第150話「覇者の特権?」
第三十七話「覇者の特権?」
ここ、
百花の
新たなる拠点たる我が
「
後列に数名の従者、その更に後列に金銀財宝の山……
改装
「あーえー……そうだな」
正座し、床に額をピタリと貼り付けて震える従者達とは違い、独り胸を張る
少々気性に難が有りそうであるが、大きなリボンで結ばれたゆったりとした長い黒髪と自信に輝くどんぐり眼という、中々将来有望そうな容姿をしていた。
「
供回りの者達とは真逆の態度で俺に馴れ馴れしく話しかけてくる少女の正体をいまいち思い出せずにいた俺に対し、
――
俺はそれでようやっと合点がいき、大きく頷いてから応えた。
「おお、
俺の軽々しい
「お、お年玉とはなにごとかっ!
――おお……しまった、つい昔のクセで……
そう、俺は近隣領主の娘で、六つ年下のこの少女を昔はこうしてよくからかったのだ。
”
同じ小国群領主の血を引く立場を共有する者であり、そして鈴原の遠縁である彼女、
ちびっこいくせに何かと絡んでくるこの生意気少女がこうしてプンスカ怒るのが妙に滑稽で、それでいて愛らしく、殺伐とした戦国の世で生きる俺にとって一時期は一服の清涼剤であった記憶がある。
「う……まぁ良い、本日、
そこまで台詞を並べて、急に赤い顔でしどろもどろになる少女。
――ああ、やっぱそう言う事か……
面会直後は自信満々で、その後は怒って、今は耳まで赤らめた、少々おしゃまな乙女に俺は予想通りだと溜息を
「ええと、力説中にすまないがなぁ」
「じゃから、この身を……身を……え?」
「だから、”そういうの”間に合ってますのでお引き取り下さい」
「…………え?ええっ!!」
勇気を振り絞った感の台詞を途中で遮られ、口をパクパクさせる少女に俺は更に続けた。
「
「…………は?」
そして未だ意味を解さぬ異国の少女から俺は隣に直立で控えるショートカットの美少女に目配せした。
「はい、本日来訪された新たな従属国の要人は御三方……”
「な!なっ!?」
少し前まで同等であったはずの小国、我が
それは或いは”
だがここに来ての我が国の”
――たく、ここぞとばかりに力攻め一辺倒でガンガン暴れ回る熊男のせいでこっちは……
要らぬしがらみを押しつけられる煩わしさと、
次々と舞い込む
――バカ熊男め!今度会ったら、あの雑な顔面を更に雑にヘコましてやるからなぁっ!
と、殴ったら
「……てな訳でな、
「うっ!?……うぅ」
「
「……」
「そう、
――で、やはりそうきたか……
結局、この俺へのご機嫌取り合戦に各国首脳の、”
――あの”
「アレはな、快くと言うか、なんというか……」
「なんというか!?なんじゃ!?」
――くっ……当事者の
「”
「領国の行く末を案じるは、
――ぐぅ!
何年か前に俺の
「いや、だいたい……
「っ!!」
葛藤から”つい”苦し
――ま、まずいっ!!
どうやら俺は要らぬ地雷を踏んだようだ。
「ああっ!!あれだ!!あれ!あれ!!
俺は強引に……
強引すぎるハンドル捌きで方向転換を図った!
「え、ええと、
――そうそう、
それを決めるために
「おうっ!それだ!!
――どれだよ……
俺は自分で言っていて、思わず心中でツッコんでしまう。
「す、鈴原
「
強引すぎる俺の態度にポカンとする異国の姫と側近を尻目に、俺はドサクサで立ち上がる。
「てなわけで、俺は将来有望な若者、
”じゃぁね!”と手を上げる俺。
「なっ!?ちょっ!!鈴原 さい……お兄いちゃ!?じゃなくて!!ちょっと待つのじゃ!!」
「ばっははーーい!」
そして俺は有象無象には目もくれず、
「あ!!さ、
こうして慌てて俺の後を追う
第三十七話「覇者の特権?」END
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