Chapter 1


[Chapter 1]

 世界は二倍の体積を手に入れた。

 人類はその英知の末に、自分達でもうひとつの世界を作り出す事に成功したのだ。

 ただし、語弊があるとすればその"異世界"は実体のある世界ではなく、計算機が作り出す幻想の世界であるということ。つまり、電子で出来た"電脳世界"とでも呼べば良い代物である。


 そして、人類の半数は"電脳空間"で生活し、残りの半分は"物理世界"で生活するようになった。

 医学と物理工学、そして電子工学の発達した世界では、どちらで生活し、またどちらを任意のタイミングで再選択したとしても、不自由なく生活できるようになった。

 例えば、オフィスへ出勤できない日に、電脳空間で仕事をする事も、あるいはその逆を選択しなおしても構わないようになったのだ。ただし、一部の例外的な職業を除いて。

 もちろん、それで物理世界での仕事が無くなる訳ではなく、むしろ電脳世界の登場により双方が必要な発展を遂げる為に、新たな雇用が生まれる好循環となった。その比率は、労働人口に対しておよそ五分と五分。


「そうすると、僕たちみたいな奴らも、当然のように現れるよね」

 僕こと、御影みかげ 大和やまとの職業は、ひとことで言えば無職である。ただし、収入が無いかと問われれば、世間一般の上位には入るであろう額は稼いでいる。

 しかしながら、それが"真っ当な金銭"であるかと問われれば、否を返さざるを得ない。何せ、税金なんて支払っていないし、まず犯罪行為によって得たお金であるからして、どこにもホワイトカラーな部分を見つけることはできない。


「帝都銀行……。意外と警備がザルだなー……」

 現代において、銀行はセキュリティーが最も厳重な施設として、普通は物理空間だろうが電脳空間だろうが、侵入して悪さをしようなんて考える者は少ない。

 しかし、例えばの話、銀行の内部に侵入するだけなら? 答えは、外部に委託された『警備会社』の警備網を突破できれば、不可能ではない。

 そして、銀行の個人口座へ直接アクセスするのでなければ、侵入して適当な端末へコンピュータウイルスを送り込めさえすれば、ネットワークに繋がる端末を順次、掌握していくことも不可能ではない。

 いくら強固なセキュリティー網を組もうとも、そこで作業する『人間の失敗』までは網羅できないからには、バックドアとして使えそうな入り口はどこかに落ちてるはずである。


「外部からの攻撃には強くても、内部からはイージーだよね」

 世の常として、カメラやマイクを初めとしたセンサー類や、大きいシステムの末端を担う端末は、要件を満たせるぎりぎりの性能しか搭載していない。また、交換しやすいよう、高度に部品化されて取り外しが容易になっている事が多い。

 さらに言えば、侵入者対策で赤外線カメラや人感センサーを搭載した製品であっても、それ自体の価格を切り詰める為にと、本体のソフトウェアには強気なセキュリティを構築している事も少ない。もっとも、それらを構築出来るだけの、性能的な"遊び"を持たせてある事も少ないのだが。


「お疲れ様です」

「おつかれさま」

 僕は今、手に入れた『制服』を着て、銀行の内部を歩いている。お昼時を狙っているのだが、交代する人に混じって歩いても、堂々と歩いているので不審に思われた形跡が無かった。

 時々、見知らぬ顔だと気にする人もいたが、事前に監視カメラやマイクの端末をクラックして得た情報を元に、テンプレートと化した挨拶をする。

 監視カメラや物理的な監視網を構築しているのは、そこそこ大手の『警備会社』だったのだが、そちらをクラッキング(ネットワークの不正侵入や改ざん)が得意な姉である、御影みかげ 綾乃あやのが既に掌握していた。

 僕もクラッキングは苦手ではないのだが、姉が超一流だとすれば、精々が一流か二流の間といった実力しかない。それでも、脆弱性を利用するために物理空間で活動するのが得意なのは、僕の方だった。

 自慢に聞こえるかもしれないが、姉は超美人で、そんなのが歩いていれば話題にならない方が異常な容姿をしている。一言で表現すれば、目立つのだ。

 逆に自分は、不細工ではないが記憶に残りにくい"普通"の容姿をしている。その為、こうして物理的な脆弱性を利用するのに障害となりくい。


 前提として、最高峰のセキュリティを突破するのに、何も分厚いところから攻めるのは馬鹿らしいし、最初から対策されていれば、無意味にリスクを取る事になりかねない。穴の無い場所をたたき続けても、徒労に終わるだけである。

 仮に有効だとしても、物理的・電子的なセキュリティを突破するのに、真正面から力押しでやろうとすれば途方も無いリソースが必要だし、嫌がらせや最終手段でしか利用できない。


