのかな? ていうか、そんなうっかりをしちゃった人は――……。
さっ、というわけで予告していた通り今号も特別にぬまこ先生のピンナップをつけてもらう予定だよっ。どんな仕上がりになるか、どんなご利益があるか楽しみだな~。
さて今号は先月ビーチでフカガワミコトのために張り合ってビーチバレーなんてしちゃった挙句ポロリしちゃったゆかいな水着回の話でもするつもりだったんだけど、フカガワハーレムメンバーが出撃先から行方不明になるなんて大事件がおきちゃったせいでそっちを優先して書かざるを得なくなっちゃったじゃない? お陰で原稿をほぼ書き直す羽目になっちゃったじゃない?
でもご安心を。ちゃんと後半でお嬢様二人があられもない姿を晒す羽目になったビーチでの顛末をちゃーんと報告するから。いい子で待つこと。
ともあれ、これを書いている状態ではタツミちゃんとカグラちゃんの安否は確認されたみたいだよ。二人はとりあえず島には帰らずにタツミちゃんのご実家に一旦立ち寄ることになったみたい。
みんなご存じでしょうけれど、タツミちゃんのご実家は由緒正しい巫女のお家柄。短気で暴力的なタツミちゃんだけど、外世界の侵略者が攻め込まれる前の時代だったら魔力や霊能力って呼ばれていた力の源であるワルキューレ因子を同期で一番有する神秘的な女の子であることもきっとご存じだよね。ああみえて魔法の使える女の子なんだよ、タツミちゃんってば。全然キャラじゃないけども、ま、ギャップ萌えってやつ?
外世界からの侵略が今やすっかり日常になっちゃって、世界全体こんなに悲惨なことばかり起きているのにワルキューレ産業だけは相変わらず好景気。外世界のことやワンドにも科学の光があてられて久しいって解説されてはいるけれど、時空や次元に干渉するタイプの厄介な侵略者には今でもそんな魔法の力が一番有効だって言うんだから人類って非力だよね~。哀れだよね~。滑稽だよね~。結局不思議な力をもつ女の子だよりの防衛力。笑えるよね~。
ま、そこのところはどうでもいいとして、タツミちゃんのご実家に祀られているご神体の力を借りて行方不明になったフカガワミコトをこの世界の内から外までくまなく探索することになったみたいだよ。
大がかりだよね~、ま、外世界から来た美少女型侵略者に目をつけられでもしたら気が気がじゃないよね、タツミちゃんたちにしてみたら。そんな話は今のところ全く報告されては無いけれど。
さーて、タツミちゃんの愛の魔法が結果を導きだすのはいつかな? 次号にはフカガワミコトとノコちゃんは無事発見されてるかな? みんなは刮目して待ってね。
――つうわけで辛気臭い話はこれでおしまい。ここからは、愉快な水着回だよっ。いい子で待っていたみんなお待たせっ。それじゃあいくよっ。
(後略)
◇◆◇
「全くお前というやつはああああああっ!」
「ごめんっ、ごめんってば、本当に悪かったって!」
昭和後期のお母さん方式のゲンコツをくらわせたあと、ジュリは両手でこぶしを作ってサランの両こめかみに当てるとぐりぐりねじる。
「痛い、ワニブチ、痛い痛たたたっ、痛いって、マジでっ!」
「よりにもよって風紀委員対策を話し合っていたところだったんだぞ、現風紀委員だけじゃなくアクラ先輩が動き出すとまた面倒なことになるから目をつけられるような行動をしばらく慎むようにしろってな! そのタイミングでお・ま・え・はぁ~!」
「掲示板に書き込みされたタイミングにまでは責任もてな……いだだだだっ! ごめんなさい、うちが悪かったよう、反省するからあああっ! ごめんってばああああっ!」
初等部校舎の三階廊下にサランの悲鳴が響き渡る。
サランの謝罪を聞けたところでとりあえず一旦、ジュリは両手を下ろした。
そして、ふう、と息を吐き、伊達メガネごしに形良い眼で一瞥をくれた。そして右手を振って様々なワイプを表示させると部長権限を活かしながら火消作業にとりかかる。その手をとめず、小声の早口でサランを叱る。
「──大体お前、自主的にメジロ姉の二号になってどうする?」
「なってないよう。失敬な」
「何にせよどうしてそういう流れになったか説明してほしい。メジロ妹に挑発でもされたか? ツチカがらみで嫌味でも吐かれたか?」
「――」
「まあそんなことだと思った。メジロ姉には謝っておけよ、ああいう悪ふざけはシャレにならない」
サランの沈黙をジュリは肯定の意と受け取ってくれたようだ。それで問題ないので、サランはむくれながら話を進める。
