第72話「計算と感情」前編(改訂版)
第三十二話「計算と感情」前編
「反乱軍の指導者が判明しました!」
その報告に――
”ふむ”と相づちを打って男は
「
「その
――
「…………」
次々と入る報告に、一段高い城主の席に座した壮年の男は思案顔で自身の
「矢張りそういう事か……だが
この
より力のある者に従う戦国戦人のお手本のような人物と評される計算高い男だ。
「はい、名目上の旗頭は
「ふむ……」
そしてその地を制圧寸前で王自らが兵を返し、
そのせいで
六大国家が参戦するという中央の大戦に介入する愚を犯す小国、
身の程知らずの愚行を犯した
快進撃を続けて領土を拡大していった
そして
「前
「は!そのようで……
「ふむ……自明か、ならばその
「は、はい……貴殿が
兵士が敵軍から送られた口上を述べている最中に、
「そうでは無い……俺が加担した場合どの程度の厚遇を以て迎えると言っていたのかを聞いておるのだ」
「っ!?」
兵士は思わずギョッと目を開く。
――体裁はどうでも良い、交渉の要点だけ延べよ、と
それはなんともわかりやすい話ではないか。
この
呆れた表情を必死に隠しながら、兵士はもう一度口を開いた。
「は!……
「…………ふむ」
「なるほど
そうして、その
「か、
城主の判断がどう定まったのか、それを理解出来ない部下の動揺した顔を壇上から見下ろし、
「迅速に戦支度を始めよ!!この一戦、必要な戦と見た」
この瞬間、計算高いと呼ばれし男、
第三十二話「計算と感情」前編 END
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