第159話「偽りの白雪」前編
第四十六話「
敵城主である
「”宗都”が
正直、少しばかり拍子抜けだが……
ともあれ、戦を無くして被害と時間を抑えられるのは良いことだ。
改めて俺は、攻略したばかりの
「”
――そう言いながらも俺は、その”
”
「しかし……友好関係とはいえ戦時中の他国です。僅か数人で、しかも陛下が直接乗り込まれるのは矢張り危険ではありませんか?使者というのなら
俺の前に
「いや、戦時中だからこそ兵を連れて行っては要らぬ疑いを持たれかねない。それに何か不慮の事態が発生した場合に備え、
なにかと奇策を用いる忍集団の中にあって正面きっての軍指揮が一流で、戦場の流れも読める逸材……
つまり、こう言ってしまっては身も蓋もないが、中々に使い勝手の良い男であった。
「そういう事ならば……承知致しました。ならばせめて供回りには
渋々と了承し念を押してくる
――
「これは鈴原様、遠路遙々のお越し誠に痛み入ります」
そして、久方ぶりに対面した
と言うよりも、病的なまでに生白い顔だった。
「いや、
その様子に思わず出てしまったその言葉、
気遣う俺の言葉に白い女は困った顔で頼りない笑みを返しただけだった。
「……」
――白い肌、白い髪
色白と言うよりは色素を全て忘れて生まれてきたような、不自然な希薄さの女だとは
――これは最早そういうレベルではないな
俺でなくとも直ぐにそう分かるほどの衰弱ぶりだろう。
西の強国、
今回の
長い髪を二つに割って三つ編みにし、それを輪っかにしてそれぞれを両耳のところで留めた髪型、僅かに色を有する碧い瞳以外は色というイメージが殆ど無い、本当に華奢で存在感の薄い人物。
それでも以前にまみえた時は、ここまで”病的”なイメージはなかった。
「
俺は嫌な予感しかしないと、前段階無しで彼女に問う。
――勿論、
「いいえ……それより鈴原様、長旅でお疲れでしょう。戦場
だが彼女はそんな俺の直接的な質問をはぐらかし、無理に明るい表情を作ってあくまで歓待の体裁を整える。
――
白い美女の対応に尤もだと納得しつつも、こっちも状況が状況だ、アッサリと引くわけにはいかない!
「
「っ!?」
国家間のやり取りにも拘わらず一切の腹芸は無しにした俺から出たその名に、白い美女の表情はサッと変わった。
――そうだ、相対する敵も尋常で無い相手、つまり”人外”の可能性がある以上は……
「つまり”魔眼の姫”関連のことか?俺も”とある筋”から”
目の前のアルトォーヌに詰め寄りながら、俺は自らを顧みる。
――”
そして、脳裏には麗しの暗黒姫の言葉が鮮明に蘇っていた。
最近どうやら”魔眼集め”に行動移行しているらしい”
良くも悪くも”
ここに来て
「……」
常識的に考えるならば、ペリカを倒すなんてのは超々高難易度だ。
数で押し潰すにしても並大抵ではない。
それに彼女には例外的な魔眼の
戦闘に特化した魔眼の所持者……
だが!
――”例外”が唯一無二”だとは限らない!
戦闘に特化した魔眼、”
その可能性が在るのは、同じく戦闘に特化しただろう、序列四位、”
――
「……」
――なんてことだ
――
否!否!
推し量れていないのは……
世界を冷静に見れてないのは
俺は深層で、決して”考えたくない可能性”を排除していただけの無能者だ。
「すず……はら様?」
勢いよく詰め寄ったものの、急に言葉を発せ無くなった俺を不振に思ったアルトォーヌが俺の顔を見ていた。
「い、いや……なんでもない、それより
俺はそのまま、行動の根拠になる情報源もそれとなく開示してみせる。
――と、言っても、それは京極
「
だがその情報が功を奏し、アルトォーヌもまた切迫した状況を共有した様子だった。
第四十六話「
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