「……別にそれだけじゃない。リリ子のやつにリングを交換しろと指図された。で、クソむかついてことに及んだ」
「リングの交換? ふん。誰と?」
「お前と」
「僕とか。なるほどな、確かにお前にとっては我慢ならんだろう事柄だ」
「実際、ワニブチはうちとリング取っ替えたいか?」
「僕は誰相手でもリングの交換そのものを遠慮したい。あれはトラブルの温床でしかない。煩わしい」
わかってるだろうに、とジュリは最後に付け足して作業に一旦区切りをつける。そして、ジュリは全てのワイプを消して窓の下にしゃがむサランの手を取る。
「移動するぞ。下には新聞部の先輩方もいらっしゃる。見つかったら面倒だ」
「多分もう見つかってるよう、ホラ」
自分の右手をふってサランは白猫のコンシェルジュを呼び出す。おてがみがいっぱい~と、幼児の口調で白猫のキャラクターはメッセージの一覧を表示させた。新着欄には初めてみるアドレスとタイトルが表示されている。コミカルな蠅の王アイコンの添えられた『取材申し込みのお願い』というタイトルから差出人は簡単に推測された。
ジュリは形よい眉をしかめると、サランの手を強めに引くと空き教室の中にサランを引きずり込み素早くドアをしめる。廊下側の窓も同じようにすると電子錠もロックする。サランも反対側の窓を閉めようとするが、それをジュリは鋭く制した。
「頭下げて隠れてろ!」
初等部校舎は足音が響きやすい。賊が侵入してきた時のアナログな対策であると一部で伝えられているが真偽のほどは定かではない。問題はふたりが身を潜めている教室の前にはそれまで一切足音の類がしなかったにもかかわらず、バリンと廊下側の窓ガラスが細かくひび割れ、一瞬で真っ白に変わったことだった。どうやら細かな礫のようなものが高速で撃ち込まれているようだった。
廊下側の壁に嵌った窓ガラスは全て立て続けにバリバリとひび割れてゆき、ついにはあえなく教室内に細かな破片を散らして砕ける。一応校舎内のガラスはいかなる存在に攻撃されてもいいように防弾仕様にはなっているはずなのに。
サランからやや離れた位置でジュリも素早く机の下に身を潜め、右手を振る。ワンドの使用許可申請アイコンを呼び出してタップし、校内でワンドの使用は禁じられているという趣旨の警告文の脇にある緊急特例アイコンを殴りつけるジュリへ向けてサランは小声でぼそっと呟く。
「大ごとになっちまったよう」
「誰のせいだ!」
小声で言い返しながらアイコンを殴ると同時にぐにゃりとオーロラ状に撓んだ手元の空間へ、ジュリは迷わず両手を突っ込む。空間の撓みはワルキューレでないと認識できない次元にあるワンドの格納庫が開いたという証しだ、格納庫に両手を入れたままジュリは身を低くする。
「――よっ、とぉ」
そうこうしているうちに残っていた窓枠や桟は、廊下からにゅっと突き出た棒のようなもので乱暴に払いのけられる。その棒が何か、サランにはすぐに分かった。
日傘の先端だ。
そして吹き飛ばされた窓枠を、二千年紀日本のスクールガールスタイルなローファーとハイソックスの足が踏みつける。
「――見つけましたよぉ、サメジマ先輩~」
足音を響かせることなく校舎内から教室内に侵入したメジロリリイはふふふと嗤う。
「持つべきものは情報通のファンですねぇ~。たーちゃんに手をだした不埒な先輩がどこに潜んでらっしゃるか、すーぐ教えてくれるんだものぉ」
──あのチンピラぶりっ子先輩めぇ~。
机の下で床にはいつくばりながら、サランはパトリシアのにやにや笑いを思い浮かべて歯噛みした。ゴシップ新聞所属のパパラッチのことだから校則を掻い潜った情報網を有していても不思議ではない。
いつも見せる仮面のような笑顔とも機嫌をそこねた時の般若顔とも違う殺気を漲らせた凄絶な笑みを浮かべて教室内に力づくで乗り込み、机の下に隠れているサランを見つける。そして愛用の日傘の石突をサランへ向ける。その先に小さな穴が開いていることをサランは確認した。どうやらそこからガラスに罅を入れた礫を連射させたらしい。
ニタァっと笑ったリリイの口からはキャンディの棒がのぞいている。普段は姉貴分のように口の中で咥えっぱなしにすることはないのに、今この時に限ってキャンディを口のなかに入れたままにしていることがサランの緊張を高めた。
それでも喋る時には邪魔になるのか、日傘を持たない方の左手で律儀に口から取り出すのだった。
