第120話「奥泉行路 壱」(改訂版)
第七話「
旧
護衛も含めた総勢十五人は隣接する独立小国家”
――その後、そのまま海岸線を東進……
細心の注意を払いつつ
総行程日数は五日ほど……
それは
――つまり
結果的に俺は当初の予定よりも少々急いだのだ。
その理由は……
難攻不落の巨城攻略だけでさえ困難だというのに、その
予測済みであったとは言え、この展開の早さは俺の予測の更に上を行っていた。
「ちっ、
俺は独りごちた。
”
その地を制覇した”
それ故に北の備えを一瞬たりとも怠れない
そう俺は踏んでいたのだ。
――百戦錬磨の”魔人”
「あと数週間は猶予があると思ってたんだけどなぁ……」
それは”
――
「
待つこと暫し――
少し離れた場所で、眼だけを出した白装束の
「そうか、大義だった」
彼女の報告に短く答えた俺の視線は離れた位置で
そしてその白装束は深く頭を下げ直ぐにその場から消えた。
白装束の
この案件にあたって先に
通称“
――さすが
俺は
「
「ああ、そうだな、一時でも時は惜しい。直ぐに
俺は
「はい!
「…………」
”
そして問題の”奥様方”の準備とは――
「
「あ、ああ……そうだな」
俺は歯切れ悪く頷く。
「
――そうだ……
この
俺の腹心であるところの
直前に、強引に……
しかも俺の
「……」
それを俺が断れなかった理由は……
――まぁ……色々とだけ言っておこう
「と、
俺は気持ちを引き締め直し、全体にそう告げて馬を出したのだった。
――
―
――北の果ての王国に”黄金郷”在りなん
――文化の都、権威の都、
――花と黄金に浸りし都は他に
――”極楽浄土”は天上に在らず
――
――或いは
――繁栄と快楽に
――と、
「
最初に度肝を抜かれたのは、やはりこの黄金を塗りたくった大層な御殿だろう。
俺たちが見上げるのは、
未だ
そしてその地を無事治めるため、大量の死者を出した戦いの遺恨を残さぬよう、異部族の屍を一箇所に集めて弔ったのが
時は流れ――
そして更に時は進み、”
その特別行政区の中心地に定められたのは
それは
金、銀の鉱山を擁する地の利と、何代にも及ぶ執拗な蓄財をつぎ込んで姿を変貌させた
殆どの民衆は
「……」
柱、床、調度品に至るまで金箔、銀箔の大サービス……
最奥の部屋まで案内された俺は、その桁違いな税金の無駄遣いぶりに辟易していた。
「
案内役の女に先導されて長い廊下を歩く
到着時に供の者達は別室に控えるよう要請された。
そして
だから
”
――敵地のど真ん中、”
「この先は地上にして地上に
そう説明する女の言葉に一応は納得したのだが……。
――まぁ、言い方は回りくどいが何が言いたいかというと
”この先は男女が睦む”
”裸の付き合いをして、腹を割って話そうじゃ無いか!”
という――
”
「では
目的地に到着した後、案内役の女は頭を下げると――
扉前を守護する二人の武装した女性兵士に開場を命じた。
ガララ――
豪奢な引き戸が左右から同時に引き開けられて……
――っ!
一瞬、ムワッと思わず
「……」
入口から縦長に広がる五十畳以上はある部屋。
部屋の両端に正座にて頭を深く下げた女達がズラリと並ぶ光景は中々圧巻だ。
「……!」
その最奥部正面に鎮座する人物。
――ベベン!
――ベベベン!
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり……」
年代物らしき
「…………」
男の両脇には左右に二人づつ、しどけない衣装の妖艶な美女達。
「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす……おごれる人も久しからず」
ギロリ!
女達を
第七話「
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