第163話「穂邑 鋼の代償」前編
第五十話「
――六年前に
この戦いで
同じく二十四将の
――命は助けるが地位ある者達はその全ての権力を剥奪する
ザッ、ザッ、
「……」
その日の夕暮れ、勝利した
ザッ……
「
敗戦処理ともいえる停戦交渉の場へと、
「…………お前が……
初対面であるはずの奇妙極まる不審人物相手に、眼帯の若き将は驚きもせずに相手の姓名を呟いていた。
「ひひひっ!戦は完全に全然に負け戦ぁ?それでも、これでも、貴方様はぁ、
道脇の石段上にまるで肩関節が外れた様に両手をだらりとだらしなく下げて座る、麻製生地に両目の穴を開けただけの袋を頭部にすっぽり被った奇妙な風体の不審者は
「そうだ、
しかし決死の覚悟をも散々に茶化す怪人にも若き将は……
ザッ、ザッ……
”
「ほほぅ?」
”
ただそれだけで
”
これにはさしもの奇妙極まる不審者も暫し軽口を止め、そして……
「ならば心して刻め”黄金竜姫”の騎士よっ!!黄昏姫の騎士たらんとする者よ!運命を
「……」
「なぁぁんてぇねぇぇ、”呪いの代償”はぁ?何時の時代もぉ?そんな時代もあったねぇとぉ……ぎゃはは!?死ぬほどの苦痛と決まってるんでぇガスよほぉぉ?」
急に尊大で立派な口調で意味深な発言を投げた怪人は直ぐさま茶化すかの如き言葉に回帰するが、そのどちらもが歩みを留めぬ
――
―
俺は完全に立ち上がり、
「……」
自身の剣の領域に入った無防備な獲物を無言で見極める
――
我が
俺に”王として”の本分を見失わせないよう厳しく諫め、
そして”人として”の俺を気遣った言葉を用意して来た男の昔話……
――”俺は昔……”命より大切な人”を奪われ、そして取り戻した”
それは紛れもない。
そういう助言だったのだ。
――
―
胡散臭い輩が黄金竜姫の周辺を探っていると、
だからこそ、本人が直接目の前に現れてもそれほど動じなかったのだろう。
そしてそのまま、”
それは一見、何重の意味にも無謀としか言えない行動であるのだが……
この内戦の序盤で、強襲部隊を編成して来襲した
その防衛戦に用いられたのは試行錯誤の末に実用化した
――
体高18メートル、重量130トンという規格外の
”それで”一度は
実際これはかなりの無茶であった。
実は”
いや、それ以前に希少鉱石である
つまり
超重量兵器を擁する攻城戦という
一見、気さくな
加えて……
西に
最年少で
そしてなによりその判断力と実行力という意外な豪胆さ、
周到と言うにはあまりにも思い切った
だが、それで終始する事無く彼は言う。
”あとな……俺には”もうひとつ”切り札があってな”
そう、実際にはここから先こそが”本題”であったのだ。
第五十話「
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