「やぁだ~先輩ったらそんなところにネズミみたいに小さく縮こまっちゃって~、今更そうやってかわい子ぶっても遅いんですよ~? 先輩が で な だってことは学園中に知れ渡っちゃいましたからあ~」
リリイの言葉の一部が無音になった。リングの翻訳機能が変換を拒否するようなワルキューレとしてふさわしからざる単語を口にしたのだろう。
実際、ネコにおいつめられたネズミの心境でサランは机の下から爪を研ぐネコのようなリリイに向けて手を振る。
「リリ子、いいことを教えてやろう。学園内にワンド以外の武器の持ち込みは厳禁だ。バレたら即退学だぞ?」
「武器ぃ〜? あはは先輩おもしろーい。これは日傘ですぅ〜。ちょーっと仕掛けがあるだけの日傘ですぅ〜。ちゃーんと持ち込み許可だってもらってますぅ〜。心配ありがとうございまーす。 が で なサメジマ先輩〜」
ところどころリングの翻訳機能に言葉を無音にされることが気に食わないのか、リリイは苛立ったようにチッと舌を打つ。キャンディを持つ方の左手を小さく振って一旦リングの翻訳機能を切り、そして※※※※! ※※※※※! ※※※※※※っ! と母語で憎々しそうに吐き捨てた。リリイの母語は環太平洋域ではマイナーな言語になるのかそれとも政治的な理由で存在を認められていない諸民族の言語なのか。環太平洋域の主要言語ならタイムラグなく自然に翻訳するサランのリングの翻訳機能もマイナー言語のスラングまでは日本語に変換してくれない。意味はわからないがきっとサノバビッチとかファッキンマザファッカとかそういった類の言葉なのだろうとサランは類推した。
一旦罵倒するとすっきりしたのか、リリイは小さく左手を振って再度翻訳機能をオンにする。
「……申し訳ありませ~ん、サメジマ先輩。本当なら先輩にもお聞かせしたかったんですけどぉ~」
「遠慮しとくよう。どうせ身持ちの悪い女を最大限に罵る程度の言葉だろう? 聞いても無駄だよう」
「うふふ、正解~」
リリイは再び口の中に飴を入れ、棒をはみ出させてにたぁっと笑う。右手にはあの日傘。その先端を机の下で這いつくばるサランに迷いなく突き付ける。
ガタン、とサランから離れた位置で物音がした直後、大きめの発射音が炸裂した。サランは床にべったり身を伏せて風圧や衝撃から身を守る。
机や椅子がふっとび、今度はガラスがうちから外へはじけ飛ぶ。衝撃が去ったのを確認してから、サランは床から顔だけを起こし、物音がした方向を見た。
そこでは、自分のワンドをを構えたジュリが立っている。ジュリのワンドは砲だ。50センチほどの短い砲を肩に載せて、その先をリリイに向けている。
ジュリのワンドの直撃を食らったリリイは、机数台とともに教卓へおしやられいていたがほぼ無傷で生きていた。日傘を開いて盾にし、ジュリのワンドから放たれた砲撃を防いだようだ。ワンドとはいえ砲の直撃をくらっても日傘にダメージはみられない。よほど特殊な傘らしい。レースの縁取りのある繊細なデザインなのに。
「あぁらぁ~……」
開いた日傘をくるりとまわし、柄の部分を肩に添えてリリイはしゃなりとポーズを作った。ねっとりした視線を砲をかまえたジュリへ向ける。
「そこにいらしたんですかぁ、ワニブチ先輩~。学校内で後輩相手に躊躇することなくワンドを振るうその決断力、流石ですぅ~」
「躊躇も遠慮もしたさ。いくらメジロ姓の問題児でも一応お前は文芸部の後輩だ、出力はしぼった。――でも二発目がどうなるかお前の返答次第だ」
ジュリは砲の照準をリリイに固定する。ワンドは一般人類に向けて振るうのはご法度だが、なんらかの事情で錯乱状態に陥っているワルキューレに対して使用するのは可とされている。ワルキューレを制することができるのは唯一ワルキューレだ。
ワンド、しかも見た目が無反動砲によく似た剣呑なタイプを前にしてもリリイは落ち着いていた。むしろどこか面白そうに、キャンディの棒を摘まんで舌を伸ばしていつものようにゆったり舐る。
「メジロ妹、今回のことはサメジマに大いに非がある。だから警告もするし、猶予も与えてやる。サメジマに謝罪もさせるしその傘のことも内内に納めよう。――だからその傘を床に置け、両手を上げろ、そして退け!」
「……ふふっ、ワニブチ先輩たら優しいんだぁ~。でぇもぉ、そこの が で なサメジマ先輩はそんなワニブチ先輩を裏切っちゃうような友達甲斐の無い方みたいですけどぉ~。そんな方、校則違反までして庇うに値すると思いませんけどぉ~?」
