第40話「最嘉と本懐」前編(改訂版)
↓最嘉と壱と真琴、スリーショットです↓
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第四十話「
――”
それが
”
”
”
ある日、農夫が野良仕事をしていたら一羽の兎が駆けてきて切り株にぶつかって倒れた。
”ラッキー!”と労せずしてご馳走を捕獲した農夫は大喜びし、次の日から畑仕事で汗水を流すのはアホらしいと本来の畑仕事はやめて、来る日も来る日も切り株のそばで兎をまつようになったとか。
だが、兎が勝手にやって来て切り株につまずくなんて滅多に有るわけでなし、農夫の畑は結局荒れ放題になってしまったという顛末だ。
だから”
自分からは動かない圧倒的受け身の人間、自他楽な落後者。
――つまりはそういう底意地の悪い意味合いを孕んだ名前であった。
「”
珍妙な風体の男、
「……」
しかし不気味な男の巫山戯た口調にも、彼女のいつも通りのポーカーフェイスは変わらない。
「”
俺は相手の事など全く気にもとめない珍妙な男と、殆ど他人に興味を抱かない天然白色美少女、
「は、
さらに
「ああ、救いようのない”受け身男”の愚話…………だがなっ!」
俺は
「……」
「だがにゃぁ?」
――確かに他力本願……いや、自らの境遇を諦めて心を閉ざし、ただ流されていた
”
それが更に別の意味を含んでいることも考えられる!
「にゃぁぁ?」
――ちっ!
俺の視線による圧力など何処吹く風と緊張感の無いままの男に俺は更に踏み込むことにした。
「自らを”
俺の目は真剣だ。
なぜなら……
――
「……」
俺は睨む……
射殺すほどに睨み付けるが、対して当の包帯男はというと……
「ぷっ!くふふふぅぅ!」
――笑ってやがる……
「ひっ……はひぃ……」
ていうか……一般人である
「……」
「”
――っ!?
そして、散々笑い尽くした後のミイラ男による切り返しに唖然とする周囲。
無理も無い、こんな巫山戯た男にそんな知識があるとは……
皆はそういう意表を突かれたのだろうが、俺には織り込み済みだ。
「”
いや、ある意味見た目通りの得体の知れない相手だ。
俺はそういった偽装には簡単には誤魔化されない。
この男にはなにか引っかかるモノがある……
なにかとてつもない……なにか……
――”
そもそもこの寓話は、濡れ手に粟の戒めと取られることが多いが、元々の作者である
”古くさい慣例やしきたりに捕らわれて進歩の道を閉ざした愚か者”ということにもなる。
そしてその”
"
つまりは
国家を木にたとえるなら、その木を蝕み弱体化させ、やがて亡国へと導く五匹の害虫を指す言葉。
そのひとつ、口先だけの外交で国家の利益を損なう国家の害虫……それが”学者”か”雄弁家”といった手合いになる。
「はぁ?……
「……」
――いや、そんな回りくどい事より……
俺は終始
――単純にだ……何故、
――その一点に置いても”
交渉事で不安定な感情の起伏や不要な苛立ちは厳禁だ。
それを知らない俺でも無いのに……
この時の俺は……
この初対面であるはずの”
謎の不安と原因不明の記憶の混乱を抱え、正常な判断を出来きる状態に無かったのだろう。
「なぁんのことやらぁ……」
「……ちっ!」
やがて俺の苛立ちは頂点に……
「いいよ」
――!?
「ゆき……しろ?」
目前のミイラ男を威圧するこの場の絶対権力者たる俺と、それでも平然とそこに存在する
誰もが重苦しい空気に動きがとれないような状況で、それを破ったのは話題の中心……
「
驚く俺の顔を見た
「けど、お前……」
「いいよ、それでいい、救いようのない受け身なひとのお話?なんだよね、うん、それでいいよ」
「……」
俺は納得がいかなかった。
いかなかったが……
しかし……結局、本人が承諾した以上、いつまでも難癖をつける訳にもいかず。
また、間を置かずに
そして今日のこのお披露目……
結局、それから彼女の気持ちは変わることは無く、
――
―
「あ、あの……その……えっと王様、
そんな中、とても戦争などと縁がなさそうな可愛らしい女性、
「そう!その辺だよっ!それを話したかったんだっ!
やっと本題に入れた俺は、”ビシリッ”と女性を指さす。
「……あ、ありがとう……ございます……王様」
彼女はビクリと小動物のように縮こまって消え入るような声で応えた。
あの時、この話を一度打ち切った後、残った二人での会話も……
あれだ……ああいう風にちょっと……微妙にややこしい事になった訳だが……
「
名付けの経緯を知る
――俺も未だ同じような心情だが、既に決まったことだ……なにより本人の意志だ
俺はそういう風に割り切って、そして高らかに伝達する。
「ああ、そう決まった。
「おぉぉーーっ!!」
そしてそれを聞いた家臣達から歓声が上がった。
俺はチラリと
「……」
――まぁいいさ、
今度こそ、そう割り切った俺だが、それでも……
――”
――”別世界”?
――”調整”?
――”クイーゼル”?
それでも俺の頭には、去り際の
第四十話「
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