第142話「竜虎相対す!」
第二十九話「竜虎相対す!」
「
ズバシャッ!ドシュッ!!
一方には4尺5寸の
吠える”
「ぎゃぁぁっ!!」
「うぎゃっ!」
ヒュバ!
ブオォォン!
二振りの巨大な鋼刃を小枝のように自在に振り回して戦士は笑う!
「ふははっ!これ程度の強襲でこの
――ザワワッ!!
――
最強国
その進軍跡に屍の山を築いたと云う”魔人”と恐れられし
そして……最強無敗、”咲き誇る武神”と称えらる
「
窮地を察した兵士が、
――そちらも厳しいだろうに……
「……」
なんとか
――ギ……ギギ
途端に
「
奇策を用いて
破壊した無人の門前に十人を置き、残りの二十四人と二体の
果たして彼の読み通り
――”千載一遇”……否!予測通りの展開っ!!
数の上では百対二十五人だが、
決して分が悪い戦いでは無いはずであったのだが……
ズゴゴォォ!!
「ぬうっ!」
ガガッー!ガガァァーー!!
伸びて襲う
「
ガキィィッ!!
そのまま右手の
「ば、馬鹿なっ!!あの
「か、刀で鋼鉄を斬り落としたぁっ!?」
ブワッ!
――だが更に……
そのまま
ドガシャァァーー!!
片手を失ってバランスを崩した機械兵に向かって一気に獲物を振り下ろし、叩き潰した!!
ギ……ギギ……
……プツンッ
胴体が潰れて半壊した
「”
冷や汗を拭いながらそう言う
「小僧も”
「……」
「かははっ!!出し惜しみせずに”切り札”とやらをサッサと出せいっ!!」
豪快な笑みの裏に隠れた死の圧力。
――愉悦と殺意が混在する巨大な脅威
それこそが”
「……」
「どうした坊主?
黙ったまま自分を見上げる旧知の相手に
「まさか……俺はいつも”いっぱいいっぱい”ですよ?けど……」
それを受け、
「落ちた剣は拾わぬのか?確かに小僧の腕では
口調とは裏腹に一分の隙も見せない
――
ピリリと……空気が鈍化したかの如き緊張感が走り、
「……」
「……」
お互いが引き連れた兵士達が入り乱れる混戦の中で、二人は一騎打ちの様相を見せ……
「ああ!?そうだ、
――ドンッ!!
緊張を一瞬崩して、タイミングを外そうと軽口をしかけた
「……ならば”独眼竜”!!」
ブオォォン!
左手の戦斧が振り下ろされる!!
――それでも律儀に
「くっ!!」
暴風のような一撃を飛び退いて避ける
「お互いの名に”らしく”竜虎の対決と参るかぁっ!!」
ズバァァッ!!
――っ!?
完全にバランスを崩した素手の
それは――
「ちぃぃっ!!」
完全に完璧な死の一撃!!
無防備な胴体を横一閃して切断する決着の一撃っ!!
――”独眼竜”死すっ!!
誰もがそう確信した瞬間であった……
バシュゥゥーーーー!!
しかしその場に散ったのは赤い鮮血ではなく、蒼い火花!?
いや、無数の光の粒子!!
ギ、ギリリリ……
「ぬぅぅ!!」
水面を叩いたように滴代わりの光が散り、
シュォォーー!!
確かに斬られたと思われた青年の手前に浮かび上がったのは白銀色の光の
突如空間に展開した半径が二メートルほどの銀円光に阻まれた刀は……
「ぬうぅ、珍妙な……これは」
力を込めた刀を手に、胴体斬り途中の戦士は青年を睨む。
「一応、九五式装甲”
バシュッ!!
「っ!?」
青年の台詞と同時に光の
「別に覚えて頂かなくて結構ですよ、
左右の上腕部に装着した白銀の金属製
「…………」
信じられないモノを見たその場の敵味方兵士達が絶句するのは無理からぬことだろうが、それに対し敵将、
「
確かに青年……
だが、
「…………
「?」
そして青年の想定外だった反応を見せた敵将は突然語り始める。
「
「……」
それは
「貴様も噂くらいは聞いた事があるだろう、通称”
「知ってますよ、それが……」
そうだ、それが何故今関係が……
「独眼竜、貴様らが
「……」
――つまり……
そこで
先ほどの
やはりこの戦士にして戦場で度肝を抜かれて固まるなど有り得なかった。
つまりは”それ”が既に調査済みであるモノであるのかどうかを。
超優秀な忍部隊で時間をかけてじっくり調査していただろうから、研究開発済みの兵器もある程度、
「で?」
だが
「いや、”それ”が
「……」
両腕の
「ふん、中々の面構えだが……知っておるぞ、それの開発名称は確か……」
「……」
「”
「…………」
しかし――
それでもやはり
「……」
「……」
「ふ……はは……すまぬな小僧、つい下らぬ事を」
「……いえ、
暫し睨み合った後、二人は息を吐いて笑い合う。
――
――”仮に”ネタがバレたとして、それがなにか?
そういった趣旨の
「下らぬ。戦場で生死以外の駆け引きなど
「………いえ、でも一応は否定しておきますよ、俺は」
「それも一向に構わぬ、所詮は……」
ブワッ!!
シュバ!!
勢いよく!!血に飢えた両手の鋼刃を振り上げて”
「
第二十九話「竜虎相対す!」END
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