 例えは違うが、銀行強盗を例に挙げれば、銃を持って銀行員を脅しても、そもそも権限を持たない一般職員としか接触できない上に、仮に防犯ブザーを押されなくても監視カメラで見た映像から通報される可能性だってあるのだ。それは、無意味なリスクでしかない。


「お疲れ様です」

「うん? ご苦労様……。はぁ……」

 一人の男性が、溜息を零しながら浮かない顔をしていた。

 恰幅が良く、高そうなスーツを着た人物の横を、さり気無く通り過ぎる。その人物は首からIDカードを吊るし、他よりセキュリティが厳重な扉を通って来た。嫌な事でもあったのか、気分が悪そうな顔をしている。

 扉の近くにはトイレがあって、僕は歩調を緩めてそこに向かうふりをしながら、味方からの合図を待つ。


『周囲に敵影はありません』

 突然のように、脳内には女の子の声が聞こえてくる。

『分かった』

 それに内心だけで相槌を打てば、声の主に伝わるようになっている。

 当然のように心霊現象ではなく、僕の脳内には"生体埋め込みデバイス"と呼ばれるコンピュータが埋め込まれており、そのコンピュータ上で動作する人工知能(AI)からの呼びかけである。これが僕の仲間だった。

 名前は『除夜(じょや)』である。

 余談だがそのデバイスは、今は存在しない"御影技研"という企業が試作開発したもので、製作から三年が経過した現在でも、世の中に出回っている製品より飛びぬけて性能が良いものだった。

 しかし、一般的な技術ではない上に、今は禁止されている技術も含まれている為、一概には言えないのだが。


『余裕ですね』

「……」

 銀行に侵入するのは初めてだが、確かに想像していたより大変ではなかった。事前準備は大変だったが、いざ実行してみたら拍子抜けしてしまった。これなら、某企業のデータセンターに侵入した時の方が、大変だったと思う。

 一応、集団の中で目立たないようにする方法など、自分なりの処世術は持っている。

 例えば、ある集団の中で決まった習慣や、細かいルールを把握していれば不審ふしんに思われにくい、などである。そう言う意味では、外見的に『制服』を着ているだけで、一定の信用を得ることができる。今回は、そんな印象操作を利用している。

 他にも、コスプレであっても『警察官』の格好をしていれば、通行人から警察官だと思われるのと似た原理である。本職の人から見れば厳格な規定を遵守していなくとも、一般人を相手にするのなら"それっぽい"だけで十分なのである。


「よし」

 IDを読み取るカードリーダーの部分に、薄く透明なフィルムを張る。それは、手の体温だけでぴったりと収縮するようになっていて、見分けが着かなくなる。

 表面には、ナノサイズの見えないICチップが何種類か埋め込まれており、カードの情報を得る為に使用する道具でもあった。

 ちらっと見た限りでは、少し古くなって来た『非接触ひせっしょくICカード』を使っているように見えたが、大手の企業や特に銀行系では、十年以上前の技術が現役で使われている事も珍しくはない。

 フィルムの目的は、暗号化されたカードの情報を途中で抜き取るものではなく、カードの内部にあるICチップ本体へのサイドチャネル攻撃(消費電流を測定したり、発生するノイズなどの物理的な信号解析)を行うものである。特に通信中のデータに対しては、その内容を傍受されたり、複製されても問題ないよう対策されている事が大半であり、逆に、ICチップの暗号化回路が発生する独特なノイズパターンなど、物理的なアプローチによって必要な情報を解析していく方法などは、一部の技術者しか考えていない。


 普通なら、少し大掛かりな解析装置を用いる必要があり、監視カメラなどと組み合わせればそんな心配をしなくて良いのだが、どこの業界にも用途を限ったり単価で製品化されなかった試作品では、その限りではない。姉が某企業のサーバに侵入した際に、拝借してきた設計データに"コレ"があった。

 さすがに、中継器が無いと信号を送信できるほどの出力がないので、もう一枚、コピー用紙三枚分ほどの厚さと、半透明の色がついたシールをカードリーダーの下部に貼る。


『口座のお金を盗むつもりじゃないんですよね? 何の為にやるんですか?』

『暇つぶしかな』

『人間は分かりませんね』

 除夜とそんなやり取りをしつつも、今日やる"仕込み"は終わった。

 リアルタイムでその光景を眺めていた"監視カメラ"も存在していたが、人工知能である除夜が送信データの書き換えを行ってくれている。だが、僕がそれを指示した訳ではなく、除夜が勝手にやっていることでもあった。