「全くその通りだな、メジロ妹。周囲の人間の気持ちも考えず衝動的に妙な行動に走る。本当に困ったやつだよ、サメジマは」
うるさいよう、と言い返したくなったがもちろんそんな場合ではないし言い返せた義理もない。
砲の先をリリイに向けたままジュリは言葉を継ぐ。
「サメジマの衝動的な行動が原因でつまらん短気を起こすな。お前たちは目的があってここにいるんだろう? 違うのか? 今後の芸能活動に瑕をつけたいのか?」
友達甲斐がないというリリイの批判を「全くその通り」と肯定するジュリに二言三言言い返したい気持ちは大いにあるサランだったが、それよりなによりジュリの言葉が引っかかる。ジュリは逆上しているリリイを説得している。
メジロ姓の二人が何者か、というよりもメジロ姓の二人が何者か、知っている風ですらある――。
「……ふーん、やっぱりお優しいんだぁ、ワニブチ先輩はぁ~。ほーんと、お可哀想」
リリイは挑発するように呟き、キャンディを再度口に咥えると開いた日傘をパチンと閉じる。そしてその先端を、音を立てないように床を這って移動していたサランへ向けた。そこから放たれるプラスチック製の弾の雨は、サランの体を隠していた机を合板のかけらとぼこぼこに凹んだ金属の塊に変えた。
ひええ~……と流石に肝をつぶしたサランは、自分の目の前に点々と落ちている細かな球状の粒を見つめる。てんてんと床に散らばっているものは、プラスチック製のBB弾にしか見えないものだ。これがリリイの日傘から発射された礫の正体らしい。
――仕掛けのある日傘から発射されただけのプラスチック製の弾が、どうして防弾処理がほどこされた窓ガラスを粉々にできたり、硬い机を木っ端みじんにできるのか――。
警告を無視されたと判断したジュリが舌打ちしながらもワンドのトリガーを躊躇いなく引く。発射された弾はリリイを射抜く速度で空を切り裂くが、リリイは素早く日傘を開いた。教室内で弾が炸裂して発生する爆炎と煙の中、日傘をひらいたまま傘を斜めに振り、傘の先端から弾を連射させる。
ジュリの砲は破壊力はあるがもともと接近戦に向いたワンドではない。機動力ではリリイの日傘に劣る。それでも無理を押してこの場で使用したのは、警告と威嚇と護身が目的だったためだろう。まだ戦闘慣れしていない並みの初等部低レアワルキューレならジュリの見るからにいかついワンドを見ると大抵はそれだけで怯むからだ。
問題はリリイがただの低レアではなかったことだ。至近距離で無反動砲によく似た武器を見ても、愛用の傘を持つ自分の方が有利だと冷静に判断できる程度に戦闘慣れした低レアは相当珍しい。本物の高レアリティだ。
リリイの放つプラスチック弾の連射から身を守るためにジュリは身をかがめる。そこまで気づかれぬよう這って移動していたサランは、リリイの目を盗んで格納庫から取り出したばかりの自分のワンドをかざした。
でえいっ! といまいち緊張感のない掛け声とともに指に挟んだ栞に気合を込める。その数センチ前から半透明で球状のシールドが出現し、合板を粉々にして金属をぼこぼこにプレスする力をもつBB弾の雨を防ぐ。勢いをそがれたプラスチック製の小さな粒がぱらぱらと床の上に零れた。
「すまんなサメジマ!」
「別にいいけど友達甲斐がないってとこだけは取り消せようっ!」
びりびり痺れる栞をもった右手を押えてサランはそれだけは訴えた。それにしてもどういうわけだ、大抵の銃撃程度の衝撃なら吸収してしまうというのにリリイの日傘から放たれたBB弾の攻撃は本当に撃たれたように手が痛む。
どういうことだ? と疑問に思う隙をリリイは与えてくれそうにない。
唇までほんの数センチの所で、日傘の先端が突き付けらたからだ。
「は~いチェックメイトぉ。お疲れ様ですぅ~」
爆炎を切り裂いて現れたリリイは、床に腰をつけてしびれる右手を押えるサランを笑いながら見下ろす。その右手には閉じた傘。顔には勝ち誇るような笑顔。口からはみ出したキャンディの棒を左手でつまみ、唇から舌の先をのぞかせた 。
サランの背後のジュリが立ちあがって砲の口をリリイの頭に向けるが、リリイは平然とサランの口元に日傘の先端を近づけるだけだった。
「ワニブチ先輩、移動してくださいますぅ? でないとサメジマ先輩の頭ごと先輩を吹き飛ばしてしまいますからあ。――射出速度はどちらが上か、今のでお分かりですよねえ?」
