第79話 飼い主さんといちゃいちゃするチュン!あとくえすちょん読みと近況報告(1)
「こんチュン~~~、今日は飼い主さんといちゃいちゃしていくチュン」
「こんばんは、飼い主です。今日はあくまで近況報告とくえすちょん読みがメインです」
今日は定例会議の日だ。
雀はこの頃、配信と1周年企画のことを両立していて、やや溶けてる。
でろーんと机に貼り付いた雀の声はいつもよりも少し低くてダウナー気味だ。
『こんチュン~』
『今日の雀ちゃん、ちょっとダウナー気味で良き』
『わざわざ言わなくてもいつもいちゃいちゃしてるでしょ!』
『近況報告って前言ってた1周年記念生放送のやつとか?』
「そうチュン!1周年記念のやつチュン」
「といっても、あんまり詳細を話しすぎるとみんな楽しくないと思うから、くえすちょん読みがメインだけどね」
「ちなみに1周年記念のための準備は着々と進んでいるから楽しみにしていてほしいチュン!」
「新衣装はマジで最高のデキです」
「ハードルを上げるようなこと言わないでって言いたいところチュンけどマジで自信を持って出せるチュン」
『楽しみ!』
楽しみにするようなたくさんのコメントが流れていく。
楽しみにしてくれているのは嬉しい。もうひと踏ん張りだ。
「じゃあ色々忙しくて返せていなかったくえすちょん読みしていくチュン」
【鷲宮さんとエンカウントしたときのことが聞きたいです】
「これ多かったチュンね。事前に鷲宮さんに連絡したら話しても大丈夫ってことだったから簡潔にお話すると、鷲宮さんが職権を乱用して、飼い主さんに逢いに来たチュン」
『草』
『梅雨ちゃんつんけんしてるイメージだけどお姉さん大好きだから……』
『鷲宮梅雨:語弊が凄い。間違ってはないけど』
『梅雨ちゃんもよう見とる』
「本人もついに罪を認めたチュンね。観念して飼い主さんにやってほしいことを吐くチュン」
『鷲宮梅雨:一緒に協力型ホラーゲームしてほしいです』
寧々の顔がこちらを向く。
顔を逸らして抵抗するが、鷲宮さんだし反応しないわけにもいかない。
「き、気が向いたら、ね」
「これは推したらわんちゃんあるチュンね」
「まあ、嫌ではあるけど協力型のやつなら無きにしも非ずではある。ただ全員、鼓膜の変えは準備しといてね」
「言質とったチュン!」
『鷲宮梅雨:@1用意しときます!!!!!』
「用意しておくで駆り出されるVを1人察したチュン」
『鷲宮梅雨:ふふふ』
早まった気がする。
これは逃げられないやつだ……
あとなぜか千虎ちゃんが犠牲になる予感がする……申し訳ない。
「飼い主さんのドキドキホラーゲーム配信を決まったことだし、次行くチュン」
【飼い主さんを養いたい。パチンコ代とかスパチャ代を貢いで、最後はぼろ雑巾みたいに捨てられたい】
どうして……?
あまりにもな妄想に慄いていると、隣で寧々がふむふむと頷く。
「わかるチュン」
「どうして……」
「飼い主さん、優しすぎるから偶にはクズな飼い主さんも良いと思うチュン」
『分かる』
『飼い主さんの耳にピアスめっちゃ空いてたりしてほしい』
『お金ないって伝えたらは?金ないの?使えな……みたいな反応してほしいよ……」
『本命(雀ちゃん)がいるのを知りながら淡い恋心を抱きたいし、それを利用されて振り回されたい』
「キミたちは私をなんだと思ってるんだ」
「でも飼い主さん、ピアス空いてるチュンよね」
『エッッッッッッッ!!!!!』
『ピアス空いてる助かる』
『インダス空いててほしい』
インダス……?