 ちなみに、現行法では人工知能を取り締まる法律があり、指示しなくてもある程度まで自立して判断できる人工知能は、ある理由から違法とみなされていた。その為、コンピュータの性能がどれだけ向上しようとも、特定用途か、人間の意思決定を全く排除した人工知能は、一般的には存在できない代物となっていた。

 もちろん、軍事用途や非公式な研究機関では作られている可能性はあるが、表向きは存在していない。


『退屈です。過去一ヶ月分の映像データを見直しても、皆さんまるで機械のように、ほぼ決まった時間に決まった行動をしてるんですよ』

『人間なんて、そんなものだよ』

『そうなんですね』

 人工知能にも退屈という概念があるのか、今日はしきりに除夜が語りかけてくる。あるいは単純に、僕が少しだけ緊張しているのを察して、声をかけてくれているのか。

 今までの仕事の中で、ダントツで誰かと顔を合わせており、今まで意識するほどでは無かったのだが、誰かと対面するほど緊張や焦りを感じていた。悪い事をしている背徳感が原因なのか、僕にも人間らしい感情が残っていたらしい。


 今回はセキュリティの厚さを考えて、とにかく"気付かれない"事を重視していたので、監視カメラなどの端末は掌握したものの、警備会社の顧客IDが管理されているサーバはそこそこ厳重なセキュリティがあったので、手を出さなかったのだ。手段を選ばず実行すれば、すぐにでもこじ開けることは可能に思えたが、いずれ再利用するつもりなので無理に攻めないよう、姉に頼んだという理由もある。

 ICカードを偽造するのに、これだけの手間をかけるのもその為だった。中小企業であれば、運用上の問題点か従業員の手荷物を漁れば、解決できることでもあるのに。

 一応、警備会社の従業員が使う個人端末にマルウェア(悪意あるソフトウェア)を仕込む事には成功したので、気長に収集した情報を元に、いずれは上位の権限を奪うつもりではいたが、今はその時じゃない。


 補足しておくと、最初から監視カメラを乗っ取ることが出来れば、銀行内部のネットワークも容易に侵入できると思われそうだが、そうではない。厳密に言えば、銀行のネットワークと監視カメラや警備会社が管理するネットワークは別物なのである。

 また、ATM(現金自動預け払い機)や、口座情報を操作できる端末が繋がる層のネットワークと、一般職員が書類仕事や手続きをする層のネットワークもそれぞれ違う。


『まあ、それも時間の問題ですけどね。職員の管理するデータから顧客情報を入手できれば、後は正規の入り口から出金し放題です』

『しないからね? お金には困ってないからね?』

 

 一応、インターネットには繋がっているが、暗号化された通信を用いてVPNと呼ばれる、仮想的に専用回線に見せる一般的な技術が使われているのだが、さすがに銀行だけあり主要データのサーバへのアクセスにも、更に中継サーバを通し限定的なやり取りしか出来ないよう設計されていた。また、その暗号強度(破られにくさ)と、定期的に暗号の種類が変わるなどの対策がされている為、真正面からの横入りは難しかった。

 だが、真正面から破れないのなら、手に入れた情報を元に正規の入り口と手順を使ってしまえば良い。


『(というか……大和様は全然、電脳空間に顔を出してくれません。これでは、私が顔を合わせられないじゃないですか)』

『なんて?』

 この人工知能は時々、それを起動している僕自身にさえ聞こえない音量で喋るという、器用な真似をする。それも、何かを呟いたと気付せるのに、後で会話ログを読み漁っても該当するデータが存在しないので、明らかに僕自身さえ欺いている時がある。そういう意味では、除夜はとても人間らしく振舞う人工知能だった。

 一応、性格と電脳世界での容姿は"女の子"としての体裁を取っているので、誰かから女の子扱いされると少しだけ機嫌が良くなったりもする。


 最初はもっと大人しかった除夜であるが、日が経つごとに人間らしさを増していった。そうなった原因として思いつくのは、僕自身が彼女に、脳の大部分へのアクセスを許可しているから、人間らしくなったのか、あるいは人間的な思考を学習したのかもしれない。

 ある意味では僕自身の"分身"と言って良い状態となっている。


「ん?」

 ふと銀行の休憩室に入り、そこにあったテレビの音声が聞こえてくる。

 テレビなどは特に、撮影から編集までを電脳空間でやることが多くなり、それによって特殊な効果を着けることなども容易になった。

 何より、芸能人のコンサートなどをはじめ、エンターテイメントでは積極的に取り入れられていた。距離が関係なくなった事で、ファンサービスの一環としてゲリラ的なライブ演奏を行う歌手なんかも増えた。

