第113話 第二部「王覇の道篇」エピローグ(改訂版)
↓”暁”世界地図その4↓
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第二部「王覇の道篇」エピローグ
――ザシッ
――サシッ
草を踏み分け、
「……」
寡黙に先を見据えて歩を進める男の両の
――ザシッ
――サシッ
――ザ…………
その見るからに厄介そうで物騒な印象のする武芸者がふと足を止める。
「どうであった
武芸者が足を止めた直ぐ先に、武芸者と同年代の刀を帯びた人物が独り、大樹に背を預けて立っていた。
「……
武芸者はそう男の名を呼ぶと相変わらず感情の起伏の無い
「どうやら……手に入りそうではある」
そして、見たところ随分と長い間自分を待っていただろうと思われる相手に、
素っ気なく、簡潔に答えると、その人物がまるで
――ザシッ
――サシッ
「ふっ、”
ともすれば失礼極まりないととらえられる武芸者のそんな態度も馴れたものだと、
「…………………………
暫く歩いた後、その武芸者は後をついて歩く男に振り返りもせず問う。
「ん?おお、そうか……そうだな」
そして問いかけ?られた
「儂はせっかく
「…………」
自分が問いかけたにも拘わらず、
「
しかし、無愛想な武芸者の後ろを着いて歩く
「お主も大変だったな
――サシッ
――ザ…………
「………………弟子?」
そして……さも不思議そうに呟いた。
「そうだ。お主の教え子、この十年程、
相変わらず振り向きもせず感情のない声で呟いた
故に
「あの”
「……」
「我が生涯をかけて求めし”真理”を体現できうる逸材は…………我を含めてもあの”
「”
”剣聖”と称される武芸者、
身寄り無く、生きる術無く、価値も無く……才気のみ余り在る原石達を集めたあの特異な場所にて、抜きん出た破格の素質を備えた
”閃光将軍”、”
「…………
「…………」
呟いた
「神速応変の出口は一瞬の間に在り、打抜きの生命は電瞬に在り。変幻自在の妙、剣禅一味の無応剣を至極とす、”武”に
「…………それは貴殿の?求める居合いの!?」
誰にいうでも無い様子で、流れる様な文言を口にする
――キンッ!
「……………っ!?」
そして
――体幹には全くブレが無かった
――そして今も尚、何事も無かったかの如くゆるりと歩を進めている
だが、彼の鼓膜を痺れさせたのは確かに金属音である。
それは――
確かに刀の
「……」
――我が
こう見えて
その腕前は”
その
「き、斬ったのか?……なにを……」
構わず歩を進め距離を開ける背中に、その場に立ち止まった
「っ!?」
その瞬間、ヒラリと回転しながら一枚の木の葉が前方から流れ来て、彼の肩口に
「……」
そこで
「ま、まさか……あの刹那に!舞い落ちる木の葉を!?」
慌ててその葉を手に取る
「なっ!!?」
それは……
彼の予想を遙かに凌駕する結果が
――ヴヴッ、ヴゥゥーーン……
どうやらその葉の裏には小さい
「……」
そして彼の手に残った葉は……
そこにきて初めてハラリと真中から二つに別れて落ちた。
「さ、
驚愕する
「……本日、不殺日にて」
「……」
ヒラリヒラリと質量無く舞い落ちる木の葉を造作も無く切断する”刀技”は、それ自体が傑出した達人の技である。
だが”
そういう
それも、直ぐ後ろを歩く自分が捉えられぬ抜刀術で……
一流の剣術使いである
「…………」
だからこそ、彼の主君、
だが……
これほどとは……想像だにできていなかった。
「
独り言の様に呟く
「……」
そして、すっかり圧倒されていた
――この”剣聖”にして届かぬ領域が在るというのか……
――この
「
「?……そう……なのか?」
「……」
変わってあっけなくそう応える”剣聖”に
「彼女は
「……」
「……
そのあまりにも間の抜けた受け答えに、世情に疎いのはこう言う武芸者……求道者の常か……と、多少呆れながらも
「ならば貴殿の行き先は
「……」
途端に”剣聖”の、感情の薄弱な細い眼がヌラリと光った。
「
「あのモノを、我が至高の作品を……
――”
己が”道”の至高を求めし男の
その時ばかりは、完全に”道”の対極とも言える執着に
第二部「王覇の道篇」エピローグ END
ー後書きみたいなものー
ここまでお付き合い頂きました読者の皆様、お疲れ様です。
第二部も無事?書き終えることができました。
そして、二部も終盤の終盤に来て
彼は他作品「たてたてヨコヨコ。.」の主人公です。
同様に
ですがそれなりに見所はありますし、彼が出てくると場が和みます。
書いていて一番楽しい主人公でした。
二部は当初六十話位の予定でしたが、ついつい脇役の話を書き足してしまい、当初より大幅に長くなってしまいました。
一番の反省点です。
ですが、何はともあれ、
果たして彼の妄想嫁……美少女剣士、”
とりあえずストーリーを纏める目処がつき次第にまた連載していきますので、どうかよろしくお願い致します。
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