幹細胞

「そう、ゾウの、いいえ、あなたの汚いキンタマよ」


「長箸を使ってそんな臭いものを扱うように

顔を背けるなノラー!」


「だって、本当に汚いんだから」


「どうして、オイラの生み出したキンタマ(ゾウの生殖細胞)がおめえのところにあるノラ?」


「あら、遺伝子に関わる5次元少女だけあって

自分が生み出したものかどうかは見分けがつくのね」


「そんなことはどうでもいいノラ!

オイラの質問に答えるノラ!」


「つまり、どうしてキンタマなのかですって?

私だって本当は嫌で嫌で仕方が無いわ。

 だけれど、こうやって生殖細胞が集まった部分を予め摘み出しておく以外に方法が無かったの。

 あなたの弱点をスキャンするために不要なノイズだったのだから」


「オイラの弱点をスキャンする?

一体それはどういうことなノラ?」


「私が欲しかったのはあなたの幹細胞のサンプル。

生殖細胞を含まない体細胞のデータよ」


「おめえ、いいや。

おめえ達もしかして……」



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