第193話「垂乳根の……」前編
第十八話「
「
「
なにも聞かなかったとばかりにトンズラしようとした俺を
「
「
二人は揃ってやんわりと俺を
「くっ……」
――”
”
「支援を頂いたご挨拶に、後日に
「うう……」
独立小国群の多くはこの
その挨拶が”
「ちょっと今は時間が取れそうにないかも、なあ?」
「愛おしい息子に会いたいと泣かれておいででしたよ、お
それとなく
――そう、
「あ、あぅ」
――
家庭の事情と自身の心情から、それを先延ばしに延ばしてきた俺は反論できずに渋々と
――前略、拝啓
――直ぐ来い
――早々に!かしこ
「………………………………………………………………………………ねっ!」
そらみたことか!と激しく同意を求める俺に、二人の"側近”兼”幼馴染み”はそっと
「いやいやいやいや!!なんだこのふざけた手紙はっ!”早々”がなんか別の意味で余計に煽って来ててムカつくしぃっ!!」
――ホンッと"こういう
「これが氏子を導く大神宮の
――だから会いたくな……
「
「
――う!
怒りにまかせてまた先延ばしにしようとする俺を、二人は優しい視線で諫めていた。
「私もちょうど例の件で
「そうそう、御山には有名な老舗温泉旅館があったじゃないですか?一日くらいは時間的に大丈夫ですし、一泊されて今後のために鋭気を養われてはどうですか?ね?ね?
――あと、
「…………わかった」
俺は最早これまでと、ほんっっとうに渋々と頷いたのだった。
――
―
――で
半島中央の険しい山中に建立されし
そこで久方振りに対面した
「でぇ?”はるぴょん”は”もりヨキ”のどこらへんにぃラヴなのぉ?」
ものすっごく
「ええと……それは……」
姿勢良く正座した美少女は、困惑の表情で整った紅の端を震わせている。
「…………なにしてんだ?
俺は部屋に案内されるなり、意外な人物とその人物にしては珍しい表情を目の当たりにしていたのだ。
「顔?顔とかタイプ?はるぴょん的にはイケメン?」
「ええと……よ、良いと思います」
「わぁぁぁ!はるぴょんは面食いだぁ!もりヨキぃ、嬉しい?嬉しい?」
そして俺の方を見てふわふわと手を振る”ウザ絡み女”
「誰が”もりヨキ"だ!やめろって言っただろうがその呼び方」
俺はズカズカと部屋内まで歩き、そして困惑で少々憔悴気味である美少女の隣に座る。
「さ、
ホッとした表情で美しい暗黒の瞳を滲ませた"
「で……なんで
俺は一応聞いてみるが――
山門を
その二人を見かけた時から大方の予想はしていた。
「ご、ご挨拶によ、
――同じく山門付近で待たせた、
俺は連れて来た……というか、着いて来た面子を思い返し、少し頭痛がする。
「なるほど」
そして
――
俺は納得しつつ、相変わらず大した情報網とその無駄な使い道に呆れていた。
「最初はねぇ、”
「く……相変わらず頭痛い話し方しやがって、この女」
途中で俺が睨んだことで辛うじて俺の呼び名を訂正する
――まぁ、
「
このままでは話が進まないと、俺は色々横に置いて深々と頭を下げた。
――
「
スッと背筋を正し――
主座に座した女は凜として応じていた。
黄金の平額を冠した女は長い黒髪を丈長で結い、絢爛でありながら厳かな神職装束で俺と対峙する。
真に古神に仕えし最高位の神官であった。
「実は……本日は礼とは別に聞きたいことがあって来た」
続ける俺に
「……」
「これは重要な話だ。古くから
「……」
「つまり、これは
「……」
「……」
――
「…………………………
「それなーーー!!」
古神に仕えし最高位神官はやっぱりバカだった。
第十八話「
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