リリイの日傘がサランの唇まで数ミリのところまで迫る。この距離であの日傘から放たれるBB弾をくらったら痛いだけですまなさそうだな、とひんやりした心地を味わいながら、同時に、この日傘で何か汚いものを突いてないといいんだけどな、といったくだらないことを考えてしまったその瞬間、
「⁉」
リリイが顔色を変えてサランから視線を離し、日傘をサランの口元から動かした。廊下とは反対側の窓にへ向けてばっと開く。まるで何かから身を護るように。
窓ガラスは先ほどの砲撃で内側から粉々にひび割れていたがそれを蹴破って何かが飛び込んできたのだ。ガラスを撒き散らしながら教室内に踊り込んできた黒い影はリリイの剣呑な日傘めがけて腕を払う。金属めいた輝きが弧を描いてきらめいた瞬間、日傘に張られた布を引き裂き、骨や柄もまとめて金属片に変えながら教室のすみまで吹っ飛ばす。
窓から飛び込んできた何者かは丸腰になったリリイへ突進し、そのまま床の上に組み伏せた。
獲物の喉笛に食らいつく肉食獣を思わせる、素早くて迷いのない動作だった。組み伏せたリリイの顔面に突き付けられた鉤爪の輝きが、その印象を強める。
「リリイ、落ち着けっ。ウェイト! ウェイト!」
床の上に押し倒したリリイに馬乗りになった格好で、自身のワンドである右手に装着した鉤爪をつきつけながら、しつけのなっていない子犬を世話するように宥めているのはタイガだった。どうやら窓際の木を伝って教室に侵入したらしい。
床に押し倒されたリリイは、さっきまでの殺意丸出しの表情どこかに消し去り、無防備で幼い表情で自分の姉貴分を見つめる。攻撃の意志が去ったと判断したのか、タイガは妹分の体からてきぱき降りるとその体を起こしギューッと抱きしめる。鉤爪が妹分を傷つけないように気をつけながら、その肩や背中をぽんぽんと軽くたたいてあやした。
「……よーしよしよし、いい子、いい子。リリイはいい子だ~。……ほーら落ち着け~落ち着け~、な?」
「……たーちゃん……」
タイガはリリイの頭や背中を叩いて宥め、最後にはおでことおでこをくっつけあう。そうすると、さっきまで平気で人を殺傷しようとしていた少女とは思えないような弱弱しい表情になったリリイがその目に涙をこんもり浮かべて、ぎゅうっとタイガの体にしがみついて嗚咽を漏らす。口に咥えた棒付きキャンディを取り出し、幼児退行したように甘えた涙声でたーちゃん、たーちゃんとタイガを何度も呼んでは、ふえええん、と泣き声をあげだした。
タイガはそんなリリイの背中をとんとんと軽くたたき、幼い子をそうするようにあやしてやるのだ。
「――上等上等。リリイは上等。……だから落ち着けって、な?」
「……っ、たーちゃんっ、たーちゃんっ、私のこと放さないで、放しちゃイヤだっ……っ」
「バカだなぁ、オレがリリイを放したりするわけねえじゃん。安心しろって。な?」
しがみついてべそをかくリリイをだきしめ、タイガはこの上なく優しくリリイの頭を撫でた。
その一部始終を、サランとジュリは眺めた。タイガの乱入で命拾いをしたとみるべきだろうが、とりあえず頭の整理が追い付かない。普段リリイに世話を焼かれたり姉さんぶっている所を愛でられているタイガが、しゃくりをあげる幼いしぐさのリリイをなだめてあやす光景も見慣れなくて不思議なものだったこともあるが、さっきまで全力で人を葬り去ろうとしていたリリイが幼児のようにふるまうのを見てもサランとしては感情がおいつかない。いくら原因が自分だとしてもだ。
その場の対応力はジュリの方が早く、砲を下ろしながらタイガへ礼を述べた。
「助かった、メジロ姉」
呼びかけられたタイガは、ジュリをみて憮然とした表情になりいつものように口の中でキャンディを転がしながら、リリイをあやす手を止めずにつっと視線をそらす。その先にいたのがサランだから、今度はぼうっと顔を赤くする。
「別に……っ、キレた妹を抑えんのは姉ちゃんの仕事っすから。ワニブチ先輩に礼言われる筋合いねえっすから。あと言いたかないっすけど、先輩がいてくださったんでリリイが下手こかなくてすみました。助かりました。あざっす」
渋々といった口調で、タイガはそれでも礼を口にする。一時的に幼児退行したリリイをなだめたタイガの言葉の端々から、学園島に来るまで既に何人か手にかけてきたんじゃ……? という、メジロ姓を持つ妹分への疑惑をサランはこっそり確信にまで強めた。でなければこの戦闘力、説明がつかない。そもそも目白児童保護育成会とやらは子供を保護すると見せかけて強化人間やら人造ワルキューレやらにつくりかえるというタチの悪い都市伝説のつきまとう施設だ。
