第152話「拾参姉妹雑談」前編
第三十九話「
「それでな、ここから先はちょっと”切り替えて”欲しいんだが……」
その日、年初めの時とは逆で”新政・
そして、暫く雑談を交えた後で俺は
「必要なことなのかしら?」
モニターの中で少し意地悪く微笑む
「そう、なら少し待っていなさい」
真面目な話だと理解した
――前回は虚を突かれたからと、今回は”意趣返し”とばかりに俺からと……
俺にはそういう対抗心もあったのだが……
あの時は、我が
「…………」
――これでは”意趣返し”には程遠いなぁ
彼女の用意が出来るまで、俺はそんな事を考えながら待っていた。
「それで?
「…………」
手持ち無沙汰にしている俺に、彼女の見透かしたかの様な言葉が掛けられる。
――全く
俺の切り出そうとする話題を平然と先取りしてくる隙の無い才媛。
だが”今回は”俺もやられっぱなしって訳にはいかない。
「それなんだがなぁ」
俺は既に強固なセキュリティが施された秘匿回線に切り替わっただろう事を
「あれから色々と考えたが、どうも俺にはお前の真似事は出来ないようだ」
「…………”
――彼女は少し俺に幻滅しただろうか?
少なくとも”
表情からはそれが読み取れない
「現状の
――
俺はよりにもよって惚れた相手に、そんな情けない言葉でハッキリと白旗を揚げたのだ。
「…………」
”惚れた女”に貴女ほどの才覚は在りませんとは、男の
――だが!
さすがに
――なら俺が取りうる正解はなんだ?
「…………そう、それで?」
「”
「…………」
――そう、それでこそ”意趣返し”だろう!
現に今、俺の発した代案で暗黒姫が
当然の様に彼女は冷静を装っているが、それでも俺には……鈴原
――この”一手”は我ながら起死回生の妙手である!
「で、”
――そうだ!
前回、
だがそれは、俺や
”
その為にも”
何故なら……
そのどちらが勝利したとしても、
それは、単純な正面決戦を始めれば、狂信的な信者で成る宗教国家”
だからこそ
不愉快な事に、俺が必ず動く様にと
――そして、その対抗策として俺が出した答えは……
直接、
――これはつまり……
取りあえず大国”
「正気なの?要塞一つと大国家を天秤に掛けてその答えを出すなんて……」
少し軽蔑したような瞳で俺に問う暗黒姫の指摘は尤もだ。
――だが……
この方法なら、
そして
勿論、我が
当初の彼女の予定とは程遠い、国境を隣接する”
「相変わらず、嫌がらせ的思考は天才的ね」
愛しの暗黒の美姫様が、ほんの僅かに眉を
「そうか?同盟国らしい、美しい絆の共同作戦だろう?」
――
―
「それで姫様は
長い巻髪で上品なワンピースドレスに身を包んだ女が不満そうに聞く。
「それは仕方無いかな、
それに答える、後ろ髪をアップに
「あははっ!相変わらず抜け目が無いねぇ、鈴木
「それを言うなら”喰わせ者”でしょう?それに
笑う三つ編みの女はいかにも不真面目で中々に
「そういえばあの”
そしてその二人に最初の、長い巻髪で上品なワンピースドレスに身を包んだ女が聞く。
「あれぇ?
それに茶化すように返す三つ編みの……
「
四人の女による雑談にピシャリと喝を入れたのは細い銀縁フレームの眼鏡をかけたキッチリとしたパンツスーツ姿の秘書風美女、
他の女達が比較的
「ちょっと!心外ね、本題に入る前に少し情報の下調べを済ませていただけよ」
長い巻髪の上品なワンピースドレスに身を包んだ女……
得意武器は鞭で、戦場では子飼いの狼二匹を使役する”
「わ、私は聞かれたから答えていただけだから!」
後ろ髪をアップに
見た目では想像し難いが、素手による古流組み打ち術を極めた闘士、
「まぁた怒られたよ、あははっ」
相変わらず緊張感の少し欠けた三つ編みの剣士である、
「うっ……なに笑ってるのよ、この能天気女」
スラリとした長身に凜とした佇まい、長い黒髪を後ろで束ねた槍使い、
「ま、まあまぁ、もう殆ど用意は済んでますので……」
戦場では西洋風”
おかっぱ頭がキュートな
そして……
「…………」
その様子の一部始終を部屋の隅にて体育座りでジーと眺める、ジトッとした三白眼で無口で小柄な謎少女……
暗器使いの
「まぁ良いわ、二人が到着次第に始めるけれど問題ないわね」
リビングのテーブルに臨時のテーブルを二つ繋いだ卓上には何皿もの料理とデザートの数々が並べられ……
その日、”近代国家世界”にて――
とあるマンションの一室には、”新政・
第三十九話「
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