11手詰 メモリーブレイク

「変わってないな…

いや、変わったままと言った方が

正しいかもしれないな…」


彼の言葉の意味を

すぐには理解する事は

俺にはできなかった。


「3年前はできなかったが、

今度こそ…」


彼の口から飛び出す言葉の

1つ1つに俺は

混乱するばかりだった。


「お前の記憶に俺はいるか?」


「当然だ!!3年前…」


「いや、その前からお前は

俺を知っている!」


「!!?」


王手飛車を初手から

食らったような

とてつもない衝撃が

俺の全身を走り抜けた。


「8年前、お前は俺を助けた…

その結果、お前は全てを奪われた。

次は俺の手番だ…俺がお前を救う!」


確かに俺は、8年以上前の記憶がない。

とはいえ、彼の言う事を

全て鵜呑みにする事はできない。


「バン・マサキ…さっきから

お前は何を言っているんだ…!?」


「思い出せ歩九山田…

それがお前の本当の名だ…!!」

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