リリイが低レアに相応しくない戦闘力を有する理由を把握しているらしいジュリは、ずれた伊達メガネの位置を直しタイガへ向けて微笑む。
「礼を言うのはこっちだ。本当に助かったよ――それからうちのサメジマが不埒なふるまいに及んで申し訳なかった。友人として謝罪する」
そしてグイっとサランの頭を強引に下げさせる。
「――ほら、お前も謝れっ」
「痛っ、分かってるってばもう……! ――悪かったな、トラ子。まあ、アレだ。ごめんな」
もっと他に謝り方があるだろう……! とジュリが小声でサランを叱る。サランもそれはそうだと思うものの、自分のしでかしたこととはいえ実際どう謝ればいいのか皆目見当がつかなかったのだった。
それというのも顔を赤くしたタイガが、目を合わせにくそうにしながらもちらちらと視線をサランへ向けてはそらすのを繰り返しているためだ。
「……オレは別にそんな……っ、サメジマパイセンに対してはなんもないっていうか……謝ってもらわなくてもいいっていうか、こないだのアレとチャラになってちょうどよかったっていうか……その……なんていうか……っ…………いやじゃなかったっていうか……っ」
最後の一言はギリギリ聞き取れるボリュームで呟く。
あ、これはヤバい。
色恋が好きではないサランも、タイガがおそらく今最大限にキューンとしている状況にあることは分かるし、そんなタイガに宥められたばかりのリリイの精神状態がまた見る間に悪化していってるのも表情で分かる。
そのことによってこの荒れ果てた教室内が、また修復不可能な面倒な状態になりつつあるのが分かる。そしてそもそもの原因が自分のやらかしにあるのは、ジュリの白い眼で見下されなくたって分かる。
廊下に無数の足音と、騒ぎ声があふれだした気配がある。あれだけ大騒ぎしたのだから、ワルキューレや教職員たちが駆け付けて当たり前だ。
どうしよう、という思いでサランはジュリの顔を見上げる。ジュリはそれを受けて、はあっとため息をついた。
致し方ない、と言わんばかりの顔つき、そしてニュアンスだった。
「メジロ妹」
「……なんですか」
「謝罪になるかどうかわからんが、まあ見ておけ」
ぎゅっと自分の姉貴分を取られまいとするように抱きしめるリリイからよく見えるように、ジュリはサランの右手を取る。そして有無を言わさずリングを抜き取る。
「うぇっ⁉」
自分をとりまいていた拡張現実から切り離されてサランは五感の一つを失ったような不安定さを味わい、激しく混乱する。九十九市に出撃したときと同じ空気が、サランを取り巻いた。
「ちょ、何すんだよう鰐淵!」
リングの翻訳機能を介さない声を学園内で聞くのはなんとも妙な感覚で落ち着かない。慌てるサランの目の前でジュリは自分のリングをサランの左手薬指に嵌める。ジュリの指はほそく長く形がいいが、サランのちんまりした子供っぽい手よりは少し大きいのでリングのサイズが合わない。故にブカブカだったが、すぐさま自然に大きさを変えてサランの左手薬指にぴったりと嵌る。
直後、再び慣れ親しんだ感覚がサランに戻った。拡張現実に接続できた安堵とともに、文字だけを記したシンプル極まりないワイプ画面が浮かび上がる。
登録された所有者とは異なる生体データを所有する者が当リングを利用することは不可能である。現所有者が当リングの機能を使用するには登録された所有者承認の元に新たにアカウントを作成する必要がある。作成するか――というような内容を記した事務的なメッセージを目にしてサランは焦った。大いに焦った。
これが意味することはただ一つだ。
あわててサランはジュリの元へ手を伸ばそうとしたが、ジュリはもうサランのリングを左手薬指に嵌めていたことだった。サイズが合わないはずのリングはジュリの左手薬指第二関節で止まったが、そこで浮かびあがったサランと同じ文面を記したワイプ画面に指先でさらさらと何かを書き込む。そのとたん、するりとサイズが調節されてリングはジュリの指の根本まで下りる。
そのとたん、サランの目の前で新しいワイプが開いた。当リングの所有者である鰐淵珠里が初等部三年鮫島砂蘭なる生徒が所有するリングとアカウント作成した。照合の末、現在当リングの所有者が鮫島沙蘭と認定されたので当リングもアカウントを作成した。近日中に鰐淵珠里、鮫島砂蘭共有のアカウントを作成することをお勧めする――といった内容のメッセージが事務的に表示された。
