冬也の気持ち第11話傲慢じゃない? 修正有2020.08
11.
"Question 疑問"
== 天羽冬也 ==
はて、 姫苺 はどうやって?どこから?俺と篠原智子とのことを知ったの
だろうか。
妻はとてもマニッシュでさっぱりした性格の女性(ひと)だ。
今までに会社の女性のことを聞かれたことは一度も無い。まぁ、今回の異動で
現在の支店勤務になるまで女っ気などなかったからとはいえ。
出張の件を誰から聞いて知ったのか、という問いかけを妻にしなかったのは
突然の話に驚いて聞き逃したっていうのもあるけど、何かね本能がそういう
質問で返すのはよくないぞぉ~って伝えてきたっていうのもある。
仕事を教えてほしいと言われて、妻の嫉妬が怖いからって普通、断れるかって
ぇ~の。笑いものだろっ、これって。
篠原が他の誰かに積極的に話すかどうかは定かではないが、他の女子社員なぞに
話されたりしたら、完全に笑いものじゃないか。
だって俺、38才の中年男。
それで25才女子に言い寄られてるとか、異性として意識してるなんて思われて
みろっ、あ~完全に笑い者だよなっ。
この時、あんな変なことを聞いてきて篠原の俺との同行について止めろと言った
妻を責める気持ちのほうが強かった。
そして妻に向けて知らず知らず投げかけてもいた。
姫苺 、君の言動ってさ、下手をするとある種寝てる子を起こすような
ものなんだぜって。だって俺は 姫苺 から話を持ち出されるまで篠原との仕事に
関して、妻から嫉妬されるような問題と全く認識していなかったのだから。
とにかく 姫苺 、大丈夫だから。
妻が思うほど夫モテもせずだ。
・・
俺は自分の放った言葉ひとつで妻が引き下がったこともあり、この後も
篠原に請われれば出張などにも引き続き連れて行ったのだった。
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