調べると、長いピアスが耳を貫通して斜めに伸びている写真が出てくる。
ああ、これのことか……空ける時、めちゃくちゃ痛そう……
「空いてるのは、普通に左に一つだけだよ。高校卒業間近の大人びたい年頃でノリで空けた感じ。耳たぶだし痛くはなかったかなぁ」
「チュンは痛そうすぎてドン引きしてたチュン」
「てか最近はつけてなくて塞がっちゃったけど、今度一緒にあけてみる?」
「絶対嫌チュン」
真顔で断られてしまった。
かわいいと思うんだけどなぁ……お揃いのピアスつけたり……いや、これは色々うるさそうな人が近くにいるからやめたほうがいいか。
というか寧々がピアスつけたとしても見た目はちょっと背伸びしてる中学生……「い゛っ゛」
鋭い痛みが走り、隣を見ると脇腹を掴んでる寧々。
『なんかすごい声聞こえたwww』
『大丈夫!?』
「飼い主さんが失礼なことを考えてた顔してたから脇腹をつねらせてもらったチュン」
「以心でんでんむしだ……」
『マジで考えてたやつだ』
『雀ちゃんぐらいになると飼い主さんの思考を読めるんですよね』
『以心でんでん虫好き』
「ちなみになに考えてたチュン?」
「水星について」
「ほんとは?」
「あっ……ッスー……雀さんがピアスつけてもちょっと背伸びした中学生みたいでかわいいなって」
「前半全部余計チュンから消してもう一度、言うチュン」
「かわいい」
「正解チュン」
『てぇてぇ』
『拙者、飼い雀で雀ちゃん優位になるとテンションが爆上がりする侍と申す者』
『尻に敷かれる飼い主さんすこだ』
「飼い主さんからのかわいいも貰ったことだし、次行くチュン」
【雀ちゃんが好きすぎて夜しか眠れません。雀ちゃんのボイス出してほしいです】
「安眠できて偉いチュン!これ、意外と来てたチュンね」
「だそう!!!!!!」
「声でか」
雀のボイス!!!!!
おやすみボイスとか朝のひと時ボイスとか、雨宿りボイスとか耳かきASMRボイスとか聞きたい!!!!!!
「雀が朝起こしてくれるやつとかそのまま一緒に添い寝しちゃうボイスとか聞きたいよ!私は!」
『俺も』
『それはマジでほしい』
『ついでに飼い主さんのも出そう』
「でも、それってチュンが別の誰かと親密になってるけどいいチュン?」
「ニ゛ャ゛ッ」
の、脳が……
『頼む……耐えてくれ』
『飼い主さんがここで倒れたら、雀ちゃんの添い寝ボイスはどうなっちゃうの!?』
『もういっそのこと、二人の添い寝ボイスでもいいのよ?』
うぐぐ、でも、でも、余所行き雀のボイス聞きたい……!
「ボイスでは自分視点なわけだから、私が聞いている分には私が雀に添い寝されている!」
「そもそも誰も添い寝ボイス出すなんて言ってないチュンけどね」
「それはそう」
『急にスン、としてて草』
『うわぁ!いきなり落ち着くな!』
『で、出ないの……?』
「まあ、意外とこの手の要望はきてたチュンから色々落ち着いてから出したいチュン」
「今、ちょっと忙しいからねぇ」
『もうすぐ1周年だしね』
『楽しみ!』
『無理しないでね』
「そうだね。今度の休みとか休暇がてらどっか遊びに行ってもいいかな」
久々に水族館とか行きたいな。
「デートチュンね!」
「そうだね」
動物園とかでもいいなぁ。
寧々と一緒ならどこでも楽しいけど。
「ぇぁ……」
「ん?どうしたの?」
『飼い主さん、その雀、デートを直ぐに肯定されてガチ照れ雀になってます』
『かわいいね♡』
『拙者、飼い主さんの思わぬカウンターで雀ちゃんがガチ照れするの大好き侍と申す者』
「ふふ、まあ、詳細は後で決めるとして雀が顔真っ赤だから次のくえすちょんは私が読むね」
えーっと、雀がピックアップしてる次のくえすちょんは………………
【飼い雀のR18タグがほしいです】
隣を見る。
ばっ、と寧々の顔が逸された。
「……えろ雀」
「誤解チュン!!!!!!」
誤解じゃないチュン。
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お久しぶりです。
生き返ったので更新再開します。
次回更新はやめ。
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