第90話「実力と証」後編(改訂版)
第五十話「実力と証」後編
「よう独眼竜、首尾はどうだ?」
俺達三人が
「上々だ。城に残る将兵の三分の二以上が領土の明け渡しを承諾したと言っても良い」
説得工作の成功を意気揚々と語る右目が義眼の男、
「そうか、
「まぁな、だが、それもこれも本来領地を守備する
――
「
それはあの時、目前のこの
「そう言うなって、元々、
意地の悪い俺の言い様に苦笑いしながら答えた
――
それは――
つまり、
そして、実力はここに陣取る、俺が率いて来た先遣部隊で示すつもりであるが……
問題は”証”である
俺達は
一隊は、
次に先遣部隊により確保された経路を通って
更にそれに続く、現在も
最後に四大……いや三大国家の連合軍による追撃があった場合、それに対処するための
つまり、現時点ではまだこの地に
「どうする?
状況を察して確認する
「いや、交渉相手に時間を与えるのは良くない。お前の話では大多数の将兵は条件を飲んだそうだが、裏を返せば城に残る将兵の三分の一程は
――そうだ、時間をかけるのは下策だ
敵の追撃軍に
となると、その三大国家連合軍を
「大丈夫だ……一応用意はしている」
俺は真顔の男を前に頷くと”そっと”左隣に控える、細い銀縁フレームの眼鏡をかけた
「畏まりました」
恐らく初対面であろう、
「……彼女は?」
それに会釈を返しながら聞いてくる義眼の男に、俺は答えた。
「
「
「
「……」
――素敵な笑顔だ……
笑顔だが、中々どうして……この”得体が知れない感”は姉譲りなのだろうか?
俺は、あくまでも俺の部下を強調する物腰の柔らかい女性を見ながら、そんなことを考える。
――そうだ、この
つい二日ほど前にそれを知った俺は、驚いたと言うべきか、妙に納得したと言うべきか……
「
ちょっとばかり思考がお留守になっていた俺に、
「ああ、そうだ。彼女の家は
気を持ち直し、ニヤリと笑う俺と横で微笑む眼鏡の美女。
「あう?あうぅ……」
慌てているのは、今の今まで聞いていなかった
「どうだ持って来いだろう?」
俺の問いかけに
「さすが悪名高い
本人を前に失礼な事を言う義眼男に対して俺は、
第五十話「実力と証」後編 END
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