虚無
「ピカッー!!」
ラジアナが矛先で数字を刺した瞬間、
一瞬眩い閃光で360度辺り一面真っ白になった。
「ガタン!、ピカー!、ガタン!」
閃光の直後、矛で刺した数字の左右の直線上の空間が爆発を繰り返し、まるでテトリスのように消滅した。
「ねえ、ネイピア?
これってどういうこと?」
「対消滅しているのよ!」
「対消滅?」
「虚数の矛でちょっと介入することで
真空中の安定対称性は絶対安定のバランス100パーセント【虚無】になるの」
「【虚無】ってどういうこと?」
「虚無は文字通り中に何も存在しない空間よ」
「私達の知ってる真空宇宙は物質粒子の真空でできているけど、それは物質と反物質の割合で
物質が反物質を駆逐した不安定な世界なの。
だけど、ラジアナが使ったその矛は反物質で出来ていて、
物質と反物質のバランスを中和させて元に戻し安定化させるのよ」
「この矛、全然そんな風には見えないけど
そんな強力な力があるの?」
「そうよ。
だから、早く済ませないと、
私の力で有効範囲を限定したバリアーが解けるわ!」
「バリアーが解けるって……、
解けたらどうなるのよ?」
「本当に何も存在しない虚無空間の連鎖が宇宙全体に広がって宇宙は終わるわ!」
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