第92話「いつだって……」前編(改訂版)
第五十二話「いつだって……」前編
「
俺の横に馬をつけた偽眼鏡くんは、そう言って正面に陣取る一団を見渡す。
――
城前に整然と構える
「まぁな、……で、敵将は
俺も前方を見据えたまま応えた。
「間違い無い。
――
現、
で、最強国
「そうか、
俺の確認に、
最初に、敵は
つまりそれはこういう事だ。
この偽眼鏡、
今回の”
だからこそ、先んじて
――
―
「もともと
今までに倍する重税に、軍事施設建築の強制労働などなど……数えればきりが無い。
そして直接この地を治める
二十三歳で城主という地位を苦労なく手に入れた
政・武ともに実戦は無いに等しく、それ故か
また、強引な手法で
「なにより
「無いことも無いが……俺の提案する、”
そう問う男に俺は答えたのだ。
「”
俺の遠慮の無い言葉に苦笑いする独眼竜。
そして奴は、わかったとばかりに手を上げた。
「僻地って……”
――
―
斯くして、
「やはり、そのお前の主人である
伝令兵に指示を出し、この戦の総指揮を任せた
「彼らにも立場があるんだよ、あからさまに
「それゆえに表面上は”
しかし
そういう計算の元、言い逃れが出来る立場を選択したのが本心だろう。
「
――元城主の
「わかった、じゃ俺は手筈通り動くが……」
去り際、
「この顔面包帯か?俺は対外的には“鈴木
そう言って答えるが、どうも奴が聞きたかったのはそっちでは無かったようだ。
「あのな……まぁ、余計なお世話かもしれんが、これは絶対に失敗できない局面だ、圧倒的勝利を迅速に見せつけてっていうな……だから”
独眼竜の懸念に俺は、”ああ、そう言う事か”と納得する。
確かにこの戦いは絶対に勝利しなければならない。
作戦の都合上、圧倒的に、しかも敵の追撃が不明な現在は迅速に。
「ほんと余計なお世話だな、総指揮は
俺はそう言って邪険に、
「……」
確かに”
最前線で直接指揮を
自分の身を守れ、ある程度以上の個人的武勇と混戦での的確な戦術眼を併せ持つ
……というか、”
あの少女は、この先で幾つもの経験と優れた人物による的確な指導を受け、そしてそれに培われるはずの”自信”さえ伴えば十分に化ける逸材だと……俺は見ている。
「…………」
――多分……な?
第五十二話「いつだって……」前編 END
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます