第86話 1周年記念配信(3)
「いやはや、開幕
「はいはい色ボケ色ボケ」
「なんかこの鷲、日に日にチュンの扱いが雑になってきてる気がするチュン!抗議!」
「梅雨さんは仲良くなると人の扱いが雑になるのです」
「そこ、うるさいわよ」
「えへへ」
「チュンをダシに高速の百合域展開……チュンじゃないと見逃しちゃうチュンね……」
「そこもうるさい」
『人の枠でいちゃつくな鷲虎』
『人の枠でもいちゃつけ鷲虎』
『鷲雀もちょっと人気出てきてるぞ』
「というわけで千虎七瀬ちゃんと鷲宮梅雨さんがきてくれたチュン!ありがとうチュン!」
「こちらこそ、雀さんの1周年を祝うことが出来て、嬉しいわ。おめでとう」
「私も嬉しいです!あらためて、おめでとうございます!」
「今日は質問をして2人の関係性を根掘り葉掘り探っていくチュン!」
「趣旨代わってるわよ百合雀」
「てぇてぇを食わせろチュン!」
「てぇてぇモンスターだ……」
このまま、二人のてぇてぇを聞きだしたい欲もあるけど、今日は雀の1周年だから心を鬼にして据え膳てぇてぇに抗う。
「……いや、でも、据え膳てぇてぇ食わぬは雀の恥では?」
「は?」
『なんて?』
『勝手に据えるな』
『もっと据えろ』
「埒が明かないわね。今までの流れを見るに何か質問があるんじゃないの?」
「はっ!そうだったチュン!てぇてぇに流されて忘れるところだったチュン!あらためて質問しちゃうチュン!二人にはまずチュンの第一印象を聞きたいチュン。初対面がVG@チーム対抗人生ゲームだったから二人とはちょっと特殊な出会いだったチュンね」
「そうねぇ。ちっちゃくて可愛いって感じだったわね。話してみると生意気だったけど」
「確かにかわいい子だー!って思いましたね。梅雨さんが大きいので2人が並んだ時、身長差がすごくて思わず写真に収めたくなりました」
『ちっちゃくてかわいいって会った人全員から言われてるのおもろい』
『生意気だった草』
『鷲雀が俺を狂わせる……!』
「まあでもあれね。私も初対面のVだから少し緊張していたわね」
「あれでチュンか?」
なんか宣戦布告されたり、わりとバチバチだったような気がするけど。
「なによ?文句ある?」
「あはは、梅雨さんは緊張するといつもより4%ぐらい目つきが悪くなるのでそこで見分けられますよ」
「それ絶対千虎ちゃんしかわからないやつチュン。てぇてぇチュンね」
『隙を見せたら直ぐてぇてぇ』
『実際、千虎ちゃんは鷲宮さんの表情の変化で考えてることが多少わかるという噂』
「コメントで千虎ちゃんは鷲宮さんの表情の変化で考えてることがわかるって書かれてるチュン」
「デマね」
「え、わかりますよ?」
流れ変わったな。
「うそよね?」
「いや、わりとほんとです。あ、この顔は格ゲーで負けて機嫌悪いときだとか、この顔はちょっと寂しそうとか眠そうとかだいたいなら……」
「んなっ!」
絶句する鷲宮さんの声を聞いて、ディスコをマイクミュートにして餌と2人のリスナーの皆さんに語りかける。
「餌と千虎ちゃん鷲宮リスナーのみんな、聞こえるチュンか。やはりチュンは間違ってなかったチュン。てぇてぇ郷はここにあったんだチュン」
『てぇてぇ……』
『やはり夫婦では?ボブは訝しんだ』
「じゃあこの前、くっついてきたのって」
「……その、寂しそうだったんで」
「うおおおおおお!!!!!」
『うるせぇ!!!!』
『てぇてぇしてる2人に、ディスコをマイクミュートにして絶叫してる百合雀がいると聞いて』
『最高最高最高最高ハッピー』
「あ、やばい。また百合雀に餌を上げてしまったわ」
「もっと餌くれチュン」
「雀さんの1周年なんでサービスです」
「千虎……恨むわよ。ぜったいそういう絵が大量に投下されるやつじゃない」
「あはは、いいじゃないですか。梅雨さんと一緒に描かれた絵、私好きですよ」
「最近、千虎が百合雀に悪影響を受けてる気がするわ……頭痛くなってきたから次の質問に行ってちょうだい」
「はーいチュン。じゃあ今度下切雀と一緒にやってみたいことやゲームを聞きたいチュン。鷲宮さんと千虎ちゃんとはぜんぜん遊べてないチュンからこれを機にもっと仲良くなりたいチュン」
「格ゲーで私に勝てるまでとかどうかしら?」
「鷲宮さん、実はチュンのこと嫌いだったりするチュン?」
「冗談よ。でも格ゲーはやってほしいわね。最近、新作も発売されたことだし、雀さんは反射神経良さそうだから良い線いくんじゃないかしら。今まで触れたこととかはないの?」
「まったくないチュン。昔は少し怖いイメージがあって、手をつけてなかったって感じチュン。今は配信者やVも格ゲーの配信する人が増えてきててそういうイメージはなくなったチュンけど」
「そうね。治安問題は昔の方があったっちゃあったけど今はオンラインが主流だからそういうこともないし、初心者もとっつきやすい環境になったんじゃないかしら。ということで、私が雀さんとやりたいのは格ゲーを雀さんに教える配信よ。格ゲーVとしてそこそこ知名度がある私が雀さんを教えることでもっと初心者を呼び込んでいければ嬉しいわ」
「責任重大チュンね!でもチュンも格ゲーは気になってたチュンからぜひお願いしたいチュン!」
「決まりね」
「はいはい!私は耐久企画やりたいです!一緒に限界を超えましょう!」
「これはもう察してたチュン。今度何するか教えてほしいチュン」
「はい!!!」
というか何気にツユキちゃんと千虎ちゃんでほぼ耐久企画が2つになってしまった。
……まあ、なんとかなるだろう。頑張れ未来の下切雀。
「じゃあそろそろお暇するわ。あらためて1周年おめでとう。来年もまたこうして逢えることを願っているわ」
「もちろんチュン!来年も鷲宮さんに祝わせてみせるチュン!」
「雀さん、同じ個人勢として一緒に頑張っていきましょう!」
「千虎ちゃんもきてくれてありがとうチュン!」
「それじゃあ、鷲宮梅雨と」
「千虎七瀬でした!」
ポロロン。
2人が抜ける。
「ということで人生ゲーム大会で出会った二人がきてくれたチュン。まさかのいちゃいちゃを見せつけられてテンション爆上がりするなどのアクシデントはあったチュンけど久々に配信で話せて楽しかったチュン!今度はコラボ配信でもっとお話できたら嬉しいチュン!」
『鷲虎良い……』
『雀ちゃんの格ゲー配信たのしみだ』
『ファンマイと千虎ちゃんの耐久企画で雀ちゃんが心配だけど正直めちゃくちゃ楽しみ』
ポロロン。
2人が抜けた後に待ってましたとばかりに入ってくるショットガンを持った白衣の美女のアイコン。
「やあ、久しぶりだね。雀くん」
飼い主さんとは系統が違う、かっこいいハスキーボイス。
メア博士がきてくれた。
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遅れました。
次回更新は早め。
残すのは、メア博士、ステラちゃん、猫神様なのですがメア博士とステラちゃんはちょっぴりダイジェストにします。お二人が好きな方には申し訳ありません。
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