ミスリード

ネイピアは表面を這いながらも、3人の元へと

急ぎ向かっていた。


「一つ気になるわね。

私達がこの超越因子の影響下に誘い込まれてからかなりの時間が経つのだけれど、アイラ達からの接触が全く無いわ。

アイラのことだから、

手下から戦況の報告が来なくなったとわかったら

直ぐに次の手を打ってくるはずなのだけれど……」



「しまった、油断したわ!?

罠よ!

私としたことが、こんな初歩的なミスを侵すなんて。

リーダー失格よ。


全く、やってくれるじゃないアイラ。

ラジアナ、ナルータ、アイピス、

一見私の味方になってくれてるようにみえる3人の中に、スパイがいる可能性なんて……、

こんな冷めた思考、アイラらしいわ。

自分に協力してくれている大切な仲間たちを疑うなんて、人としては最低の考えかただとは思うけど、同じ科学を宗教として生きる者同志としては、

冷静沈着でいて最高にロジカルな考え方だとも思う。

素敵ね。こんなヒューリスティックのシステム2に該当するような思考自体、私は嫌いじゃないわ」



ネイピアはこれは這っている場合じゃないと、

背中の痛みに耐えながら身体を起こすと、

急いで3人の前に駆け出した。


そして、ようやく3人の姿がみえてきた。

そこには……。


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