第40話「最嘉と本懐」後編(改訂版)
↓京極 陽子&久鷹 雪白のカットです↓
https://kakuyomu.jp/users/hirosukehoo/news/1177354054892612224
第四十話「
「で、若、本日もう一つの議題、我が国の今後の方針とは……」
部下達の歓声の中、少し考え事をしてしまっていた俺に……
「っと……そうだったな」
俺は思考していた意識を戻し、眼前に居並ぶ諸将達、俺が最も信頼し、最も頼りにする者たちをゆっくりと見ていく。
「……」
「……」
――皆……良い面構えだ
満足した俺は、そうして小さく息を吸い込んでから言い放つ。
「我が
――ザワッ!!
「統一……我が
「いや、しかし……」
驚きに目を丸くする者、事態を理解しようとブツブツ独り言を言う者、中には言葉を失って立ち尽くす者さえ居る……
――無理も無いだろうな……
現時点ではある意味途方も無い夢物語。
地方の”いち小国”である
――だがっ!!
「面白いですねぇ、さすが我が主……面白い事をお考えになる」
「び、微力ながら……わ、わたしも……王様のお力になれるよう、が、頑張りますっ!」
「ふむ……なるほど、
「
「…………ふっ」
――やはり……さすが
俺は期待通りの反応に、満足感に心を満たしながら最前列に控える二人を見る。
「はっ!」
「はい、我が君のお心のままに」
――
――
この二人には聞くまでも無い事だった。
そしてこの二人には、これよりまだ先を話している。
そう、今よりも、もっと以前に……
俺の本当の目的……本願……”
――俺の本願は……この世界を……
――俺の本懐は……
「しかし、
――!
俺はその家臣の声で想いから帰参する。
「これは中々困難な道ですな……歴史上どの偉人も英雄も未だ成し遂げた事の無い至高の頂に立つというのは……」
「……」
「た、確かに……」
「そんな偉業は
「……」
無理も無いだろう、それだけ困難な道だ。
それだけに、成せれば歴史上比肩しうるものの無い偉業ともいえるのだ。
「
「はい、我が主君よ」
俺の言葉に
――場の空気を台無しにして申し訳ない……って顔じゃ無いなぁ
それもそのはず……
――まぁな、同時に俺が部下達をどう率いる器か……試しているともいえる……が
相も変わらず”計算高い”
「忘れたのか?
俺はそれほどの目標を掲げても何食わぬ顔、余裕の表情を
それは他でもない、俺以外の存在に対しての演出の一部。
バサッ!
「本州を四片に分断する大国、
「……」
「……ぉ……ぉ」
「……おぉぉっーー!!」
「おおおおぉぉぉぉっーーーー!!」
水面に波紋が広がるように、それは即座に伝染し、濁流となった歓声が
「ふふっ、
「王様……はぁぁ……やっぱりす、すごい方です」
「おおおぅっ!立派に成られたっ!おおぅっ!!」
そして故老、
「……」
俺は十二分な成果に密かに頷く。
計算され、演出されたこの場の俺の
そして諸将の心を痺れさせるに足る
時に演出は大輪の華だ。
花びらをを大きく開かせて魅せ、印象的な香りで心の芯から酔わせる。
人中に咲かせる興とは、
――おおおおおぉぉぉぉっ!!!!
――おおおおおぉぉぉぉっ!!!!
そして……
それが功を奏した証拠に、居並ぶ
――俺が与えた期待と希望……
――それはある意味、不安と恐怖を克服した高揚感だったのかもしれない
「……」
「……」
ザザッ!
そして自然と俺に視線を合わせた
――っ!
――ザザザッ!!
それを皮切りに諸将が一斉に習う。
「……」
その光景は圧巻の一言であった。
「…………やっぱりすごいね、さいかは」
俺の隣の
「……」
――これからだ……この乱世に生まれてきたからには、最大限の高みに登りたい!
――そしてこの世界をきっと……
俺は立身の想いを胸に、再び言葉を発する。
「北の宗教国家”
――っ!!
俺の発した”
――無理も無いか……確かに相手が相手だ
戦国最強と名高い”
龍神王の末裔と称する”
――だが
「先ずひとつは、その”
「おぉっ!それでは……」
俺が掲げた指針を
コクリ……
そして俺は、
「はっ!」
「我が軍の当面の目標は、
「”
軽薄そうな微笑みを絶えず常備した優男。
特務諜報部隊“かげろう”の
俺は
「あくまでも我が国の標的は東の最強国家”
そして今度は
「おおぉぉっーー!!」
「おおぉぉっーー!!」
そしてそれに呼応して湧き上がる将兵の歓声が、またも広間を埋め尽くしていくのだった。
「…………」
――そうだ、これでいい……俺は……俺はもっと上にいく!!
俺の視界には、ここまで絶えず俺に付き添ってきてくれた側近、
そして傍らには、目映い
――そうだな……
俺は決意を新たに天を仰いだ。
――ここからが本当の正念場だ
――ここからが本当の戦い、俺が四年前に始めた俺の本当の戦いだっ!
第四十話「
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