そのあと、りんごーん、と鐘が鳴り響くと、サランの目の前でジンジャーブレッドマンを思わせるシンプルな形状のコンシェルジュが現れた。丸い頭と紙切れをきって手足を作ったような胴体を持つこのコンシェルジュキャラクターはリングにデフォルトで搭載されているものだった。
ジュリのリングにいるコンシェルジュキャラクターは、シンプルな笑顔を作ってサランへ小さな花束を贈る。
「………………っ⁉」
何が起ったのか把握できないサランは、自分の左手を見て口をぱくぱくさせる。
とにかくそこにはジュリのものだったリングがある。がっちり嵌っている。
そのそばに浮かんだジンジャーブレッドみたいなコンシェルジュが、何度も何度も
「…………わっ、ワニブチ、ワニブチ、ワニブチいっ?」
サランはとにかくジュリの腕を掴んだ。そしてぐいぐい引っ張る。とにかく自分の身に起きたことが把握できなかった。
「どういうことだ、お前うちに何をしたっ?」
「――
ジュリは言いながら、自分の左手に浮かんだ白猫キャラクターのコンシェルジュは小さな花束を感慨無さそうに受け取った。ごこんやくおめでとう~と舌ったらずな声で祝福の声をあげていたサランの白猫キャラクターはそのまま消えた。
「ななな、なんでっ? お前誰ともあんな面倒なことしないって言ってたくせに!」
「状況が状況だ。しかたがない。――これで気が済んだな、メジロ妹?」
ぐい、とジュリは自分の左手でサランの左手を掴む。そして、メジロ姓の二人に突き付ける。特にリリイの目の前に。リリイも、タイガもじっと二人の左手を見つめる。
「お望み通り、僕とサメジマはこういう仲になった。これが僕たちがお前に見せられる精一杯の謝意だ。できればこれで手打ちにしてほしい。――だから今後一切、つまらん悋気を起こすな。あと文芸部の活動の邪魔もしないこと。この条件、飲めるな?」
ジュリはそう宣言する。
それに合わせてメジロ姓ふたりの表情はみるみる変化してゆく。むすっと膨れていたリリイは今までみたこともないくらい輝かしい表情になり、頬を染めて目を潤ませていたタイガはあんぐりと口を開く。綺麗に対照的だった。
サランはサランで親友に何か言い返したくて口を閉会させるが、しかしどう考えても身から出た錆なのだった。親友の決定を覆せるような言葉が何一つ出てこない。
「いいいい意義あり! 意義ありっ。そんなのオレ認めらんねえからっ」
鉤爪を装着したままの右手をあげてタイガがジュリに意見しようとするが、さっきまで幼児退行していたリリイがタイガにこれ見よがしにぎゅうっと抱き着いてから、にこにこと品のいいお嬢さん然とした笑顔を浮かべて頭を下げた。
「それはそれはぁ、
「よかった。これで万事解決だ。――さて」
まだ言葉が出てこないサランを置いてけぼりにしてジュリは勝手にこの場を仕切りだす。窓ガラスが全部吹き飛んだために廊下には教室内を野次馬まるだしでのぞき込む初等部・高等部の生徒たちがひしめいている。おそらく総会に出席していた文化部の上層部の面々だ。カメラを構える新聞部員たちもいる。その中には当然、事の様子をニヤニヤ笑いを浮かべているパトリシアもいる。
ふうっとため息をついたジュリは小さくぼそっと呟いた。
「ここからが問題だ」
かつかつかつかつ……廊下の向こうから近寄ってくる足音に気を取られた野次馬たちの視線が一点に集中する。足音が停まってすぐ、ジュリが内側から施錠した扉ががらりと開いた。
「失礼します。風紀委員会の者です」
姿を表したのは、キタノカタマコの侍女の一人だ。黒髪をまとめ、人形のように無個性で、共有可能な個人情報も明らかにされているのに名前も出身地に生年月日に好きなもの嫌いなものといった他愛もない個性が未だに衆知されない少女達のうち一人。キタノカタマコの侍女を区別する手段は、今現在その腕に巻かれている腕章で区別するしかない。
ドアを開けて丁寧に一礼した侍女は、本人が名乗った通り風紀委員の腕章をその腕に付けていた。
キタノカタマコは初等部生徒会就任以後すぐ、各委員会の長を全て自分の侍女に挿げ替えている。つまり突然あらわれたキタノカタマコの侍女は現初等部風紀委員会委員長ということになる――。
市松人形を思わせる顔で風紀委員長は荒れ果てた室内を一旦見渡すと、つ、と視線を見知ったジュリに据えた。
「ワニブチさん。此度の出来事、生徒会長と各委員長の前で説明を願えますか?」
