躍動する恋
「序盤、中盤、終盤、
好きがないと思うよ」
誰かがそう言っていた。
恋愛における序盤、中盤とは
一体どこなのかを考えてみよう。
終盤は言うまでもなく、
前回お話しした『告白の前後』である。
では、序盤は『恋に落ちた時』なのか?
実はそうではない。
もっと前から対局は
始まっているのである。
恋に落ちてから告白までを中盤。
序盤は恋に落ちるまで…
すなわち『出会った時』である。
異論はあるかもしれないが、
私は聞かない事にする。
この理屈から考えると、
好きになる、ならないに関わらず、
良好な人間関係を築いていた方が
恋を成就させるのに有利と言う事になる。
最悪な出会いから、
なんやかんやあって結ばれる
恋愛ドラマは多い。
そして、圧倒的に不利な序盤から
逆転勝利をおさめる将棋もありがちだ。
序盤の有利は絶対ではない。
しかし、序盤の優位性を保ったまま
終盤を迎える事が出来れば、
勝ちやすいのは将棋も恋愛も同じだろう。
よって、出会った人に好印象を
与える事に損はないのである。
よっぽど嫌いな人間でない限りは…
ただここで注意したいのは、
誰にでも優しく接する行為が
好印象に繋がる訳ではないという点だ。
例えば、好きな人がいるとする。
これを仮に『玉将』としよう。
もう1人、好きではないけど
仲が良い人がいるとする。
こちらは『飛車』としよう。
そして、好きでもないし、
仲もそんなに良くもない人、
『桂馬』がいるとする。
正直、何が言いたいのか
よく分からなくなってきたが、
とりあえず続ける。
あくまで最終的な狙いは『玉』であり、
『飛車』でも『桂馬』でもない。
『玉』を手に入れるプロセスとして、
『飛車』や『桂馬』が
必要になる場面がある。
その場合に限ってのみ、
好印象を与える行為をするべきである。
必要以上に『飛車』を可愛がるのは、
『玉将』をゲットする本来の目的から
遠ざかる結果となってしまう。
何が言いたいかというと、
目的を見失うな…という事と、
誰がどの役割なのかを見極めろ
…という事である。
そうは言っても、恋はそんなに
単純ではないし、計算通りに
うまくいくようなものでもない。
ここまでの話で矛盾があるとすれば、
好きな人がまだいない時は、
どう立ち回ればいいのか?
…という事だと思う。
みんな平等に接していたら、
いざ好きな人ができた時に
出遅れるのではないかと。
そうかもしれないし、
そうじゃないかもしれない。
結局、駒がぶつかるまでは、
定跡通りに駒組みを進めるしかないし、
特定の誰かを好きになるまでは、
いつも通りに人と接するしかないのだ。
知らず知らずのうちに
誰かに惹かれていることを
誰かに見抜かれた時、
あなたはこう答えるだろう。
『〇〇さん?可愛いよね?』
恋の手筋200 ぺるそなを @LION3G
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