 それでも、アナログ的な感性を全て再現できる訳ではないから、実会場で行う機会も喪失することはなかった。


『神崎エレクトロニクスの創業社長、神崎かんざき 創玄そうげん氏(五十九歳)が一昨日、自宅で病死しているのが発見されました。ご家族が倒れている神崎氏を発見した際には、既に心配停止の状態であったとのことで、病院に運ばれるも死亡が確認されたそうです』

 モニターの向こうでは、ニュース番組の女性アナウンサーがマイクを持ちながら、『神崎エレクトロニクス(本社)』というテロップを流しながら、灰色の高層ビルを映していた。その建物は、誰もが一度はテレビや雑誌で見たことのある、大企業のものだった。


『神崎 創玄氏と言えば、電脳空間の基盤を作り上げた人物であり、現代において、世界の半分を創造した人物と言っても過言ではありません。その総資産は、一説では国家予算にも匹敵すると言われております。そんな、歴史に残るほどの大実業家の突然の死は、人類にとって大きな損失であると言えるでしょう……』


 映像で見るアナウンサーの、悼むような表情とは裏腹に、少しだけ下世話さを感じてしまう声に不快な気分になってくる。世間では大きいニュースなのか、偉大な人物の半生をドキュメンタリーのように流していた。

 それを、もう聞きたくなかった。

 休憩室には誰もおらず、おそらく消し忘れたであろテレビをそのままにし、そっと無難な私服に着替えると、従業員用の出入り口へ足音を立てないように歩いていく。


 ――二日後、帝都銀行と呼ばれる銀行で、従業員が使う端末の多くに『Division 0 / 除夜』という文字が流れ、ニュースになった。

 曰く『今度は銀行!? 謎のハッカー集団「Division 0/除夜」により、帝都銀行のコンピューターが乗っ取られる』という見出しで、報道される。

 幸いにも、顧客情報には影響がないとしつつも、職員のミスによりウイルスが持ち込まれた可能性があり、再発防止に努めるという声明が出された。既にシステムは復旧しており、正常に戻っているという。


「楽しかったけど……終わると呆気ない」

 そんな内容の新聞を読みながら、僕は呟いた。今は大都会が見渡せるような喫茶店にいて、窓際にある席に座りながらコーヒーを飲んでいる。

 僕にとって硬いセキュリティを突破するのは、暗い場所で懐中電灯の灯りを頼りにしながら、ジグソーパズルを組み立てる感覚に近い。ゲームに例えるなら、縛りプレイで高難易度のダンジョンに挑むようなものである。

 しかしながら、その行為それ自体に快感を見出す性格でもなく、踏み越える途中の過酷さが報われる瞬間の、達成感とも誇らしさとも取れる感動が、何より心地よくて堪らない。

 だから、一度でも繋がったパズルを崩すことには、何のためらいもなかった。


 逆に姉は、現実世界から攻める僕とは真逆で、ネットワークを経由した破壊と突破を何より得意としている。障害があれば真正面から突き進むし、分厚い部分を突き壊すのに快感を感じると語っていた事がある。厳密に言えば、ネットワーク犯罪に正々堂々なんて無いのだが、姉のやる気スイッチが入ってしまった時の冴えと手際の良さは、魔法のようだと形容したくなるほどの鮮やかさである。

 そのくせ、何重にも安全対策を施しており、絶対に足がつくような事はしないのだ。勘が鋭いのか、罠となりそうな場所だけを綺麗に避けていく。


「よくやるよな……」

 顔を上げると窓ごしに、大きなビルに張り付いているモニターが目に入った。そこには十代後半のアイドルが、歌いながら踊っている広告が流れていた。

 その姿はとても美しく、清楚な印象の顔立ちで、憂いたような視線が観衆の心を掴んでいく。スーツ姿のサラリーマンから、女子高生までもが立ち止まって見上げている。


「誰も、あの人が犯罪者クラッカーなんて思わないよね」

 口の中で小さく呟いた言葉は、きっと誰の耳にも入らない。たとえ聞こえていたとしても、どの人物に対する言葉なのかを、理解できるとも思えないのだが。


 ふと、モニター越しにアイドルと目が合った気がしたが、その人こそ『AYANO』という芸名で活動する僕の姉、御影 綾乃と呼ばれる人物であった。


(さて、そろそろ集合場所へいくか)

 喫茶店の座席から立ち上がり、会計を済ませるために財布を取り出す。

 僕たち兄弟は、あるルールを定めている。

 ひとつ、現実世界で会うことは、極力しないこと。ふたつ、定期的に電脳世界で会合を持つこと。

 

「早く行かないと、寂しがるからね」

 そうして僕は、大都会の中を歩いていく。


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