第194話「黄金郷と落日世界」壱
第十九話「黄金郷と落日世界」壱
「
割と大柄な体躯……
「カハハッ!”捕らぬ狸”ならぬ”狩らぬ魔女”の皮算用話を持ち込まれた時はなんと大言壮語な事を吹く者よ、と
金糸銀糸を編み込んだ着物の上半身を
――北の果ての王国に”黄金郷”在りなん
――文化の都、権威の都、
――花と黄金に浸りし都は他に
――”極楽浄土”は天上に在らず
――
――或いは
――繁栄と快楽に
通称”
「カハハッ!見事そう相成ったと言うべきか?
「ならば、約定通りに。
「
「……」
ならばと、話を進めようとする
――全く
「ふむ……」
流石は最強国で在った頃の
「戦力は十分だと思うが?俺の
そこで、その
これまで精魂を費やしていた
「……」
「……」
なんとも言えぬ空気感で対峙する禿げ男と眼鏡の青年。
「……
「なぁ?
白酒を一気に飲み干し、話を続ける
「……」
それを振られた
「ふむ……そこまでお見通しとあらば、仕方ありますまい」
目に見えるほど高まる嫌な緊張を
「
「ほう?北の……」
「
そしてその三文芝居を軽く流した
「同盟国?……同盟国とな、カハハッ」
誘導されて四角い
「なにか問題あるか?」
明らかな蔑称に対し、
「
その水面下の脅しを
「ふむ、
「そうか?
すかさずフォローを入れようとした
「何が言いたい?
「狼を相手にしている
――
ならばと堂々とぶっちゃけた失礼な態度をとる
「……”
「常識を解いたまでだ、
聞き流さずしっかりと言い返す。
――
「まぁまぁ、お二方……それはそれ、これはこれと、その辺りは我が
あまりにも物騒になりつつある空気に、普段は
「確か……
説明されなくても内情は
何気に
――なんぞ?自己犠牲
――無償の愛とか言う絵空事など……
世に噂される好色漢で、実利最優先主義、自己保身のために、実情は
「……」
だが今度は、
所詮、余人に自分の
して欲しいとも思っていないから。
「
「聞き及んでおるぞ。臣下の管理責任による不手際だと、正統・
幼少期から利発で何事にも器用だった
だが、彼の人生には大きな壁が出現した。
言わずもがな、
そんな
彼自身も憧れる
従来の嫉妬が重なり、そして
「”
「…………ほぅ?」
結局、これほどの失態をしでかした
そしてその尻拭いに自ら動いて危険を負うとは……
――成る程、
その事実から深読みしなくても、信用を得るため自ら”人質”を買って出たのは明白だろう。
「……」
「それで改めて
――兵を出したくない"
静かなやり取りに見える水面下では、こういった激しい鍔迫り合いの応酬も進行していた。
「……」
さらにそれらを遠巻きに冷めた表情で見据える
不満一色で染まっていた。
「……」
この”
だが――
この件は
謝罪はともかく、人質紛いで身の潔白を証明する思い切ったやり方には同意出来るはずも無いというのに。
そしてこれには、それを受ける側の
――
とはいえ……
相手が
「後方支援と言ったが?
焦る様子も無く、ズイッと肥満の身を乗り出して詳細を聞く。
「
「……ほほぅ?」
――
「…………成る程」
そして暫し間を置いてそう呟くと、バンッ!っと畳を叩いた。
「
全く
諸々瞬時に計算した結果、勝ち馬に乗り遅れまいと、
”
第十九話「黄金郷と落日世界」壱 END
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