第107話「動乱の幕開け」―宗教国家”七峰”―(改訂版)
↓「神がかり!」六花 蛍のイラストです↓
https://kakuyomu.jp/users/hirosukehoo/news/1177354054892888796
第六十七話「動乱の幕開け」―宗教国家”
島国”
――が
その一方、一連の騒乱の渦中で新たに列強国に抗する新勢力が誕生する。
”
”
そして……
独立小国群のひとつで、今回、同列の小国群”
”新政・
――こうして長らく膠着状態が続いた”
列強諸国は蠢動を始め、胎動を経て躍動に転じる。
何をか言わんや――
であるが、大国諸国は、英傑は、時代は……結局のところ、
”
戦国には指をくわえて傍観している様な”
平安よりも動乱、”大戦”無くして乱れた天下は定まることなど有り得ない。
”
――
―
宗教国家”
「
腰まである艶やかな長い黒髪が美しい色白の、
「まだだよ……けど、
綺麗な姿勢で正座した大和撫子の隣で、同様に綺麗な正座をした男がそれに少し不真面目な口調で答えるが……
「
途端に女の眉はピクリと反応し、白く端正な顔つきを赤く染めて怒鳴る。
――この大和撫子の名は、
そして、どうやらこの乙女は、その淑やかな容姿からは想像し難いが中身は全く正反対の”直情タイプ”のようであった。
「まぁねぇ……けど、
相手が見ため淑やかな乙女とはいえ、結構な迫力で怒鳴られた男は不真面目な雰囲気の
――そして、この人を食った”
「うぅ……待つだけって性に合わないわ」
「あはは、
並んだ状態で綺麗な姿勢を保って正座するこの二人の左側には、ともに一振りの納刀された刀が置かれている。
共に端正な顔立ちをしていて、性別が違えども容姿が中々に似ている二人。
だがそれもそのはず……
「エ、エイミちゃん、そんなに
そして軽い口論を展開する男女の剣士が正座する間の最奥部、”板の間”の向こうに一段上がった畳の雛壇で、
「勿論よ
「だよねぇ……
先程までの口論は
「う……えと……はい……そだね」
そしていつの間にか仲裁していたはずの少女が恐縮してそう答える立場に変わっていた。
「まぁね、どちらにしろ、この
「皮肉ね、我が
弟の言葉に、
「そんなもんだよ戦国の世なんて……で、僕たちは交渉相手に
国権を本来の国主たる立場である”
そして同じ険悪な国というならば、まだ人間的に信用のおける
野望を隠すこと無く、手段も選ばない
”
「で、
そして
――ガラッ
ドサッ!ドサッ!
「っ!?」
部屋の襖が不躾に開け放たれ、二人ほどの男が放り込まれた。
「……」
「……」
その二人の男は武装した兵士……だが既に意識は完全に無い。
「ちょっと、
「あ、はは……相変わらずだね」
「あっ!あっ!
いや、さっきまで
「ちょ、
男の乱入にも姿勢ひとつ乱さなかった
「あ……あはは、ごめんねエイミちゃん、えへへ」
厳かな
部屋に差し込む光を集めサラサラとゆれ輝く栗色の髪が美しく、毛先をカールさせたショートボブが愛らしい容姿によく似合っていた。
ちょこんとした可愛らしい鼻と綻んだ桃の花のように淡い香りがしそうな優しい唇、大きめの潤んだ瞳は少し垂れぎみであり、そこから上目遣いに青年を伺う様子はなんとも男の保護的欲求がそそられる魅力がある。
最早、誰の異論も挟む余地の無い美少女であろうが、どこか頼りなげな仕草と雰囲気から、美女という表現よりも可愛らしい少女の印象が一際強い少女。
「ね、ね、
不審者を連れて不躾に現れた男に”
「……侵入者だ、とりあえず無力化したが、”
――無作法な乱入者の名は……
少し前から
「う……うるさいわね」
「いやぁ……”
「で、
そして気を取り直してそう聞く
「
「……」
「……」
その言葉を聞いた姉弟の顔は一瞬で引き締まり、
「あ……い、いよいよ……なんだ」
第六十七話「動乱の幕開け」―宗教国家”
*第二部も纏めの残り数話となりました。
今回は三部に向けての宗教国家”七峰”側のプロローグ的なお話でした。
そして遂に別作品「神がかり!」の主人公、折山 朔太郎くんと六神道が本格参戦致します。
自分の全作品の中でも個人戦闘力最強の男、”くだらねぇ”が口癖の無愛想男、朔太郎くんの活躍に
作者的にも期待しています。
そして今回の扉絵は「神がかり!」の蛍ちゃんイラストです。
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