第131話「子供(ガキ)」前編(改訂版)
第十八話「
「
俺と
――なんとも生意気な
色白で赤い唇で線が細く、一見少女と
「貴公の
「…………」
坐した俺の視線は――
案内され、入ってくるなりふんぞり返ってなにやら講釈をたれる
”
その軍旗は、
それを携えた中年男は、その麾下の中でも特に秀でた”
「だから……っ!?き、聞いてるのか?
ダラダラと中身の伴わない駄話を
勿論、俺はそんな話を聞いてやるほど暇ではない。
「
俺は目前の
「そうですな、丁度一年といったところでしょうか」
――
俺は頷いてから話の続きを――
「き、聞いているのかっ!?鈴原
あからさまに無視をされて
「な、なんだよ!?その顔……う」
呆れ顔を隠さずにあからさまに観察する俺の視線を受け、注目をご所望していた子供はたじろぐ。
――女性的な容姿から若い頃は”姫武者”と揶揄されていたという、
「慎重にして大胆、狡猾にして愚直。王の王たる資質を備えた
マジマジと観察していた俺は、思わず本音が出てしまっていた。
「な、なんだとっ!?貴様、たかが
即座に少年は色白の肌を真っ赤に染めて激昂する。
「そりゃ侮るだろ?まんま雑魚だから」
「このっ!!」
その予想通りの反応にも呆れた俺は、本音を隠すこと無くぶちまけ、それを更なる挑発と受け取った
「
「うっ!?」
彼の後ろに控えていた
「し、しかし……
でんと傅いたままの部下に腰砕けで貼り付けになった子供は不満をぶつける。
「
「ぐっ!……じゃち!
「現在の
「うぅ……やけんど!こがな
家臣の静かな口調だが反論の余地の無い指摘に――
――興奮すると口調が親父そっくりになるなぁ
とか、その光景を他人事の如く眺め、どうでも良い感想を抱きつつも俺は……
「やけんど!やけんど……うぅ……う」
悔しさからか、それとも此処までの苦労を思い出したのか……
あろう事か他国の王の前で涙目になる自称、
「…………ふぅ」
俺は再び溜息を
――しかし……
これではまるで俺の方が
――と、
「まぁ良い。ええと?
――俺の前で
「は!なんとも慈悲のあるお言葉。我が主君に成り代わり、この
「…………」
――この”
俺は取りあえずは険のある言葉を収め、そして本題に入る事とする。
「で?
どうやら長く話しても何の実もない。
それどころか今の状況で時間は貴重すぎるのだからと、頭を切り替えて単刀直入に問うた俺に、整った髭の中年男はその通りだという様に深く頭を下げた。
――”それ”も計算の内ってか
「だがなぁ……そんなことに関わったら
そうはいくかと、取りあえず極一般的な牽制をする俺に――
「これはご冗談を。万民に”王覇の英雄”と称えられし王の中の王たる道を邁進される
――ちっ、ああ言えばこう言う……
まさか俺を褒めちぎって良い気分にさせ、取り入るって魂胆じゃないだろうに。
「そんな無理な厄介ごとを頼む為だけに
この
取りあえず交渉の初歩ともいえる行為である”代価”を露骨に催促してみた。
「こ、こん恥知らずがっ!!元はと言えば
「…………」
予想通りというか、
――だいたい、その恥知らず相手に頭を下げて守ってくださいと
一国の主を名乗っておきながら交渉のイロハも
「
「馬鹿……バカだと!!いっ!
――しかし……
――それにしても面白いほどに乗ってくるなぁ
確かに
直接敵同士だったわけでも、俺が滅ぼしたわけでもないが……
「おいおい……なに下らない事で言い争ってるんだよ?ここは戦場だぞ」
あまりにも低次元な争いに堪りかねたのか、座した俺の傍に立って控えていた
「うるさいっ!ペテン師の部下如きが!こん
「独眼竜、口を出すな!お前は関係無い」
そして俺は、不本意ながら思わぬところで
――ち、面白くない
「たく……ガキなんだよ、このお子様はともかく、鈴原、お前もな」
そして”
――こんなクソガキと一緒にするな!
俺はいたくプライドを傷つけられ、
…………ん?
「ど、独眼竜?え……え?……あ……」
そう思いふと見ると、
そのクソガキ、
「おい
「
第十八話「
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