素因数分解
「まだよくわかんないけど、了解!」
「ラジアナ! 後ろ!」
「え?え!
キャ!!」
「ガツン!!」
「ヒエ~!
危なかった……」
「あなた命拾いしたわね。
今のナルータのビンタ、
あなたの神ウニが間に合わなかったら一瞬でぺちゃんこか、最悪彼女の超重力で紐状にされて拳の皮膚の一部になっていたわ、フフフ」
「フフフってネイピアあんたやっぱり容赦無いな~!
親友の最悪な最後を笑って語れんでしょ普通」
「お喋りは後!
ナルータの体は吸い寄せた小天体をどんどん取り込んで大きくなっている。
このままだと、心臓の核が見えなくなってしまうわ。
ラジアナ?後ちょっとだけ耐えて!」
「う、うん」
ネイピアは目を閉じ、
目の前の見えないパソコンのキーボードを叩くかように指を動かした。
そしてほんの数分足らずでその指の動きを止めると目を開いた。
「お待たせ。
貴方の首の下、
胸ぐらの奥に座標を合わせたわ。
ラジアナ、自分の胸ぐらから矛を引っ張り出しなさい!」
「何も無いじゃん!
胸ぐらから引っ張り出すってどういうこと?」
「大丈夫よ。
目を瞑って自分の胸ぐらに片手を入れてみなさい」
ラジアナは半信半疑な様子で
ネイピアの言う通りにした。
「あ!
手、手が体にめり込んだ!
え?どういうこと?」
「そのまま、手探りで矛の持ち手の
部分を探しあてて」
「あ!
あった!
これ、引き抜いたらいいのよね?」
「そうよ」
ラジアナは両手を使ってゆっくりと
胸ぐらに手繰り寄せるように矛を引き抜いていった。
「これが矛?
こんな巨大な矛がアタシの体の中にあったなんて信じられないよ!」
「そう、それが虚数の矛!」
「…………!!」
ラジアナは驚きのあまり、
暫く声を出せなかった。
「ラジアナ?
今驚いている時間は無いわ。
私が今から狙い打ちする数字を伝えるから!
ラジアナ、準備はいい?」
「あ、うん」
「ラジアナ、5よ!」
「え~い!」
ラジアナはナルータの心臓に飛び込むと、
心臓を取り巻く数字の中の【5】に矛先を突き刺した。
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