第158話「黄昏の旺国」前編
第四十五話「黄昏の旺国」前編
ワァァ!!
ワァァ!!
「ぬぅ……これは既に手遅れ……か」
京極
「
戦況に渋い視線を送っていた
「
全身
ヒィィーーン!!
愛馬の
「流石は
躊躇無く身を捨て、総大将であり甥の
「となれば、
―
――その”
「う!こ、このっ!!何故だ!?何故にこの俺がこんな無様な……」
額から鼻まで覆った黒い仮面を装着し、露出した
「その容姿、”
混戦の渦中で追い込まれ、城塞群の方へと退却しようとする
通称、”
「くっ!ぬおぉぉっ!!」
だが名乗りも返さず、手にした槍で地上から馬上の女を串刺そうと突き出した黒仮面の穂先を……
カンッ!
片手で持った鞘付きの刀で
ザシュッ!!
「ぎゃはっ!」
そして、
ヒュオン、ヒュオン――
パシッ!
振り下ろした刃と逆の空いた手にて、虚空でクルクル回って舞う白鞘を掴み取る。
「……」
実に落ち着いた所作、唯々
「ぐ……ぬぬぅ」
肩を押さえて
――”
”
「観念しな、黒い御仁。アンタは
ワァァァァァァーーー!!
「あれは……敵総大将”
一瞬、
ダダッ!
「はぁ……大将を見捨ててトンズラかい?まったく」
呆れた顔でその背を見送る
「
部下の問いかけにも、既に興冷めだとばかりに頭を左右に振った彼女は、抜き身の切っ先を
「取るに足らない
――
ダダダッ!
ダダッ――
隊を率いて走ること暫し、
「あれは……」
全速力で駆け来る騎影は”
その速度に、率いる兵の殆どが……
いや、数騎ほどしか付いて来れぬほどの急ぎよう。
――ワァァ!!ワァァ!!
そして更にその向こう、歓声の上がり続ける場所には、
さらにそこでは、
「……」
――まさか”
心中でそう確信する
ダダダッ!ダダダッ!
ダダダ……
やがて、前方から疾駆して来る同僚とすれ違う。
「”姫様の方”へ敵部隊の一部が向かった……」
――すれ違い様
ダダダ!ダダダッ……
そのまま視線さえも絡める事無く走り去る。
「ああ、そうかい。ならアタシがやるしかないねぇ」
そして、それを受けた
ダダダッ!ダダダッ!
「……とはいえ、たかが捨て身の一部隊如き、対処できない
それでも
ここまで敵の総大将を追い詰めておきながらも全てを放りだし、僅かな危険も無いだろう
――”忠犬”ぶりもそこまで行くと困りものだと
「アレかい?」
ヒィィーーン!
目的地付近で何かを見つけた
ズサァァ!!
「その見事な
そう言い放ったのだった。
第四十五話「黄昏の旺国」前編 END
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