第96話「顎髭男の善悪」後編(改訂版)
第五十六話「顎髭男の善悪」後編
”
――
この本命中の本命ともいえる問題は、
だから今回情報を整理してみるのはその他の二件である。
先日、”近代国家世界”で
臨海国内、
とはいえ、実はこれらの問題はこの時点で一応の解決をしてはいた。
「……」
――そうだな、先ずは”
――
―
「その件は……あ、あの、今日にも担当者が直接、王様に……ご、ご説明したいと……」
”近代国家世界”で
果たして同日、ほどなく
――
「只今説明させて頂いた通り、この反乱がこれ以上拡大するのを抑え、更に首謀者一味を一網打尽にする手立てが我が胸中にはあるのですが……どうでしょう?」
会うなり、その
この
恐らくは
実際に強硬派なのはそのごく一部らしい。
結果的に我ら
つまり、それ以外の数百在るという反乱軍は有象無象……
「で、人質を使って脅すのか?」
俺は目の前で膝をついたこの
「ほほぅ……ふむ、戦国の世で人質とは元来そういう使い道でありましょう?」
「まぁな、こんな状況で使える”カード”としては確かに重宝はするよなぁ」
ならばと……俺も白々しくもそう答えた。
――この
お互いの腹を探り合って自らの考えと比較する。
それは俺の器を
「ふむ……実はですな……今回、都合の良い事に
――都合の良い?よく言うな……
実は俺は知っていた。
だが、
つまりコレは何かあったときの保険だ。
もっと露骨に言うと……
あからさまな懐柔工作と、それでも
「
「まさか、全ての未来を見通せる者は神のみでしょう?」
俺の問いに男は
――なるほど、”運命神”とまではいかないものの”
俺はそんな、何事にも用意周到な腹黒男とのやり取りに少し食傷気味ではあったが……
「…………わかった」
――実際、それを知っていながら、ある意味”確信犯的”に放置していた俺が意見するのもなぁ……
と、
「ふむ、よろしいので?反乱拡大は抑えられましょうが、場合によっては
――
「別に、どうってことないな」
俺は即答する。
悪辣だとか、姑息だとか……戦場で”
「ほぅ……ふふふ」
それを受けて……
「ふむ……”善悪”などと言う価値観を多くの者が当然の如く振り
――身も蓋もないことを……
俺は
「有象無象はそれで良しとして、本命の
俺の問いに
「
――”正々堂々”に”騙し討ち”ね……
この男にこの手の話で、最早俺には今更言うことは無い。
俺は
「我が未熟なる策をお聞き入れ頂き恐悦至極!……では私は”戦国世界”に切り替わり次第、事に取りかかりますので、早速、
満足そうな
「そうだ、
「はっ!」
そして退室寸前だった男は振り向いて俺を見た。
――最早、俺には今更言うことは無い……という訳でもなかったな
俺はそう思い直し、こう言ってみた。
「ミイラ取りがミイラになるなよ?」
「っ!?」
少しだけ呆気にとられた顔の
「
第五十六話「
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