初等部風紀委員長の声は鈴を転がすような美声だった。しかし、その慇懃な言葉が組み合わされると有無をいわさぬ雰囲気が生み出される。ジュリも逆らおうとはしなかった。
「ええ。もとよりそのつもりでした」
「では、私とともに来てください。生徒会長がお待ちです。――サメジマサランさん、メジロタイガさん、メジロリリイさん。貴女方も同様です。ついていらっしゃい」
美しい声で淡々と告げた風紀委員長はくるりと身をひるがえし、淡々と歩いてゆく。
会長就任後に各委員長を自分の側近に全て挿げ替えた独裁制をしく生徒会長の招聘である。無視するわけにはいかない。そもそもワンドをふるって大暴れしたという事実はゆらがない。
ジュリを筆頭に、サランとメジロ姓の二人は大人しく風紀委員長のあとに従う。
「――……とまあ、今回の出撃にいたるまでにこういう七面倒なことがあったわけだよ。気仙沼さん」
「ふーん。話を聞くだけで腹が膨れそうでござるな」
浴槽の縁に腕を置いて顎をのせ、サランは並んで湯船につかっているミナコに呟く。
いつもの九十九市へのルーティンワーク出撃がひと段落したので、二人は宿舎そばにあるノスタルジー溢れる唐破風の銭湯・りゅうぐう温泉に疲れをとりにきていた。
普段は宿舎のシャワーを利用するが、今回ばかりは何が何でも広々とした空間の大きな湯舟に浸かってたっぷり湯を浴びなければやってられない心境だったのだ。
二人並んで湯船につかっている時になってようやく、ミナコはサランの左手薬指にリングがはまっていることに気が付き、どうしたでござるか? と質問してきたのだ。ミナコはここしばらく、「ハーレムリポート」用のピンナップにシャー・ユイの小説の挿絵、そして自分の描いている漫画ととにかくクリエイター活動に邁進していて文化部棟住民のゴシップから遠ざかっていたのだという(売れっ子絵師としての過密スケジュールにルーティンワークが重なり疲れ果て、ミナコもミナコで大きな湯舟で大量の湯を浴びないとやってられない心境と体調だった模様)。
そこで淡々とサランはこれまでの経緯を説明していた。特殊戦闘地域ゆえにリングの機能が使えない九十九市なので、全て口頭での説明になる。
「もうさあ、北ノ方さんの前でことの経緯を説明しなくちゃなんなくなるしさあ……。目の前にするとあの人本当に怖いよう? 同い年の女子だなんて全然思えないよ。やばかったよー」
「で、あろうなあ。某もあの生徒会長の絵を描くときは気が抜けぬので極限まで緊張するでござる。ビーチバレーでポロリした絵を描けという依頼に関しては某も筆を折る覚悟をしてのぞんだでござるよ」
「あー、その節は本当にありがとうねえ。お陰で次号の売り上げも期待できそうだし」
「礼には及ばぬでござる。おかげで会心の一枚にしあがったでござる」
ところで、と、ミナコは欠伸を噛み殺すサランに向けて尋ねる。
「鮫島氏、ファーストキスは何味でござったか? 巷間囁かれる通りレモン味でござるか?」
「――は?」
何を妙なことを言ってるのやら、という思いで湯船の縁に背中を預けているミナコをサランは見やる。ミナコは別にからかうでもなくただ純粋な好奇心にかられたような表情で、サランを見ていた。
「話を聞くかぎり、今回の発端である鮫島氏から目白タイガ嬢への接吻は双方初めてのものであったと判断するのが妥当だと思い某は訊ねてみたが、違うのでござるか? 鮫島氏にとって二回目以降のものでござったか?」
「――あ」
そういえばそうだった。
ミナコに指摘されるまで、タイガの唇に自分の唇を接触させたあれは俗にいうファーストキスだったとサランはようやくその時になって自覚する。
自覚して蘇るのは、タイガの肩に手を置いた時の感触と、その直後に唇を舐めた舌が痺れるかと驚いたあのキャンディの味しかない。
「いや、うちにとっても初めてだった。――あと、味はすげえ不味かった。漢方みたいだった」
「ほう。漢方薬味ファーストキスとはなかなかにレアな体験をされたようでござるな。何故そのような味がしたのか詳しく訊いてみたいが質問してもかまわぬでござるか?」
よければマンガの参考にしたいでござる、というミナコをやんわりとサランは断る。
多分一生することはないなと思い込んでいたファーストキスを勢いでやってしまったことよりも、左手薬指に嵌ったリングの感覚になかなか慣れない方がサランにとっては一大事だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます