4手罪 はじまる悲劇

午前10時10分…

悪い知らせが届いた。


高麗川の前に奴らが

再び現れたという。

そして負けた-


それが何を意味しているかは

俺にもわかっているつもりだった。


その対局に立ち会った男から

高麗川からの伝言を聞いた。


「飛車を10時に使われた…」


俺は確信した。

アイツだ…

アイツが生きていたんだ。


そして俺たちの前に

敵として現れた。


俺の手で止めなければならない。

もうこれ以上、

誰も不幸にしてはならない。


こんな事、アイツが望んでいるはずがない。

高麗川の仇を討ち、

歩九山田の正気を取り戻す…

そう心に誓った。


俺の前にアイツが現れたのは、

それから数ヶ月後の事だった。

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